【MM2H体験】マレーシア新潮流 :米国投資家へ接近

MM2H

マレーシア新潮流シリーズは、馬国メディアが伝える最新情報を調査してセカンド・ホームを計画する皆様、既に在住の皆さまに紹介します。

この投稿は、本編【がちで起業】の関連記事でもあります。

この記事のアイキャッチ画像は馬国の全国紙「マレーメイル」の記事から転載しました。

馬国の経済発展の一時代を築いたマハティール前首相から、汚職問題で未だに馬国の印象を落としたナジブ前首相、その後の他の短期後任を経て2022年にアンワル首相が就任しました。

氏名よみ就任期間
Mahathir Mohamadマハティール1981-2003
Abdullah Ahmad Badawiアブドラ・バダウィ2003-2009
Najib Razakナジブ・ラザク2009-2018
Mahathir Mohamadマハティール(再選)2018-2020
Muhyiddin Yassinムヒディン・ヤシン2020-2022
Anwar Ibrahimアンワル・イブラヒム2022-

新政権は立ち上がったばかりですが、パンデミック騒ぎ以降、アンワル首相の目指すところが徐々に見えてきました。

その一つは、アンワル首相が明らかに米国投資家寄りであることです。

これは、東方政策で日本と協創してきたマハティール前首相の方針ではなく、また、中国への急接近で失脚したナジブ前首相の路線でもない、新たな富国路線と言えます。

具体的な例としては、既に紹介したテスラ・モーターの馬国市場参入に関する優遇措置があります。

筆者が馬国で働いていたころ、9.11事件でテロリストの飛行機がワールドトレードセンターを崩壊させた事件を観て馬国人の中には「合衆国の自業自得」という声がありました。マハティール首相は北米の強引な経済施策に強い反発を示していたことは周知の事実です。

首相の米国訪問(全国紙STARの報道)

最新(といっても2023年10月2日です)の馬国全国紙の報道です

ベントン市、10月2日 -馬国アンワル首相は今日、マレーシア国民の健全な発展(Wellbeing)を担保するために、海外からのさらなる投資を引き寄せる努力を続けると表明。

ガバナンス推進が外国投資家にとって馬国市場をより魅力的にする措置の一部であると、ここペランガイでの市民討論会でのスピーチで述べた。(ベントン市はクアラルンプールの東に隣接する広大なパハン州の西部。ペランガイ地区はベントン市の南端に位置する地区)

「意見交換では何を発言しても良い。しかし、国政は自ら何を成さんとしているか認識している。私たちのビジョンは明確。持ち込まれたすべての投資と貿易は何のためか?それは馬国民の未来を守るためのものだ」、「国がどれだけ豊かであっても、その国をうまく管理できなければ、国と国民は救われない」と発言。

「私たちはこの政府を浄化し、汚職に立ち向かいます。明確な政策で馬国すべての人種を支援する。最善を尽くしてすべての人々をケアします。」と付け加え。

先週のアンワル首相によるアメリカ合衆国訪問においては、さらなる投資と交易を推進するために、数社の米大手企業との話し合いがもたれた。

財務大臣でもある首相は、彼自身が面会したのはAirbnb、Amazon、Amazon Web Services、Boeing、ConocoPhillips、およびKimberly-Clarkを含む15社の Fortune 500掲載企業。

資産管規模4000億ドル(RM188兆)に達する米国の資本市場投資家が参加した「Invest Malaysia New York Event」で、アンワル首相は投資環境を整備することについて馬国政府のコミットメントを示した。

ペランガイ地区の補欠選挙は、バリサン・ナショナル(BM)とペリカタン・ナショナル(PN)の候補者、並びにインディペンデントの3者間の争いとなる。*

*8月にセランゴール州シャー・アラムで起きた飛行機事故で亡くなった現職のダトゥク・セリ・ジョハリ・ハルンの交代のための補欠選挙。

Malay Mail on line 2nd October 2023

ナジブ前首相の悪印象と対中政策

以下はナジブ前首相にかんするWikipediaの情報の要約です。

マハティール首相が再任した際、ナジブ前首相が腐敗容疑で起訴されている。馬国司法当局は、ナジブの自宅から数百万ドルの現金と宝石を押収。マハティール首相は過度な親中だと批判。(ナジブが結んだ)東海岸鉄道計画など多くの中国主導の公共事業は中止や見直しが計画された。 2020年7月28日、クアラルンプールの裁判で、権力乱用罪で禁錮12年と罰金2億1000万リンギ(約52億円)の有罪判決を言い渡された。ナジブは一貫して無罪を主張しており、控訴している。

各全国紙は、今でもOne Malaysia 運動中のナジブ前首相の汚職疑惑などを連続して報道しており、首相レベルの汚職問題に強い嫌悪感を示しています。

アンワル首相は、しかし、既に始まってしまっているジョホール州の森林城市の都市開発については、中国の不動産大手の碧桂園の巨大投資とジョホール州の投資を維持せざるおえません。このあたりは、ナジブ時代の負の遺産となりつつあります。

そこで対米政策を強調して、中国関連の悪い印象を払拭しようとしているようにも見えます。

MM2H への影響

筆者私見で恐縮ですが、ベントン市でのアンワル首相の演説でも明らかないように、海外投資を馬国に持ってくる政策は非常に重要視されていますから、

その一環としてのMM2H、

つまり、馬国外の富裕層ないしは中産階級の馬国へロングステイして消費を増やしてくれることにも前向きなはずです。

残念ながら、昨年のMM2Hの制度改正で、申請者が90%も下落している現状では、MM2Hでの投資額が目減りすることが確実視されており、この9月~10月にも、申請条件の緩和策が示されるとの報道があります。

ゴースト・シティー化が問題となっている「森林城市」のプロジェクトを再起動させるためにも、MM2Hの申請条件を緩和することは急務と思われます。

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