【MM2H体験】「碧桂園」と「森林城市」|続報2

MM2H

【MM2H体験】の本編はこちらから参照下さい。

この記事は9月7日までに投稿させていただいた中国不動産大手「碧桂園」の経営危機に関する続報です。この話題の過去記事については以下から参照いただけます

8月30日ジョホールの巨大プロジェクト:光と影
9月01日馬国の森林城市構想「崩壊」の危機
9月07日「碧桂園」と「森林城市」」続報
既に投稿済の3記事

筆者は、これまで緊迫する「碧桂園」の経営危機の動静を確認してきました。

ふり返ると、MM2H の近未来の一翼を担う、ジョホールの巨大都市開発投資の6割を握っている「碧桂園」の経営危機情報は、報道内容が「小出し」に流れてきているようです。

つまり、この不動産大手が残している「債務」の全貌は未だに明らかになっておらず、

新たな報道が出るたびに、一般に知られていなかった債権債務の存在が浮上しているのです。

これらの「知られざる」債務の期間延長がぎりぎりのタイミングで延長されたり、あるいは、支払い利息が期限ぎりぎりで支払われてきたというのが実態。

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債権債務が全て明らかになるのは何時なのか?

これまで明らかとなった内容を纏めると次のとおりです。

 時期報道内容金額碧桂園の対応結果
8月末ドル建て債の
「利払い期限」守れず
22.5百万$
(金利)
期限延期の提案最終期限が
9月5日に
8月末半期決算の発表
(2023年1月~6月)
当期利益
1兆円の赤字
赤字額公表
デフォルト
リスクの表明
9月1日中国元建債の
「償還期限」守れず
537百万$
(9月4日)
償還期限3年の
延長提案
延長は
承認された
9月4日リンギット債の
利払い期限
約9千万円利払いを履行落着
9月5日ドル建て債券の
利払い期限(延長後)
22.5百万$
(金利)
利払いを履行利払いは落着
何れも西暦2023年内の経緯

9月7日の時点でこのテーブルの一連の取引が成立したので、当面のデフォルトリスクは回避できたと誰もが観ていたのですが、

実際には上記以外に、中国国内の元建て債x8本(総額108億元=約2170億円相当)の返済期限の延長事案が交渉されていたのです。

そして去る11日、この元建て債8本のうち6本の償還期間延長が承認されたことが報道されました。

さらに13日になって、ロイターが報じた内容から、残る2本のうち1本についても償還期限を3年間延長することを債権者が承認したという情報です。

尚、別途ブルームバーグの記事で、元建て債は全部で9本という情報も出ていますが、真偽は未明です。このように碧桂園の債務情報は隠された事実が未公開である可能性があります。

中国有数の不動産開発業者である碧桂園は、人民元建てのオンショア債6本の返済期間を3年間延長する承認を債権者から得た。匿名の関係者2人からの情報を引用し、ロイター通信が伝えた。

12日の香港株式市場では、報道後に碧桂園の株価が一時9.7%急上昇し、日本時間午後2時15分ごろは約3.9%高で取引された。

ロイターによれば、香港時間11日午後10時(日本時間同11時)に締め切られた投票の結果、8本のうち6本の償還期間延長が承認された。どの債券が対象かは特定していない。ブルームバーグ・ニュースが碧桂園のメディア担当に取材を試みたが、これまでのところコメントは得られていない。

碧桂園はドル建て債のデフォルト(債務不履行)を土壇場で回避した後、8本の元建て債(総額108億元=約2170億円相当)の元本返済期日を3年先延ばしするよう債権者に求めていた。

Bloomberg News 2023年9月12日

[香港 13日 ロイター] – 中国不動産開発大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)(2007.HK)が新たにオンショア債1本の償還を3年間延長することについて債権者から承認を得たと、事情に詳しい関係筋2人が明らかにした。

出典:ロイター 9月13日

そして、この記事をアップした9月19日に、新たな情報が入りました。

19日 ロイターによると、碧桂園は返済延長を求めた人民元建て債8本のうち、残る1本についても債権者の承認を得た。事情に詳しい2人の関係筋が明らかにした。

残る1本は子会社の広東騰越建築工程が発行した4億9200万元(6700万ドル)の元建て債で、碧桂園は債権者による投票を3回にわたり延期していたが、18日に投票が行われ、3年の償還延長が承認されたとのこと。

経営危機脱出の可能性

以下は今後の見通し(筆者個人の見解)です。

中国不動産業界の経営危機については、報道が為される度に、新たな債権債務の問題が開示される状況にあることから、今後も「未公開だった」中国国内やオフショア債の償還期日や利払いの不履行リスクが新たに浮上する可能性があります。

比較的早く情報を持ってくるロイターであっても、その情報は碧桂園の関係筋から「匿名」で入手しているものであり、同社の債務の全貌を分析したものではないです。

次に、

中国当局が不動産規制を緩和したことで、碧桂園の損益がどれだけ上振れるかが注目されているようですが、この部分も具体的な先行きは全く見えていません。

ロイターの報道では、「碧桂園は近く海外債権者とも償還延長に関する同様の交渉を始めるだろう。現在の手元資金では利払いは厳しい」という有識者の報告があります。 つまり、まだ公開されていないオフショア債があるように読めます。

株価が持ち直す目途は立っていない。

結論として、経営危機脱出の根拠といえる情報は「何も無い」というのが現況であり、

  • 未公開の債権債務が全て晒されて解決すること
  • 先に報告された約1兆円の当期赤字が大きく改善されること

の2つを実現することが起死回生への重要なステップになります。

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