【MM2H情報】碧桂園 香港株式市場で取引停止

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この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。

碧桂園の前回までの情報はこちら

馬国ジョホール州で建設途上である Forest City Project(森林城市プロジェクト)のデベロッパーである中国の碧桂園(Country Garden) については、これまでも、このブログで経営危機の実態と、連続している債務不履行、そして最近では、中国の債権者を原告とする法的手続き(会社整理)の裁判が予定されていることをお伝えしてきましたが、

2024年の4月に入って、遂に香港証券取引所は、碧桂園の取引を停止しました。

これまで下火だった日本の投資系コンサルタントも動画サイト等SNSでこの件に触れて、碧桂園の今後についての観測を発表し始めています。

無論、 コンサルタントの意図は、この会社に触ってはいけませんというメッセージですが、筆者の話題は常にジョホールの森林城市プロジェクトに戻ります。

プロジェクトForest City(森林城市)Development Project
総事業規模1000億ドル(約15兆円)
建設国・場所マレーシア、ジョホール州西南の埋め立て地
埋立て面積1800 – 2000 he (20km2)
建設期間2017年から約18年
受け入れ世帯70万世帯
完了予定2035年

The Straits Times

詳しくはこちらの記事を参照ください。

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英国BBCが取り上げた碧桂園の現状

Country Garden: China property giant suspends shares in Hong Kong

以下、記事の要約です。

経営危機に陥っている中国の不動産大手「碧桂園」について、2023年12月末決算の発表が遅れている中、香港証券取引所での碧桂園株の取引は停止となった。

Crisis-hit Chinese property developer Country Garden has suspended trade in its shares on the Hong Kong Stock Exchange after delaying the publication of its annual financial results.

碧桂園は、決算の遅れについて、同社の債務再編のために、さらに多くの情報収集が必要であることを決算発表の延期の理由としている。

決算の公示の遅れの際、碧桂園の代表からは「関連市場の(市況の)変化が激しく、当社が置かれている経営環境が複雑化を増している」といった表現で「情報収集に時間がかかっている」としている。

Country Garden said “due to the continuous volatility of the industry, the operating environment the Group confronting is becoming increasingly complex”, when it announced its earnings report would be delayed.

BBCの記事では、関連情報として

  • 中国の債権者 Ever Credit 社から提訴された法的整理に関する最初の口頭試問は5月17日
  • 碧桂園の香港市場での取引停止はイースター休暇の週が明けたと同時に明らかとなった
  • 中国国営の不動産デベロッパ China Vanke の株価の下落も記録的な数字
  • China Vanke は営業利益の50%の下振れを公表。今後2年の時間をかけて負債の解消とキャッシュフローの改善を予定

中国の不動産業は中国経済の3分の1を担う産業基盤であるだけに、相次いで経営危機に陥っている中国不動産会社の影響は大きいとしています。

そんな中、会社整理に入っている恒大集団(Evergrande)とその創業者 Huk Ka Yan 氏は、同社がデフォルトに陥る直前の2年間で 780億ドル(150円換算で11兆7000億円)の収益の水増しを行っていたことを訴追されている状態。

こんなことが、日本や欧米諸国で発覚すれば、歴史に残る大罪として取り上げられましょうが、中国国内の話となると、各メディアもあまり大きな事件としては取り上げていません。

日本の証券会社は碧桂園について注意喚起

4月4日付け楽天証券のコマーシャル動画「トウシル」は、碧桂園の現状を分析して、今後の見通しなどについてコメントを発表しています。

不動産大手・碧桂園の株式が売買停止に。中国政府は救いの手を差し伸べるか?(加藤 嘉一氏)

動画の内容は視聴していただければわかりますが、要点は

  • GDPの30%は中国の不動産
  • 中国で行われている投資の4割は不動産
  • そして、中国人民の資産運用の6割は不動産

という中国経済の「建てつけ」の上で

中国国内に3000以上のプロジェクトを持っている碧桂園恒大集団でも約800件程度)が相次いで債務不履行の問題を起こしているわけです。

当事者の碧桂園幹部は「キャッシュフローの健全性を確保することに注力する」としているだけで、返済計画は明らかになっていません。

ところが、キャッシュフロー改善の拠り所である中国の不動産市況は

  • 中国不動産業界上位100社の住宅販売額は今年3月に45.8%減少
  • 碧桂園の住宅販売契約額は今年3月の数字で、前年比83%減少の43億元(900億円)
  • 中国統計局によれば、1月ー2月の新規不動産販売額はマイナス32.7%

という状況であり、碧桂園の資金繰りの先行きを暗くしている。(悪循環)

筆 者
筆 者

未曾有の不動産不況です。この年、 2024年中に、業界の事業所は、バタバタと倒産すると思います。

碧桂園は、債務再編の遅延について、再編計画の実施に向けての Due Dilligence が膨大な作業であり、このために多大な時間とリソースがかかっているとの説明もあります。

筆 者
筆 者

Due Diligence とは、碧桂園が新たに返済資金を借りるために、投資先が碧桂園の財務の実態や問題点を把握するため各分野の専門家が行う調査。 専門家(公認会計士、弁護士等)が経営状況、財務状況、法的事項等を様々な角度から調査し、適正評価します。

しかし、この時点での壁桂園の適正チェックなど何の意味があるのでしょうか?全くの詭弁だと思います。

注目すべき3つの注目ポイント

証券アナリストが注目するポイントは;

  • 碧桂園の決算がいつ公表されて、赤字額はどこまで下ブレるのか?
  • これから直面する債務について期限内に払えるのか?
  • 中国の不動産市場はどの程度回復するのか?

中国の国内メデイアの情報によれば、3月末の時点で香港証券取引所に登録している305社の不動産会社のうち、 20社が2023年の決算報告を延期している。

中国政府の今後の動き

中国政府は、この状態をどうするのか?という疑問があります。

証券市場のアナリストの見解として、

中国政府は、碧桂園に対して直接的に大規模な救済措置は取らない。

ある程度の間接的な経済刺激索(例えば国営企業による不動産開発案件の買収)は打ち出すであろうが、倒産しかけている会社に対して、直接的で規格外の公的資金注入による救済はしないとしています。

つまり、これまでも、「倒産すべき会社は倒産して、生き残るべき会社が生き残る」としてきている中国の冷徹な経済支援策は、今後も変わらないという観測です。

森林城市プロジェクトの先行き

碧桂園の財務と債務の状況は、毎月、悪化の一途をたどっています。今後事態が好転すると言える内容は一つもありません。

Forest City Project の先行きについて個人的な「先読み」をしてみれば、それは

  • 碧桂園の事実上の倒産によるプロジェクトの遂行停止
  • 開発を引き継ぐ投資家や企業が現れるまでの既設住宅都市のゴースト化
  • 免税特権などが引き起こす犯罪の増加

であり、マレーシアにとっては、迷惑な「お荷物」となりそうです。

このプロジェクトに投資している、第17代のイブラヒム国王陛下は、恐らくマレーシア国が国をあげて保護するので、無傷で済むとはお思いますが、別途プロジェクトの資本家であるジョホール州は、維持費垂れ流しのゴーストタウンの処置に長い間苦しむことになりそうです。

起死回生の可能性は、欧米ないしは中国の大富豪(ホワイト・ナイト)によるプロジェクトの買収と再開発です。それが現実化するためには、今も「順調に運営している」と言い続けている碧桂園がギブアップすることが大前提です。無論、碧桂園自身がホワイト・ナイトを連れてくれば、それがベストです。

そのためのDue Diligence なら馬国政府も協力して推進すべきでしょう。

最後まで参照いただき、ありがとうございます。

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