【MM2H体験】おすすめ情報(78)自家用車

MM2H

この記事は、本編【MM2H体験】の詳細記事です。「おすすめ」のまとめ記事はこちらです。

馬国で車を買うなり借りるなりして「自家用車」を持つことについては、賛否両論あると思います。特に企業活動でこの国に滞在する場合、経営者や管理職が社員の車の運転を禁止している場合が多いです。

筆者が「自家用車を持つこと」を「おすすめ」に含めた理由を説明するために、筆者家族の馬国での20年を超える体験の一部を紹介させていただきます。

マレーシア国内ので「移動の不便」を最初に感じたのは1996年ごろです。当時筆者は家族帯同でクアラルンプール(KL)に滞在中で、企業の一員として週休2日のサイクルで会社組織の枠組みと規則の中で暮らしていました。

当時は日本のサッカーが徐々にワールドカップ(W杯)で頭角を表してきた時期です。筆者家族はクアラルンプールの郊外のシャー・アラーム・スタジアムで開催されたW杯予選、「日本対韓国」の観戦に出かけたのですが、スタジアムへは、KLのアパートから車で30分以上かかる場所だったので、タクシーを利用して移動。帰りもタクシーを予定していました。

夜の8時過ぎだったと思います。試合が終わって家族3人でスタジアムの外の巨大な駐車場エリアに出てくると頃、筆者は、ちょっとした準備不足に気づきます。

広大なパーキングエリアには観戦者の車が並んでいて、その車に戻った人々は皆自宅に戻るべくエリアを後にします。マレーシアに来たばかりの筆者家族が必要としているようなタクシー・スタンドは全く見当たりません。

しまったと思いましたが、時すでに遅し。

夜8時のスタジアムにはタクシーは常駐しておらず、観客は、例外なく自分の車やバスで移動していたのです。

もちろん、タクシー会社の電話番号は持っていましたが、その番号はKL市街のタクシー群で、私たちがいる郊外には来ません。この時間、KL郊外まで迎えにくるタクシーを呼ぶことは非常に困難なのです。

それでも辛抱強くタクシー会社に連絡を続けながら、何かの偶然で通りかかるタクシーを探し回りました。周囲の観客はどんどん帰って行きますから車の数もあっという間に少なくなります。KL市街からスタジアムにくる人は皆無なので、タクシーもパーキングエリアに入ってきません。

小学校低学年の子どもを連れた家族が、夜中のKL郊外で立ち往生です。周りには商店街もホテルも見当たらず、道路だけの真っ暗な場所でした。・・・「恐怖」を感じました。

広大な駐車場に自家用車無しで取り残され、タクシーも呼べないとなると、途方にくれます。(写真は Shah Alam Studium :グーグルマップより)

幸いなことに、近くを走っていた無線タクシーが追加料金の約束を条件にスタジアムに来てくれました。私たちは通常のタクシー料金の倍の料金を払い、胸を撫で下ろして帰宅したのです。

2013年になってLRTを運用する国営会社が Shah Alam Line というLRT路線を発表しました。最近になって、スタジアムの脇に駅が完成しました。ただし開通は2025年頃の予定だそうです。

当時、筆者家族は現在のKLCCの近くの Jalan Tun Razak 沿のアパートに居住しており、他の社員がグループで住んでいたアパートには入居していません。

本来、企業の社員が、W杯観戦に行くなら、他の家族と集団で計画してバスをチャーターしたりすべきところなのですが、他の社員から孤立していた筆者家族は、帰宅の移動手段を全く考えずにタクシーで出かけたのです。これは旅行者・滞在者としては「ダメ」な行動でした(笑)。

実際の話、Shah Alamはまだまだ都会の一部でした。マレーシアの国土は日本とほぼ同じで、人口は日本の5分の1です。街の外には広大な土地が広がっており、人間があまり行かない場所も多く残っています。

マレーシアでの車の運転は「危険」なのか?

会社が社員の運転について否定的なのは、基本的に「危険だから」です。つまり、他国での運転に不慣れな日本人が、自分で運転して事故に遭ったら大変だという認識。

そこで、日系企業は現地のドライバーを月給で何人も雇っておいて、車もレンタカーを数台、必要ならマイクロバスも1台常備します。あとは雇ったドライバーと車の使い回しを事務方が管理して、休日の余暇も全部ドライバー依存かタクシーやグラブで動き回るわけです。これが「安全」な運用ということになります。

筆者が20年以上の期間滞在して思うことは、馬国に関する限り、こういった日系企業の会社管理は半分正解だが、半分は間違っています。

特に車の運転に疎い社員や高齢の幹部については、家族を含めて上記の待遇が望ましいでしょう。しかし、日本で運転免許を取得して自家用車を持っているような社員が家族で馬国に滞在しているのなら、国内の移動を会社がアレンジするというのは不経済、不合理、かつ不便です。雇っているドライバーが非常に優秀なら良いですが、ダメなドライバーを雇った場合、それは帰って「危険」です。

image photo by envato elements (all rights reserved)

筆者個人の経験、プラス筆者の知り合いで会社社員と自営業の両方を経験した知り合いの共通の経験から申し上げると、

車に乗っていて、ヒヤッとするようなニアミス(他の車との接触、その他の事故未満の危険な体験)を経験するのは、99%がドライバー付きの車に乗っている時の経験であり、自らが運転している場合、特に自家用車の場合は、そのような場面はほぼ皆無か、数年に1度でしかないのです。

理由は2つあります。

  • 日本の運転技能試験をパスしたドライバーは、予測運転の訓練ができていて、車間距離を保つなど、安全運転ができていること
  • 「疲れている」ことを隠して仕事をする「雇われ運転手」が多い(ライバーが定額給与に不満足で残業で不足分を稼いでいる)こと

特に、2番目の通り運転手が疲弊している場合、その運転技量は一般の日本人ドライバーよりも低いという事態が頻発します。だから、熟練の管理職は、ドライバーが仮眠できる環境をしっかり準備します。

マレーシアは交通事故の多い国?

確かに、この国の交通事故は日本やシンガポールより遥かに多いのが現状です。

ところが、この事故が多いというのは、間違いなく馬国人の運転技量の不足によるものです。どんな人が運転しても事故に遭う比率が高いというわけではなく、事故を起こしているのは、まともな運転をしていいないドライバーと、オートバイのライダーなのです。

最も象徴的なことは、車やバイクの「方向指示器」の利用率です。馬国では高速道路でも一般道でも、追い越しをする場合に「方向指示」を使いません。

まして、一般道の右折や左折の場合でも「方向指示器」は使わない場合がほとんどです。

方向指示器の英語は “turn signal” ないしは”direction indicator (lights)” です。ごく稀に “blinker”とも言いますが、間違っても「ウインカー」とは言いません。

それでも、高速道路や一般道で、事故になりそうな体験はありませんでした。

市街地に入ってしまえば、渋滞が多い。むしろ渋滞による心理的苦痛が問題であり、事故に遭うリスクはほとんど感じない。

筆者自身、馬国で車の走行中に接触されたのは、10年以上の運転経験のうちただの1度だけで、相手は初老のマレー人でした。彼は私の車の後ろをゆっくりと(10km/h程度)動いていて、不注意で私の車の後部バンパーに接触しました。コツンと当たった程度でしたので、事故の認識は無く、すぐに運転再開です。

この程度のことであれば、むしろ街中の縦列駐車中に他の車から無作法にぶつけられて傷がついたような経験の方が遥かに多いのです。

家族がインターナショナル・スクールに通学するなら

クアラルンプールの日本人学校の事情は、未経験でよくわかりませんが、家族の一員が馬国のインターナショナル・スクール(インター校)に通っている場合、自家用車は欠かせない移動手段になります。

スクールバスというのは利用できますが、融通が効きません。学校で子供に何かがあってすぐに迎えに行きたい場合、自家用車は必須でした。

筆者の場合、子供がsecondary school に通う時期は、朝自家用車で学校まで送り届けることを習慣的に続けていました。

スクールバスは、近隣には何もないような郊外を通る場合もある。 写真はイメージです。 photo by envato elements

スクール・バスならまだしも、タクシーやドライバーに任せるのはおすすめできません。(かなり裕福な家族で、運転手を雇える場合は別ですが)

子供が大学に通い始めると、今度は大学生として車が必要になります。家族の車を提供するなり、レンタカーをするのでも、自家用車を持つ程度の知識を両親が持っていることは重要です。

運転技能に関わること

筆者の馬国での知り合いのうち、日本人や外国人を問わず、車を運転して「事故」に遭った、あるいは事故をおこした人物ひとりもいません。

また、レンタカーのおすすめで紹介した通り、道路表示も日本のそれとかけ離れたものは無く、運転していて困ることはほとんどありませんでした。

唯一戸惑ったのは、ラウンドアバウト (roundabout、円形交差点) です。

しかし、戸惑うのは最初だけで、慣れてくると、普通の交差点よりも運転は容易で、安全です。特に馬国はイギリスの統治時代の影響があって、左側通行なので、時計回りのラウンドアバウトへの侵入が容易でした。

幹線道路がラウンドアバウトに近づくと対向車線がこのように分かれるように設計されている場合も多い。

1966年にイギリスでラウンドアバウトの環道内の車両が常に優先する規則をすべての円形交差点に適用して以降、この円形の道路(環道)に入った車は常に優先権があり、外から円内に入る車は、環道に迫ってくる車がない場合に侵入します。

この他に、「慣れ」が必要なのは路上駐車の方法や、スピード違反の注意程度であり、その他のあらゆる点において、馬国の運転事情は良好と言えます。何しろ道路の質が高いのが特徴で、よほどの田舎道に入らない限り、車がガタガタ揺れる心配もありませんでした。

購入するか借りるか?

MM2H利用で10年間住むのであれば、車は買っても良いと思います。車種にこだわるならやはり日本車がベストだと思います。

日本車を含め、輸入車は非常に高額です。

マレーシアにおいて海外から車を輸入する場合、輸入関税、物品税、売上税を合計すると、安くても70%、高い場合は145%の税金が輸入価額に対してかかることになります。日本で生産された中古車を馬国で買う場合も、この税額の関係で、非常に値段が高いです。

自分が所有する日本車を日本から輸入すると、その車の価格とほぼ同じ税金がかかるので、車を日本から持ってくる人は、よほどのカーマニアだけです。

お金をかけないなら、国産車のプロトンの高級車を買うか、歩いは馬国のホンダやトヨタの車を買うという選択があります。

2023年12月現在、マレーシアで販売されているホンダ・シビック(1.5L)の価格はRM129,888(約350万円)です。一方、マレーシア国産車のプロトン・サティア(1.6L)の価格はRM86,888(約240万円)です。

特に車に詳しいドライバーではない筆者の見解として、マレーシアの国産車の場合、2000ccクラスの車を推奨します。日本車との違いをひとこと言えばサスペンションです。日本車のサスペンションは非常に品質が良いです。エンジンは馬国の国産品でも日本や欧州のエンジンを使いますので、品質はあまり変わりません。

心底、車にこだわる人は、黙っていても1000万円近い予算を持ってきますから、釈迦に説法です。購入の話はここまでとします。

SINGAPORE – JAN 19, 2016 by envato elements (all rights reserved) 自家用車があれば、シンガポール旅行にも便利。

レンタカーについては別途「おすすめ」記事にしてありますので、そちらを参照してみてください。

駐車料金

あらゆるショッピングモールや、多くの人が利用する施設には、必ず駐車場があります。料金は常に1~2RM程度であり、「高い」と思うような場面はありません。駐車場に入るゲートで「チケット」を一枚取って、出る時に精算機で支払い済みチケットを入手するか、出口の窓口で実費(コインや電子マネー)で払います。

コンドミニアムの駐車場は通常無料で、各テナント向けに区画が決まっています。

Genting Hilandへの小旅行もバスでなく、自家用車でいけます。 photo by envato elements (all rights ressrved)

車の購入時に車庫証明は不要です。

帰国時の車の処分

購入した車は帰国する前に業者に売り渡すか、知り合いに譲渡することになります。「廃車」を選択するのは30年以上乗ってかなり老朽化した車がある場合だけです。

長く住んでいれば、車の売却に手を貸してくれる友人はできるものです。壊さずに大事に使っていれば、結構な値段で売れます。

筆者が馬国で自営業をしていた時期、外車を馬国で購入すれば、5年程度経過しても購入時と同じ価格、あるいはそれ以上で売れる場合があるとよく耳にしましたが、今もそのような取引があるのかどうか不明です。

最後に

馬国で自家用車を持つかどうかについては、個人的な判断になりますが、筆者の結論として「日本の技能試験をパスした人」が馬国で運転する限り、馬国の運転環境は良好です。レンタカーや購入者を滞在先に1台持っておくことは、馬国の長期滞在をより快適な場所にしてくれます。

マレーシアの道路整備には定評がある。日本から訪ねてきた友人は口を揃えて「大都会」に驚き、道路交通のインフラの整備に関心します。

MM2Hのような体験でなく、馬国に根付いて自営業などの仕事をしてゆく方は、必ず日本で免許を取って、馬国で自家用車・社用車を買うことになります。

最後にお伝えしますが、馬国は産油国ですから、日常のガソリン代は非常に安いです。

2023年12月29日現在、マレーシア国内のガソリン代は、以下のとおりです。レギュラーガソリン(RON95)1リットル2.05RM(約60円)ハイオク(RON97)1リットル3.37リンギ(約106円)です。

最後まで参照いただき、ありがとうございます。

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