この記事は、本編【MM2H体験】の詳細記事です。「おすすめ」のまとめ記事はこちらです。
筆者と家族は、普段から自家用車とスクーターでクアラルンプール市内外を走り回っていたのですが、それでも安くて便利なLRTは頻繁に利用しました。
現在は Kelana Jaya Line と呼ばれていますが、2000年から2005年頃までは、KL市民も我々日本人も全員これを「LRT」と呼んでいました。
運転手の居ない全自動メトロですが、KL市内を見て回るには最適な移動手段でしたので、「おすすめ」80選に含めました。
出張や、短期旅行でKL市内を見て回る方は、グラブは使わずに、Touch ‘n GOを購入してこのKJラインで市内観光をすることをお勧めします。数分ごとに車両がはいいてきます。急行・快速の区別はありませんから、目的の駅だけ心配して移動すればOKです。
クラナ・ジャヤ・ラインとは
LRT ケラナ・ジャヤ線 (Kelana Jaya Line) は、クアラルンプール市街から南西のペタリング・ジャヤ、スバン・ジャヤまで運行している中軽量旅客輸送システム( medium-capacity light rapid transit : LRT) で、この国で最初に全自動・無人運転方式を採用した半地下鉄路線です。
クランバレー統合交通システムの一部を構成しており、クアラルンプールとその周辺地域を結ぶ目的で1998年から運行開始しています。以前はPUTRA LRTと呼ばれていました。
自動運転システムは、ドイツのシーメンス社の「CBTC(Communication-Based Train Control)」システムを採用しています。CBTCシステムは、列車と地上の設備が無線で通信することで、列車の位置や速度を正確に把握し、安全かつ効率的な運行を実現するシステムです。
37の駅を擁するこの路線は、全長46.4km の専用軌道で運行され、大部分は地下と高架のガイドウェイを通ります。
Prasarana Malaysiaの子会社であるRapid Railが運営するRapid KLシステムの一部として運行されています。この路線は、始めて開通した当時の終点であるケラナ ジャヤ駅にちなんで名付けられました。
主な停車駅+観光スポット
まずはこの路線の北東部のKLCC駅 (KJ10)。Petronas Twin Tower、 SURIA KLCC、 KLCCの公園、コンベンション・センターからエアコン完備の walk way を通ってPavilion やブキ・ビンタンに出ます。
KLCCから西に3つ目の Masjid Jamek駅 (KJ13) は、最古のモスクのひとつ、Jamek や、メルデカ広場に歩いて行けます。
次の Pasar Seni駅 (KJ14) は、クアラルンプールのチャイナタウンである「ペタリング・ストリート」と「セントラル・マーケット」の観光地です。
次の KL Sentral駅 (KJ15) は馬国の鉄道路線の中央駅。ここから別の路線で Batu Cave 他のあらゆる観光地に繋がりますし、空港にもつながっています。荷物が重くなければちょっとだけ歩いてKLモノレールに乗り換えられます。
それから2駅で Abdullah Hukum駅 (KJ17)に着きます。ここで降りれば、Mid Valley Megamallに隣接する Gardens Mall に歩いて行けます。
Damansara の住宅地を過ぎ、Kelana Jayaを超えて南下していくと Subang Jaya駅 (KJ28) です。ここで降りると、Subang Parade のショッピングモール。少し歩くと、湖がある Hoilday Villa(ホテル)や Subang Medical Center です。
続くSS15(JK29), SS18 (KJ30) から東に歩けば、そこはSunway City です。(Sunway Pyramid, Sunway Lagoon)
調べれば他にも観光スポットが沢山出てきそうですが、ここで紹介した駅周辺だけでも1日では見聞しきれないです。
グラブやタクシーより遥かに安い運賃
「ラピドKLクラナ・ジャヤ線」の運賃は、2023年12月13日現在、以下の通り
- 1回券:RM2.80(約96円)
- 1日乗車券:RM8.00(約280円)
- 3日乗車券:RM20.00(約720円)
- 5日乗車券:RM25.00(約900円)
1回券は、乗車時に車内で購入できます。1日乗車券、3日乗車券、5日乗車券は、ラピドKLの駅窓口、コンビニエンスストア、オンラインで購入できます。
Touch ‘n GOカードを使用することで、1回券の運賃が20%割引になります。Touch ‘n GOカードは、ラピドKLの駅窓口、コンビニエンスストア、オンラインで購入できます。
運行ダイヤ
急行、快速などの区別はなく、指定席もありません。混雑する時間帯のばあい、一部スキップする場合あるようですが、各駅の間隔は他の鉄道路線よりも短いので、乗り越しても長時間のロスにはならないです。この例外を除けば、前列車は全ての駅で乗り降り可能です。
事故は軽微(ドイツのシステム)
自動運転ということで、事故が心配ですが、筆者は一度も遭遇していません。 Wikipedia によれば以下の事故歴があるそうですが、何れも重症・死亡事故ではないです。
2018年3月、高圧電線が断線し、Kelana Jaya駅の屋根に落下。屋根が吹き飛ばされました。修理のため駅が閉鎖されている間、両路線の電車が駅を通過。Kelana Jaya駅は数日後に再開。
2022年5月、Gombakに向かって走行していた電車が、Dang WangiとKampung Baru間のトンネル内で突然ブレーキをかけた。電車は最終的にKLCCに向かって進み続け、乗客には下車を求められました。怪我人無し。
2022年11月、故障した自動列車制御装置(ATC)が原因で一連のサービス停止が発生し、電車は通常の速度より遅くなり、通常より長く停車した。特にKelana Jaya駅とKLCC駅の間で遅延が顕著でした。
スリに注意
RT(メトロ等)の社内では、スリなどの犯罪が頻発しています。そのため、乗車中は貴重品の管理に十分注意する必要があります。被害者は電車内で「眠っている間」にスリに遭っています。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
- リュックサックや手提げバッグは、前に抱えるようにする
- 貴重品は、肌身離さず持っておく
- 電車内で眠るときは、荷物や貴重品は体の近くに置く
運営会社のRapid KLは、犯罪防止のために、駅構内や車内にセキュリティ・カメラを設置するなどの対策を行っていますが、乗客の注意も重要です。
参考 LRT建設履歴
1994年2月に建設を開始。トンネルは日本の間組株式会社(ハザマ)と韓国の現代建設(ヒュンダイ)によって建設されました。1998年9月、スバン・デポとパサール・セニ間で運行を開始、第2期パサール・セニ-ターミナルプトラ間は1999年6月に着工
2010年初頭から2016年にかけて、17km (10.6マイル) 延長工事が行われ、ケラナ・ジャヤ駅から南の13の駅が追加され、新しい終点はプトラハイツ駅となっています。
ケラナジャヤ線は、現在の所有者であるPrasarana Malaysiaに買収されるまでは、Projek Usahasama Transit Ringan Automatik Sdn Bhd (自動軽軌合弁事業) の頭文字をとった「PUTRA LRT」として知られていました。
参考 Prasarana Malaysia
Prasarana Malaysia Berhad (Prasarana) は、マレーシア政府が100%所有する企業で、1998年からマレーシア財務省の下で運営。Konsortium Transnasional Berhad と並ぶ、マレーシア最大の公共交通企業。複数の完全子会社を持ち、バスとライト・メトロのサービスを運営している。
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