新条件が新聞発表されました。 New Strats Times (NST)です。
MM2H条件 | 新条件(2023年12月) | 旧条件(2021-2023年) | 2020年までの条件 |
定期預金額※ | 50万RM (1500万円) ※ | 100万RM(3000万円) | 30万RM (900万円) |
本人の流動資産額 | 不明 | 150万RM(4500万円) | 50万RM(1500万円) |
国外の所得(月) | 不明 | 40000RM(月120万円) | 10000RM(月30万円) |
最低滞在日数 | 60日 ※ | 90日 | 特に規定無し |
査証上の期間 | 5年(延長可)※ | 10年(延長可) | 10年(延長可) |
※ 比較した条件は、2023年12月16日にNew Straits Times に報道された新条件のうち SILVER CATEGORYと呼ばれているオプションです。これ以外のオプション (PLATINUM と GOLD) の場合は、旧条件よりもさらに厳しい条件となっています。
数日前に担当大臣が「大幅な緩和である」と言っていたのですが、今ひとつ条件の改廃が明確になっていません。
「本人の流動資産額」と「国外の所得」に関する条件については何ら説明がありません。これらの条件が新聞報道に含まれていないのは腑に落ちません。(安易に断定すべきではないですが、すごく楽観的な解釈をすれば、資産額と国外所得の条件は廃案になったのかもしれません。)
SILVER CATEGORY について定期預金 (Fixed Deposit)が半額になっている点は評価できます。大手・準大手の企業を定年まで勤めて退職金を受領した方なら申請可能と思われます。しかし、変更後の最低滞在日数60日と言うのは、これまでの90日から1ヶ月短縮されただけです。また、MIV (multi entry visa) の期限は10年ではなく5年に短縮されました。
最低滞在日数の縛りですが、不評だった90日から60日になりました、「本人、配偶者、扶養家族」の何れかがこの条件を満たせばOKのようです。つまり、家族のうち「誰かが」条件をクリアすれば良いということのようです。
初稿のアップロード時に、家族全員が夫々60日滞在が必要と書きましたが、これは誤りで、VISA発給対象の家族のいずれかのメンバーの60日以上の滞在でOKということです。(12月19日:筆者)
流動資産の証明や、国外所得額の条件が廃案になるのであれば、定年退職後のセカンド・ホームとして馬国に移り住んでしばらく休養するといった運用モデルになりそうです。VISAの期間が5年と言うのは、(延長可能ですから)大きな問題ではないです。パスポートの期限もありますし、5年以上のスパンで見ると日本や馬国の情勢が大きく変化する可能性もあります。
この条件は即時発行なのか?現在の利用者の条件はどうなるのか?等、詳しい追加情報は発表されていません。
本日確認できた内容からご紹介できるのは以上です。さらなる国内外の報道や申請代理会社からの情報などを待ちましょう。
報道内容の全文
出典は New Straits Times “New and improved MM2H: Platinum, gold, and silver categories introduced” (2023.12.15 by Fuad Nizam, Mandy Leong )
「観光芸術文化省(Motac)大臣は16日、外国人向けの長期滞在プログラム「マレーシア・マイセカンドホーム(MM2H)」の条件緩和を発表しました。新設された3つのカテゴリーにより、プログラムの対象が30歳以上に拡大され、より幅広い層が利用しやすくなります。
これまでMM2Hプログラムは50歳以上が対象でしたが、今回の改訂により、30歳以上の外国人でも申請が可能になります。申請は、観光業法1992年に基づき観光芸術文化省が認可するライセンス取得MM2Hエージェントを通じてのみ行うことができます。
プログラムは、プラチナ、ゴールド、シルバーの3つのカテゴリーに分けられ、それぞれ異なる条件が設定されています。
プラチナ:
- 最低500万リンギット(約1億5000万円)の定期預金が必要
- 預金の50%は1年後に不動産購入(150万リンギット以上)、医療費、観光活動に利用可能
- 年間60日以上の滞在が必須(30~49歳は本人・配偶者・扶養家族の何れかの滞在)
- プラチナパス保持者は永住権(PR)申請資格あり
ゴールド:
- 最低200万リンギット(約4200万円)の定期預金が必要
- 預金の50%は1年後に不動産購入(75万リンギット以上)、医療費、観光活動に利用可能
- 年間60日以上の滞在が必須(30~49歳は本人・配偶者・扶養家族の何れかの滞在)
- 15年間有効の複数入国ビザ(MEV)を発行、更新可能
シルバー:
- 最低50万リンギット(約1050万円)の定期預金が必要
- 預金の50%は1年後に不動産購入(75万リンギット以上)、医療費、観光活動に利用可能
- 年間60日以上の滞在が必須(30~49歳は本人・配偶者・扶養家族の何れかの滞在)
- 5年間有効の複数入国ビザ(MEV)を発行、更新可能
今回の改訂により、MM2Hプログラムはより柔軟で開放的なものとなり、マレーシアでの長期滞在を考える外国人に選択肢が増えることが期待されます。」
- 記事は解説や報道陣とのQ&Aを含まず、簡素な内容になっていました。カテゴリー毎の条件は、全く同じパターンの繰り返し(数字だけが異なる)なので、訳文では読みやすいように箇条書きにしてあります。
- 具体的な申請条件や手続きに関しては、観光芸術文化省のウェブサイトまたはライセンス取得MM2Hエージェントにお問い合わせください。
- 為替レートは2023年12月17日時点のものです。
プラチナとゴールドは、明らかにMM2Hを高級ブランド化していますが、セレブ級の高額なFixed Deposit の対価は、実質「長期滞在許可」だけです。他に特別なインセンティブは無いですから、これで世界の資産家を集められるでしょうか?(2021年のMM2Hの高級化の結果は申請者の9割減でした)
2023年11月までの関連記事はこちらから参照できます。
2023年12月中旬の改正案に対する国内の反応についてはこちらを参照下さい。
2023年12月中旬の改正案に対する海外の反応についてはこちらを参照下さい。
参照いただきありがとうございます。