最近の馬国首相の言動や行動を見るにつけ、現在のマレーシアと言う国が典型的な「是々非々」政権であることがよくわかります。
経済的にはシンガポールに負けない先進国家を目指しながら、イスラム政権の立場を強く打ち出し、パレスチナにおいては強い反イスラエルを主張するといったユニークな国政。
中国による巨額の投資案件を推進しつつ、中国による台湾や東シナ海への軍事的圧力を意識する日本と戦略的パートナーとして契約するといった立場も取っている。
筆者としては、将来的に「あちらを立てれば、こちらが立たず」の矛盾に追い込まれることを危惧しますが、
考えてみれば、馬国史上稀に見る迫害と冤罪疑惑にもみくちゃにされてきたアンワル首相に取っては、あくまで平和的な趣旨を持った協調路線で若干の矛盾があることなどは悩みのうちに入らないのかもしれません。
安全保障の話も良いですが、とにかく早く MM2H の申請条件の緩和を実現してほしいものです。日本政府からもその辺りの深堀りとサポートをお願いしたいものです。
馬国内の報道：戦略的包括的パートナーシップへ
2023年12月16日 malay mail オンラインのヘッドライン
マレーシアのアンワル・イブラヒム首相と日本の岸田文雄首相は16日、日馬関係を「戦略的包括的パートナーシップ」に格上げすることで合意し、共同声明を発表した。両国にとって新たな一歩となる。
声明発表前、両首脳はマレーシアへの監視・偵察装備支援を柱とする「無償資金協力」に関する交換公文の署名と交換に立ち会った。また、マレーシア宇宙局（MYSA）と日本宇宙航空研究開発機構（JAXA）の間で宇宙開発・利用に関する協力覚書も交わされた。
署名式に先立ち、両首脳は短時間の会談を行った。アンワル首相は1980年代以降、日本が東南アジア地域、特にマレーシアに対して行った貢献に謝意を示し、「日馬関係を高く評価しており、日本が貿易・投資を通じて地域に示しているコミットメントと幅広い協力に感謝している」と述べた。さらに、日本は1980年代以降、民間セクターの投資を通じてマレーシアの成長に重要な役割を果たしてきたと強調した。
一方、岸田首相は先日のマレーシア訪問時の厚意に感謝しつつ、ASEANを現在の形に導いたマレーシアの貢献を評価し、日本とASEANとのさらなる関与を希望する旨を表明した。
署名式では、無償資金協力に関してはマレーシア側からモハマド・ハサン外相、日本側から山田重夫外相が、宇宙分野協力覚書に関してはマレーシア側からアジクミル・ナピアMYSA長官、日本側から山川宏 JAXA理事長がそれぞれ署名を行った。
今回の合意と署名式は、日馬関係が新たなステージへと踏み出すことを示すものであり、今後両国間の協力がさらに強化されることが期待される。
malay mail
日本の報道：朝日新聞（同日のオンライン記事）
岸田文雄首相は16日、日本と東南アジア諸国連合（ASEAN）の特別首脳会議のため訪日中のマレーシアのアンワル首相と会談し、両国関係を従来の「戦略的パートナーシップ」から「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げするという共同声明を発表した。また、日本による政府安全保障能力強化支援（OSA）として、マレーシア国軍に救難艇など警戒監視用の機材4億円分を提供することも表明した。
朝日新聞オンライン
４億円という金額は日本の記事だけで紹介されていますね・・・これで日本人のMM2H申請時の Fixed Deposit 条件を緩和してほしいですね。
アンワル首相：12月16日（土曜日）の予定
- 午前10時にマレーシア代表団との事前協議
- 午前11時頃、岸田文雄首相と官邸で会談
- 正午12時30分に笹川平和財団名誉会長・笹川陽平氏との昼食会に出席
- 午後2時30分、ローム、東芝、三井物産の経営陣との個別会談
- 午後4時15分には、日本の産業界リーダーとの円卓会議
- 首相は、岸田首相夫妻が主催する赤坂迎賓館での夕食会をもって一日を終えます。
夕食会には、夫人であるワン・アジザ・ワン・イスマイル夫人とともに、新任のモハマド・ハサン外務大臣、テンク・ザフル・テンク・アブドゥル・アジズ投資・貿易産業大臣も出席する
アンワル首相の奥方は、首相がかつて投獄されていた時期に、新政党を立ち上げたり、メデイアに冤罪を訴えたり、とても献身的な運動をつつけてきた方であり、尊敬に値します。メデイアはもっとこの人のことを伝えてほしいものです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
