【MM2H情報】統一SPM試験と大学進学率

MM2H

この記事は、本編【MM2H体験】と、【子育体験】の関連記事です。

このブログでは、馬国の教育制度が、英国のシステムを受け継いでいることや、大学に入る前段階の Pre-University 過程について、次の記事でご紹介しました。

若き馬国民を最高学府に進学させる道筋はしっかりとできていて、そして学生も大学に続く道を歩める学力をつけて成長します。

ところが、学力が備わっていても、結局大学に進めない学生が数多く存在することについては、政府も有識者にとっても悩ましい問題です。

受け皿があっても、肝心の学生が進学しないのでは、いかに国力を上げようと政府機関や教育機関が頑張っても意味がありません。

そして、馬国のPre-Universityから大学教育課程の一連の「学費」は随分と高いものになってきています。

普段の生活では、外国人向けのショッピング・モールは例外として、市中の飲食店の食事や交通費は日本よりかなり安いのですが、国公立の大学の学費は、学士課程でも、日本並みに高いのが現状のようです。これでは馬国民は進学するかどうか悩むと思います。

マレーシアの私立大や、外資系の大学の学費は、各大学のウェブサイトで明確な説明があります。

公立大学の「学位」に興味の無い学生

New Straits Timesの社説を要約しました。

NST Leader: Degrees? No, thanks

May 27, 2024 @ 1:11am New Straits Times

SIJIL Pelajaran Malaysia (SPM)の試験結果が発表されました。教育者や親が素晴らしい成績にこだわるのは当然だが、馬国政府にとっては、まだ重い課題が残っている。

試験を受けた129,635人のうち、何人が大学や高等教育機関に進学するのか?

過去の傾向に基づくと、SPMの合格者のうち、大学に進学するのは推定で半数程度だ。例えば2019年の統計局の数字では、SPMの合格者の71%が進学に興味がないという。

続く2年間の教育省のデータでは、わずかな改善が見られた。それでも政府の懸念材料は無くならない。2020年の進学希望者は35%、2021年は49%なのだ。

2022年と昨年に行われた調査結果は、再び下降傾向を示している。

この記事では、「SPMの合格者」と言う表現にしていますが、実際にはSPMは「合否」を決定するテストではなく、テストの結果を評価してABCなどのグレード評価をした証明書を発行するものです。SPMの結果によっては大学進学できないグレードのものもありますから、ある意味では大学進学のための評価証明という以上から、便宜的に「合格者」と言う表現にしています。

なぜ進学しない?

学生が高等教育に興味を持たない理由は、幾つか特定できる。

まず、教育費が非常に高額になっていることだ。例えば、マラヤ大学で人気のある学士課程のひとつである英文学の学位は、全7学期でRM56,900(約190万円)。看護学の学位はRM133,000(447万円)の学費がかかる。医療学位を取得しようとするなら、なんとRM673,200(2,250万円)もの費用がかかる。

多くのマレーシア人にとってこれらの学費(国公立大学)が高額であるなら、私立の教育機関で同様の学位を取得するための学費は想像に難くない。SPMの有資格者が高等教育への投資の費用対効果を問題にするのは、もっともな話だ。

特にカザナ・リサーチ・インスティテュート(KRI)が示すように、多くの卒業生は自分の学位やディプロマが十分な費用対効果をもたらさないと感じている。悪いことに、今年発表されたKRIの研究では、大学卒業生の40%が卒業後に就職できていない。(Khazanah Research Institute, KRI)

結果、一部の卒業生は低スキル・低賃金の仕事を選ばざるを得ず、他の卒業生は非正規労働者になっている。雇用主側と学者の間では絶えず論争が続いている。

写真はイメージ素材です。 image photo by envato elements (all rights reserved)

雇用主は、大学卒業生が「雇用に適していない」と言い、学者は産業界が大卒者の学位に見合った仕事を創出していないと言う。

KRIによる2022年の「新卒者の困難」という研究は、産業界が十分な高スキルの仕事を創出していないことを明らかにした。つまり、学者の見解を支持している。

このままで良いのか?

大学への関心の低下と、大卒者の「正規雇用離れ」という二つの傾向は、この国の社会に深刻な影響を及ぼす。(loss of interest in tertiary education and the opting out of formal employment)

2030年までに専門職の35%を国内で供給するというマレーシアの目標に影響する。人材資源省のデータによれば、国内の専門職需要に対するマレーシア国民の就業率は28%だ。特にSPM合格者の約50%がPre-University 以上を選ばない状況では、6年足らずで7%増の計画値を達成することは難しい。

SPM合格者を指導するだけでは解決しない。多くの場合、「実家の経済」が問題なのだ。家族を支えるため、学生はSPM試験の後、すぐに仕事を見つける必要がある。

たとえ50%のSPM合格者の一部を大学に進学するようにカウンセリングできたとしても、彼らは学費を支払う経済力を持たない。長期的な視野で深い分析と検討が必要なのだ。

最後まで参照いただき、ありがとうございます。

この記事は、本編【MM2H体験】と、【子育て体験】の関連記事です。

【子育て体験】は日本人の学童をマレーシアの大学に進学させた経験を紹介したものです。当時の学費も今は相当値上がりしているようです。

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