この記事は、本編【MM2H体験】の詳細記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。
クアラルンプール(KL)市内をたったの1リンギット(40円弱)で周遊する乗合バスの「GOKL」。「ぶらり一人旅」的なバーチャル・ツアーを投稿しています。今回は7回目の Pink Route(Pルート)。
ネットに溢れている紹介記事が必ずしも「最新」ではないため混乱があります。停留所毎の観光スポットの詳しい解説も不足しているようです。そこで、筆者の独自調査により最新の停車場をとルートを図解にしています。交通アプリの Moovit の情報を最新としてテイクしています。
路線にGreen, Blue, Purple, Red, Orange, Pink と色分けをする路線管理は既に終了していますが、この色分け管理は路線図を見る場合に便利なので、当初の色分けを踏襲しています。
これまで紹介したルートの正式な「ルート番号」と以前の色分けの関係は以下のとおりです。
GOKL-01-GREEN | Suria KLCC – Bukit Bintang |
GOKL-02-PURPLE | Hab Pasar Seni – Bukit Bintang |
GOKL-03-RED | Titiwangsa – KL Sentral |
GOKL-04-BLUE | Titiwangsa – Bukit Bintang |
GOKL-05-ORANGE | Titiwangsa – MINDEF |
GOKL-06-PINK | Ppr Pantai Ria – LRT Universiti |
バス停で使われるマレー語
バスの停留所名には、マレー語の単語がいくつか使われています。
Timur:東、Barat:西、Utama:中央、Selatan:南、Utara:北
これらの単語は、停留所の位置を表すために使われます。例えば、「Jalan Masjid India Timur」という停留所は、「インドモスク通り東」という意味になります。
今回登場する略語 ”Ppr” は、「Perumahan Rakyat」の略で、「公営住宅」という意味です。Ppr が付く停留所は、公営住宅の近くにあることを示しています。
その他
Bandar:町、Taman:公園、Hospital:病院、Sekolah:学校
これらの単語も、停留所の近くにある施設を表すために使われます。
Pink Route のツアー範囲
このルートは、これまでバーチャルツアーで回っていたKL市街地や華人街の領域から離れます。クアラルンプールを大きく見た場合、これまでのルートは皆メガモールの北東部分の市街地であり、今回のルートはメガモールの南西の公営住宅領域です。
離れているとはいえ、他のルートのエリアと、このPルートのエリアはLRT の Kelana Jaya Lineで連絡されています。
バスが周遊する地域は、Pantai Dalamとよ呼ばれる居住区域(後述)ですが、この地域の特徴は、ここから国会議員が1人選出されているという国政上の位置付けがひとつ。そして、もうひとつは、この地域が比較的低所得層を対象とした公営の都市開発の産物だという特徴です。
外国人も好んで住むような、Mont Kiara, Sri Hartamas, Damansara とは一線を引いた、マレーシア国民(マレー人、華人、インド人を含む)の居住区と言えます。
一部「低所得者層の場所」と言えそうな地域もありますが、中心街は高層ビルもモールもあり、立派です。「庶民的な住宅地」という場所だと考えるべきでしょう。
ターミナルは、ルートマップの東南にある公営住宅の Pantai Ria です。ここを出発したバスは時計周りにPantai Dalam 地区を回り、アパート中心の住宅地からマラヤ大学、市民のスポーツ施設、バングサ小学校を経て政府の情報省があるアンカサプテリを通り、Pantai Riaに隣接した町を通ってPantai Riaに戻ります。
バス停は14か所で、比較的少ないですが、周遊する距離は7kmで、KLCCとBukit Bintang を回るグリーンルートと同等です。
観光地を回るルートではないので、各バス停の名称は「住民向け」で長いですね。
今回も、マップの下地は Open Street Map を活用させていただいております。
Pルート探訪
それではマップの右下から出発します。
Pantai Ria の公営住宅エリア
- Ppr Pantai Ria (Kl2038)
- Flat Sri Pantai (Kl1426)
南北に長い区域に公営住宅がある場所で、中央は市民向けのスポーツ施設や、水処理施設や、バイオガスによる発電所が集まっています。
Bukit Angkasa 地区
- Taman Bukit Angkasa (Timur) (Kl1437)
- Taman Bukit Angkasa (Barat) (Kl2130)
Taman Bukit AngkasaはPantai Dalam にある21の住宅ブロックで、1ユニットあたり、17万~24万RM(500万~850万円)のアパート群です。低~中所得世帯の宅地開発地域がなされた区域。開発環境として24時間断水のない水道、停電の無い電力供給、CCTVカメラ、充分な駐車場、学校を提供しています。
近代的な商業地区
- Bangsar South (Kl1438)
- Nexus @ Bangsar South (Kl1439)
このバスルートの中心に来ました。ここにはショッピングモールやホテル、比較的高層のオフィス街が集中していて、きれいに整備された商業地区です。
マラヤ大学入口
- LRT Universiti (Timur) (Kl1440)
- Masjid Ar-Rahman, Universiti Malaya (Kl1102)
庶民のモスクと、マラヤ大学の敷地の玄関口にあたる場所です。東は商業地区とモール、西側に大学の敷地が広がります。マラヤ大学はマレーシアの最高学府。
LRTのKelana Jaya Line(軽車両路線)の KL Gateway Universiti 駅もここにあります。
行政・育成セクター
- Stadium Hoki Kuala Lumpur (Kl1110)
- Ibu Pejabat Polis Daerah (Ipd) Pantai (Kl1111)
- Sekolah Kebangsaan Bangsar (Kl1112)
ルートの北の端に来ました。ここは複合スポーツ施設、特に野外協議、所轄の警察署ビル、そしてバングサ小学校が隣接しています。
バングサ小学校は、マレーシアのクアラルンプール、パンタイ・バル通りに位置する国立学校です。2017年のデータですが、バングサ国立学校には男子生徒802人、女子生徒782人が在籍し、総生徒数は合計1584人となっています。教師は136人だそうです。Wikipedia
この停留所から少し歩くだけで、KTM Abdullah Hukum 駅です。この駅はMidvalley Megamall に直接連絡しています。
メガモールに出かけた際に、このPルートを回ってみるなら、Sekolah Kebangsaan Bangsar (Kl1112)のバス停で乗車すると良いでしょう。
学校のバス停は、別の記事で紹介しLRT Kelana Jaya Line (軽車両電車)の Kerinchi 駅のすぐ近くです。KL市街のKLCCあたりから、この場所にLRTで来ることができます。
マレーシア情報省前
- KTM Angkasapuri (Kl1803)
ここは、マレーシア情報省の施設と、国営放送の本拠地です。フェデラル・ハイウェイからよく見えるAngkasapuriのビル、KTM port klang line のAngkasapuri駅です。
Angkasapuriは、マレーシア情報省の建物であり、国営放送のRTM(Radio Television Malaysia)の本社でもあります。2000年当時、マレーシアが2020年までに先進国入りをも目標としていた時期には、このビルの屋上に大きく“Wawasan 2020”(日本語で言えば、「目標2020年」といったところ)の表示が掲げられ、国民も外国人もフェデラル・ハイウェイを見るたびに、2020年のマレーシアに期待しながら生活していました。
筆者としては、非常に懐かしい場所です。
現在、この大きな“Wawasan 2020”の表示は撤去され、”MALAYSIA” という表示に置き換わっています。(2021年現在のGoogle Street View)
公営住宅の近隣の街並みに戻る
- Kampung Dato Tatah (Kl2039)
- Ppr Sri Cempaka (Kl1421)
クラン川沿いの平屋建ての住宅、食堂、店舗が並ぶ村落ですね。昔から住んでいてた立ち退かない住民なんでしょうか?アパート群とは隔絶して、庶民的な食堂などが並んでいます。Sri Cempakaの方は公営アパートです。
- Ppr Pantai Ria (Kl2038)
ターミナルに戻りました。お疲れ様!
参考 Pantai Dalam(Pルート南部)
クアラルンプールの南西に位置する居住地域。“Pantai Dalam”という名前は、かつてPantaiの中心にある下水処理プラントで知られていたKampung Pam Thai Dalamから派生したもの。
この地域の住民の大部分は、空いた土地を不法占拠して暮らしていた国民が移動させられた際、政府の公営住宅プロジェクトに基づいて提供された有料アパートに移り住んだ人々。現在の住人の構成は、ブルーカラーの労働者、マレーシア大学の学生、そして警察官や行政区の人々です。
人口の49%はマレー人、19%は中国人、32%はインド人で構成されています。一部の不法占拠民は、まだ、住所不定なまま公営住宅への入居の順番を待っているようです。
参考 Wawasan2020の現状
マレーシアではワワサン2020発表以前の1988年から高度経済成長が始まっており、1997年まで毎年8%台の経済成長が続いた。1997年にはアジア通貨危機が起きたものの、2000年時点で毎年7%の経済成長と1人あたり所得の倍増を達成した。
2018年6月、マハティール首相は日本経済新聞社の第24回国際交流会議「アジアの未来」で講演を行い、2020年までの達成は不可能だとする見解を述べた。2003年に首相を退任した時点では、彼はマレーシアが2020年までに先進国入りを果たせると考えていた。だがその後、後任の首相らは政策を変更した。マハティール首相は政策が適切ではないことが分かったと語っており、2025年までなら達成できるかもしれないと述べている。
出典: Wikipedia “Wawasan2020” 日本語版より
最後まで参照いただき、ありがとうございました。
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