この記事は、本編【MM2H体験】の詳細記事です。「おすすめ」のまとめ記事はこちらです。
ミッドバレーのメガモールや、パビリオンが登場する前、クアラルンプール市内に移住した筆者家族にとってはブキ・ビンタン(馬国在経験者としては「ブキット」とは言わないのが普通)は重要な場所でした。アパート近くにはコンビニもKLCCもまだ無く、近くのアンパン・パークは品薄で必需品が全て見つかる市場ではなかったのです。
この記事では、筆者が「おすすめ」できるブキ・ビンタンのショップや飲食を紹介します。
ブキ・ビンタンの場所は、ここで紹介するまでも無いでしょうが、この「おすすめ80選」シリーズのKLモノレールの記事やジャラン・アロールの記事で位置が確認できます。
筆者家族がこの場所で購入・消費したもの(充分安くて、使えるもの)は、夏服中心のあらゆる衣類、靴、電化製品、パソコンの周辺機器、ガジェット、足マッサージ、散髪、服の修繕、フードコートの軽食、フルーツの切り売り、たまには暇つぶしのゲームセンター、家で食べる生活食品、医薬品、化粧品、スポーツ用品、書籍、楽譜、洋楽・邦画のDVD、時々「両替」でした。
ひとことで言えば、「品数やサービスの種類が多い」ということになりますが、日本と比較すると、「嫌になるほど混雑していない」ということと、「客層が若い」ということで、若者と大人と高齢者の混ざり方のバランスが取れていて、快適だったと言えます。
移住当初は、自家用車でブキ・ビンタンのLot 10 や Wungai Wang の駐車場まで出かけて、買い物を車に乗せて帰ってくるのが休日の定番メニューでしたが、2010年以降にKLCCからパビリオンあたりまでの冷房完備のWalk Way ができてからは、家から5分のKLCCに出て、そこからブキ・ビンタンに歩いて行くようになりました。
ブキ・ビンタンの来歴
ジャラン・ブキ・ビンタン(Jalan Bukit Bingang)の名前は、かつて存在したマレー村であるカンプン・ドラー(Kampung Dollah)の近くにあった、約50メートルの高さの丘に由来します。Kampung Dollahは現在は存在しない村で、ジャラン・チャンカット・タンビ・ドラー(Jalan Changkat Thambi Dollah)とジャラン・バラット(Jalan Barat)に置き換えられています。Jalan Bukit Bingangは、ジャラン・ラジャ・チュラン(Jalan Raja Chulan)との交差点から始まり、ジャラン・プドゥ(Jalan Pudu)で終わる、長さ3.4キロメートルの道路です。
1945年当時、Jalan Bukit Bingangは、エンターテインメント、ショップ、屋台食品がある唯一の通りでした。当時、この通りには有名なキャバレー、文化ショー、マレーのジョゲット(Malay joget)、中国のオペラショー、ワヤン(wayang, 影絵劇)、ルンバ、フォックストロット、タンゴなどのボールルームダンス、メリーゴーラウンドや観覧車のような遊園地の要素がありました。
1948年には、ロウ・ヨウ・チュアン(Low Yow Chuan)がキャピトル・ホテルを建設し、後に売却されてマレーシア・ホテルと呼ばれています。1947年には、香港のメディア王がブキット・ビンタン遊園地を建設しました。このエンターテインメントセンターは、現在のスンガイ・ワン・プラザ(Sungai Wang Plaza)の場所です。
1980年代と1990年代には、Bukit Bingangで売春と人身売買の問題が発生しました。そのため、政府はこのエリアを売春摘発エリアに指定し、現在では売春活動は減少しています。1980年代末には、ヨー・ティオン・レー(Yeoh Tiong Lay)がクアラルンプールで小売業商店街の復興事業を提案。YTLコーポレーションを通じて小売店開発を開始し、このエリアを「Bintang Walk」としてブランド化しました。
筆者家族が利用し始めたのは1996年ですが、その頃にはキャバレーや売春婦のような雰囲気は全く無く、観光客の有名なショッピング・スポットという印象でした。
おすすめショッピングと昼食
高価なブランド品を見て回るのでなく、安い衣類、日用品、雑貨、薬、文具、書籍、映画のDVDなどを眺めて回るならSungei Wang Plazaをぶらぶらするのが良いでしょう。KL郊外に住んでいるのでなければ、MM2Hの最初の数ヶ月はSungei Wang で時間を潰すのは悪くありません。
レストランやフードコートもありますし、点心のような中華のちょっとした食事も取れます。リフレクソロジー(足マッサージ)4、5ヶ所あります、それほど混んでいませんが、最初はとっつきにくいかもしれません。でもおすすめです。
この場所でスラックスやスカートを買って、丈を短くするなら、服を売っている店でなく、Sungei Wangの中にある小さな裁縫店に頼むと、非常に安いサービス料で直してくれます。
パソコンの部品や周辺機器を探す場合は、Sungai Wang の裏手のJalan Bulan 2沿いにある、秋葉原を真似たような電子部品ばっかりのShop が集まった雑居ビルを訪ねると良いです。
Sungei Wangの古臭い雰囲気が苦手な方は、隣のLot 10をおすすめします。こちらはかなり洗練されたショップがたくさん揃っていますが、若干高めになる感じは否めません。
Lot 10 は、日本人客にとっては、外国の雰囲気でなく、むしろ日本にいるような感覚にもなりますから、旅行好きな人はあまり嬉しくない場所です。しかし、B1にあるスーパーとフードコートは日本とは違う雰囲気なので、おすすめできます。特にLot 10のフードコートは設備は綺麗で馬国の他のフードコートよりもすっきりしています。
スーパーには酒屋もあるのでワインやウイスキーも品数があります。
筆者が初めてKLに来た時点から変わらずに今でも経営している The Ship (The Best Stake in Town) は洋食(特にステーキ)では、年に1度ぐらいは足を運んで良い店です。(Sungei Wang の対面、Jalan Bukit Bintan を隔てた場所)値段はそれなりに高いですが、ホテルの洋食よりは安くて美味いです。
参考 Sungei Wang Plaza
この参考文章は、Sungei Wang Plaza のホームページにある紹介文の要約です。
「黄金河広場」Sungei Wang Plaza は、1977年に開業。クアラルンプール、マレーシアで最も古くから続くショッピングモールの1つ。ブキット・ビンタンのKLモノレール駅とMRT駅のすぐ外に位置し、周辺のいくつかのモールは徒歩圏内です。
120万平方フィート(11.1万平米)のショッピングモールに7つのショッピング・フロアと3区画の地下駐車場を備えています。このモールは月平均で200万人の利用客が来訪します。
低価格から中価格の店舗のショップロット群は、手ごろな洋服やアクセサリーから、電子アイテム、家の装飾品、さまざまな雑貨まで何でも販売されています。ティーンエイジャーやショッピングをする人々にとって理想的な場所です。
ファッション、アクセサリー、携帯電話、ガジェット、美容などの選択肢を提供し、どんな種類のショッパーにも手頃な価格で提供している、クアラルンプールの中心に位置する活気あるショッピングハブと位置づけられいます。
90年代から今日にかけて、イベントやプロモーションが行われるモールであるとしても知られています。
参考 Sungei Wang Plazaの経営不振
Wikipedia 中文版では、Sungei Wang の人気が落ちている現実を隠さず記述しています。これも時代の移り変わりかもしれません。
(メガ・モールなどの)大規模ショッピングセンターが連続でオープンし、クアラルンプールの人々も大量に郊外に転居しています。多くの人々は国際ブランドの服を購入するために近くの大規模ショッピングセンターに傾向しています。
ブキビンタンの商業地区では、パビリオン、フェアファクス88など、より広大なショッピングセンターが次々とオープンし、改装が行われています。
さらに、二重軌道工事が進行中で、工事のためにSungey Wang周辺の交通が混雑し、荒廃が進んでいます。これが若い世代がSungey Wangから遠ざかる原因となっています。
2009年以来、Sungey Wangの売上高は60%以上減少し、多くのテナントが売上の減少によりSungey Wangから撤退しました。2013年11月には、施設内の大規模なリニューアルプロジェクトが3,000万リンギットをかけて行われ、天井、建造物、外観、トイレ、エレベーターホールの再塗装、手すり付きエレベーターの交換、施設内の照明の強化などが行われましたが、それでも人出を立て直すことはできませんでした。
2014年10月には、ショッピングセンターのテナントと管理者が対話を開始し、現状を改善しようとしており、この対話は多くのメディアの注目を集めています。
Wikipedia 「金河広場」 中文版より抜粋
もちろん、メガモールやパビリオンの人気はSungei Wang を超えています。しかし、筆者から見れば、新たな大規模ショップモールは「マレーシア」というより、グローバルな雰囲気であり、本当にここが馬国なのか、若干疑問も残ります。その点、Sungei Wang Plaza あたりは文字通り「マレーシア」だと言えそうです。諸説ありましょうが。
最後まで参照いただき、ありがとうございます。
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