【修行体験】ワン・ストップ戦略の強みを生かす

修行体験

この投稿は、本編「修行体験」の詳細記事のひとつです。

筆者の修行の場になった「問屋」兼「商社」で扱っていたのは「電材」ですが、この業界の商品は種々雑多なので、何を取り扱っているのか分かりにくいところがあります。

私たちが日常で利用する場所にも「電材」は多用されています。

JRや私鉄の「駅のホーム」を例に説明しますと

改札を通って駅のホームに入れば、さまざまな設備を見る事ができます。

■ 天井や線路沿いある照明器具
■ 天井を縦横に伸びている電線類
■ 電線と電線を繋いでいる丸や四角の箱
■ 電線が天井から落ちてこないように支えているサポート材
■ 天井から降りてきている電線に繋がったスイッチ
■ 制御室にある電車の運行モニターや制御盤(これは中に入らないとみれませんね)

産業設備でケーブルとケーブルを接続する場合は端子箱(Junction Box)を使う。

これらのものは全て「電材」です。(最後の「制御盤」についてはその用途によっては電材よりもよりグレードの高い制御システムや計器類として取引されます)

こういった電材は、町中の工場や貨物の集配所、市町村の役所や設備、産業設備、発電所、ホール、スポーツ施設などあらゆる場所で使われています。

ビンセントの会社が特化していたのは、こういった電材のうち、特に高温・高圧、かつ高電圧を扱う発電所、製油所、変電所、工場などの産業設備を対象とする商品で、比較的高価なものです。

産業プラントに設置する照明は全て特殊仕様。メーカーは世界中に点在する。

メーカーは世界中にありますが、アジア諸国でのビジネスにおいては、産業設備を建設する企業が、目的別に選抜しているメーカーの商品でないと取引できません。(北米では、規格さえ合っていればメーカーは問わない場合が多い)

この記事で紹介している写真は、全て envato element さんの優良素材のライブラリーから選んでいます。電材というニッチな分野まで素材を揃えている envato さんには敬服します。

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電材に関わるメーカーの数は多い

私たちが普段スーパーやホームセンターで電球や延長コードなどを買う場合、規格が在っていればメーカーはあまり気にしませんが、

産業設備の場合は漏電、感電、爆発、火災のリスクがあるので、それなりに安全な電材でないと設置できませんから、規格とメーカーの両方が指定される場合が多いのです。

但し、メーカーは1社が独占すると高値になるので、通常は3~4社を指定して価格と品質の良いものを「選ぶ」競争環境になっています。

さて、この記事の冒頭で代表的な6種類の「電材」を列挙しました。

これら6種類については個別に3~4社のメーカーが競争市場で電材を販売していますから、合計18~24社もの電材メーカーが取引に関わることになるわけです。

あらゆる電材メーカーを調べる。そして、産業設備に使える電材を供給すべく営業する。

この数のメーカーを全部相手にして産業設備や発電所の電材を調達するのは大変です。人件費も準備期間も馬鹿になりません。

電材以外にも途方もない数と種類の機器や資材を調達しなければならないのです。日本のエンジ会社や建設会社は、「電材」について、できるだけ手間を省きたい。

この写真の例では、制御盤とスイッチ(各盤面の中央部)が一体になっている。

ですから、建設をまとめている企業はビンセントの会社のように、多くの有名メーカーから電材を買い付けて、まとめて納入してくれる協力会社を活用しているのです。

駅の例でいえば、最終的には恐らく5社から6社程度のメーカーに発注することになります。

「ワン・ストップ・ステーション」というのは、言ってみればこれらのメーカーからの電材供給の
「まとめ役」を請け負う仕事です。

産業設備向けの証明は、このように頑丈な作りのものが多い。

商品を取り巻く「横並び」条件

メーカーが作る商品だけを見れば、全てはメーカーの「ものずくり」が対価ですが、エンジ会社や建設会社からは、製品以外にも多くのサービスの提供を要求されます。提出書類だけでも

■ 会社概要、カタログ、納品実績、品質保証
■ 設計図・取扱説明書・保証書・保守管理要領書・予備品リスト
■ 貿易書類、原産地証明、防虫・防疫処置、通関書類
■ 検査書類、検査証明
■ 据え付け要領書
■ 建設現場近くのサービス拠点情報

電源ケーブルはこのようにドラムに巻き付けた荷姿で供給します。馬国内でも作っていました。

これらの書類は電材の種類やメーカーを問わず、しっかり整えることを要求されます。
出荷元を問わない「横並び」要求です。

これを日本企業の期待どおりに、きっちり耳を揃えて提出するのが発注条件になるわけです。

貿易業務も複雑

殆どの電材は海外から送られてきます。これらを輸入して建設現場に届ける手間も有ります。

産業設備の用途によっては、商品は免税品として輸入されますから、そのための免税申請も必要です。

納期調整も重要なサービスです。全ての電材が決まった期日までにメーカーの工場から出荷されて、輸出港を出なければなりません。

そのための進捗のモニタリングもきっちり要求されます。

宅急便のように右から左に全部輸送業者に任せるわけにはいきません。

ケーブルを支えるサポート材だけは、輸入する必要がありませんでした。

輸送中に紛失すれば、再出荷になります。港での扱いが粗かったりすると、商品が破損します。

製品が紛失したり、破損した場合はビンセントの会社の負担になります。(メーカー責任は出荷港で船に積み込むまで)

ビンセントの部下はこういったサービス内容を全て把握していて、日本の客先が担当している建設現場に商品と書類が届くまで徹底してフォローアップしていました。

この部分ではビンセント配下の華人の女性スタッフがてきぱきと働いていて、安定感抜群でした。

彼らがこういった「ワン・ストップ」を手配できるので、多くの電材メーカーがビンセントとの取引を希望していたのです。

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