【修行体験】官庁要人の家族が会社の一員

修行体験

この投稿は本編「修行時代」の詳細記事です

ビンセントは華人家族であり、彼の事業の社員も華人が中心です。

でも会社の社員構成を100%華人で埋め尽くすことはしません。

馬国人の6割はマレー人(ブミプトラ)であり、他にインド系の馬国民もいます。

色々な意味でマレー人の存在は無視できません。

ですから、彼の会社にもマレー人のスタッフが居ました。

そして、社内の人種構成の管理の中にもビンセントのプロの商売人としての采配が見て取れました。

今回の体験談も、今から20年以上前の話です。登場人物は全て仮名ですし、今現在同じ立場にはありません。

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女性社員群に混じるマレー人スタッフ

この電材商社は、全体で20名程度の中小企業ですが、この中で客先と対話する担当営業窓口には多くの女性スタッフが働いていました。

日本企業向けの窓口はほとんどが華人の女性スタッフを起用していて、非常に評判が良かった。

その中に、ひとり、馬国内の公共事業への資材供給を担当する中堅の女性スタッフもいました。

この人材は華人ではなく、ポツンとひとりマレー人でした。

会社の売り上げの90%以上は日本の客先からの発注なので、地元の公共事業向けの仕事はそれほど優先度は高くないのですが、

ビンセントは、馬国で製造されていない特殊な電子機器を扱っていたので、断続的に馬国の政府、州、市町への商品納入を手掛けていたのです。

相手はほぼマレー人だけの役所や業者です。

当然ながらマレー人の営業窓口が望ましいわけです。

特殊な立場

さて、このマレー人の中堅スタッフ。

仮に名前を、レナとしましょう。

レナはビンセントの会社の社員であるとともにもう一つの顔がありました。

彼女は、馬国のある官庁の高級官僚の奥さまなのです。

詳しくは書けませんが、この官庁の役割は、外国人の馬国での滞在許可であるビザ(査証)です。

つまり、彼女は日本人を含む諸外国の馬国滞在を「許可」する官庁の高級官僚の家族だったのです。

ビンセントはレナの身分を公表していませんでした。レナもまた、このことは隠していたようです。

筆者もこのことは入社後数ヶ月してからようやく知らされ、非常に驚いた覚えがあります。

馬国は Who You Know の国

VISAを発給する官庁の要人の家族が会社にいる

このことがビンセントの会社に何らかのメリットをもたらしたかどうかは微妙です。

仮に外国人の採用や客先のVISAのトラブルを助ける上でレナというスタッフの存在が何らかの機能を果たしていたかといえば、そのような話は聞こえてきませんでした。

しかし、20年馬国に住んだ筆者の感覚からすれば、この女性は馬国の高級官僚とのパイプ役として動いていたのではないかと推測します。

ちなみに、筆者はビンセントの会社で働いた2年間の間、就労ビザはビンセントの会社名義で取得していました。

今思い起こせば、その就労ビザは、筆者が自らの会社名で申請していた頃と比べればはるかに早いタイミングで発給されていたように思えます。

馬国で働く日本人としてはVISAの所持は絶対条件。写真はイメージ画像(素材提供:envato elements )

ビンセントは筆者以外にも韓国人のキムさんという有識者を雇っていましたが、彼もビンセントの手配で就労ビザを持っていたんだろうと思います。

何も証拠がないので何とも言えませんが、ビンセントは馬国の政府との意思疎通において何らかの処世術を持っていたようです。

筆者のような使用人には見えないところで、日本や海外の客先も彼に助けられていたのかもしれません。

天才商人の人材戦略

今回は少し微妙な話になってしまいました。

しかし、馬国には日本と違う独特の社会的な仕組みがあります。

そのことを全く知らないで馬国に住み続けることはもちろん可能ですが、

馬国の会社に日本人として単独で雇用されたり、馬国の地元に所有権のある組織に身を投じる場合は、

天井の低い馬国の民族構成に普段から気を配って、過剰な干渉をせず、敬意を持った振る舞いをすべきでしょう。

ビンセントは日本人である筆者を日本人としてうまく使ったし、他の社員についても同様に、個々人の特性を活かした活用ができていました。

筆者の会社で雇っていたマレー人の会計係も、ビンセントの会社に移籍して「受付嬢」として頑張っていたのを思い出します。

多民族国家の経営者のスキルなんだろうと思います。

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