【がちで起業】天井の低い国

自営業主

この投稿は、本編「がちで起業してみた」のぶらさがり記事です。

日本の人口が4分の1になったらどんな国になるでしょうか?想像してみてください。

ある意味それが、馬国(マレーシア)なのです。

日本人は目立ちます。起業より個人の方が目立つと言っても良いぐらいです。

その話をします。

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上級官吏がご近所に・・・

10年以上住んでみて感じる馬国の印象は「天井が低い」ということ。

この話は家屋の天井ではなくて、国民の集まりとしての人間社会の天井の話です。

例えば、近所の民家の庭先で落ち葉を掃いているような何処にでもいる馬国の「奥様」がいるとします。ご近所ということで日常から気軽に世間話したりするわけです。

写真はイメージです。 出典:envato elements

ところが、その「奥様」が移民局の上級官吏の家族だったりします。馬国では、そういう話はよく聞きます。ですから、誰かれとなくそのへんの「おばさん」とおもって軽く考えて付き合っていると大恥をかくことになります。特にクアラルンプールのような都市では気をつける必要があります。

馬国は日本より若干狭い国土に日本の人口の4分の1(3300万人)しか住んでいません。ピラミッドの頂点と底辺の距離が近いのです。

地元の市長や州知事に会うのもそれほど難しくありません。理由さえあれば会って話ができます。人口3000万の国というのはそういうものなんです。だから「人間社会の天井が低い」と感じるわけです。

2003年頃、筆者が仕事仲間と飲みに行っていた広いラウンジ風のカラオケバーに毎日のように来ていた地味で背の低い馬国人がいました。連れも無く、いつもひとりで、マイクを持って歌って居ましたが、何故か全く声を出さずに口パクだけで、体をくねくね動かすようなユニークな歌唱スタイルでした。

誰も邪魔をしないし話しかけません。同僚に聞くところによるとその男は当時の馬国首相の側近のひとりだということでした。筆者たちはそこで彼と目が合うと、いつもにこやかに会釈していたものです。絶対にトラブルにならないようにしていました。

おかしな日本人はすぐに浮き彫りになる

そういう国なんで、日本人が近所に住んでいれば、「目立ち」ます。

馬国人は、色々な意味で日本人に興味を持ってます。近所に日本人が住んでいれば、よく観察をしています。その日本人が何かおかしな事をすれば、たちまち噂になるし、関係省庁にも情報が流れます。間違って「敵視」されるような状況になれば、税務、VISA、仕事等、あらゆる方面で不利な状況に陥ります。

日本人がマレーシアという「海外」に出て、「旅の恥はかき捨て」で、あたかも透明人間になったかのような気持ちでいたなら、それは大間違いです。

反社会的な行動を取れば、すぐに情報が流れて、知らないうちに日本政府にも連絡が行きます。税務当局(所得税)と移民局(VISA)の関係官庁も日本人の情報はしっかり共有しています。

人の集まりとして見れば、首都のKL(クアラルンプール)も、非常にコンパクトで狭い社会でした。

協力会社の社員はB級スパイ

日本企業の準幹部として馬国に駐在していた頃の話です。

僕のチームの馬国人の中に、MZ君(仮名)という若者がいました。馬国政府やお客さんとの意思疎通が非常に上手いので渉外役として、プロジェクトが終了するまでじっくり働いてもらいました。

数年後・・・退職して起業した筆者は驚くべき事実を知りました。

ある日、筆者自営業を始めたと聞いて、MZ君がひょっこり挨拶に来ました。「やあやあ元気だったか」ということで、共同事業の思い出話に花が咲いたのですが、その場で僕は彼から「誰にも言えない話」を告げられたのです。(今から20年以上前の話)

曰く、かつての彼は現地の協力会社社員として事業組織に派遣されたのではない。本当の派遣元はプロジェクトのオーナーである半国営の資源会社だというのです。そして彼のミッションは、日本人の幹部職が何か非合法な動きや馬国の利害に触れるような動きを認めたら即刻報告するというミッションだったのです。別途日本企業の企業秘密を見聞きして報告するような意図もあったかもしれません。

幸いMZ君は何も摘発できず、筆者の所属企業に不利な報告は無かったそうです。それでも彼はきちんと報酬を受け取ったのです。怖い話ですが、こういうことは馬国では日常だというわけです。

MZ君からは、彼のような馬国B級スパイの活動についてあれこれと情報をもらいました。「天井が低い」というのはそういうことです。MZ君のような「見えない」馬国関係者の監視の網が身の回りに伸びている場合があるということです。

「誰かを知っている」ことが仕事になる?

馬国で中小企業を営む仲間うちで、頻繁に話題になるビジネス・ノウハウがあります。

曰く、マレーシアでのビジネスは先進国のように「何ができるか?(スキル・コンテンツ)」が重要ではなく「誰を知っているか?(コネ)」が肝心だといいます。

英語でいえば Who You Know (フー・ユー・ノウ)です。

どういうことかというと。

どんなに特殊な技能や知見があっても、この国では、人脈なり、事業戦略のパートナーがいなければビジネスは成り立たないというのです。逆にあまり中身のない会社でも、影響力のある人ををひとりふたり知っていれば、それだけで金儲けができる場合があるわけです。

日本とはだいぶ違う文化です。馬国で小規模なビジネスを始めて生き残るためのノウハウのであると言えます。そしてノウハウであると同時にリスクでもあります。

ある程度内容のあるビジネスを持っていると、様々な場面でマレイシア人が、「知人に有力者がいるので紹介させてくれ」と言いよってきます。彼らは日本人の技術やビジネスの質が高いことを知っていて、日本人なら間違いがないと考えています。衣食住に近いところでは、牛丼の「すき家」のような日本のファストフード系の経営者を紹介してくれという馬国人から声をかけられる日本人は多いのです。

したがって、これ(日本のビジネス)をあの人(地域の有力者)に繋いでやれば、必ず利益の一部をゲットできるという発想になります。

日本では、たとえ首相の知り合いでも、あからさまにビジネスの話を繋いだりはしませんし、それで金儲けにはなりません。しかし馬国のような人間社会の天井が低いくにでは、上級役人の知り合いになるだけで事業価値を創造できるという発想があるのです。

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