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この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。
筆者も数年前に人生最後の住宅ローンを組むことになって、自分の年金額や生命保険と引き換えに20年前後の銀行ローンを(日本で)申請したのですが、
金利や、サービスの面で、一番有利だったのが、日本にもあるデジタル銀行でした。
大きな金額を借り入れて、返していく銀行ですから、当然重要な取引窓口があるものと思いきや、書面を出したのは、最初のローン申請だけで、その後は全てラインやメール、そして電話でのやり取りで済んでしまいます。
それもそのはず、このデジタル銀行(行名は伏せます)には「支店」がありません。そして、「本店」も電子的に設定されているだけで、物理的には無いんだろうと思います。一度も行く必要がなかったので・・・
と言うわけで、利用してみた感想としては、全ての手続きが、スマホやPCでのネット上でのやり取りで、若干の不安もありましたが、システムの作り方がある程度わかりやすいので、今の所、何の問題もありません。
毎年の借入残高証明もきちんと封書で届いています。
ただ、このデジタル銀行で宣伝している「ドル預金」とか、その他の金融商品については、予備知識が少ないのと、経験が無いことから、いっさい触っていません。
今のところ、この日本のデジタル銀行に関する不祥事やトラブルは、全く報じられていませんし、テレビやネットでの宣伝も出てきませんので、とても「おとなしい」取引銀行だという印象です。電話口に出てくる担当者や受付のみなさんは非常に丁寧で好印象です。
いちいち出かけて行ったり、窓口で並んだりすることが無いのは、とても助かってます。
さて、マレーシアはどうでしょうか?デジタル銀行の最前線が報道されましたので紹介します。
デジタルバンクとは?徹底解説
Digital banks: What they are, who they help, and how they differ
By Soo Wern Jun Friday, 07 Jun 2024 7:00 AM MYT malay mail
インターネット社会の急速な進展は、新しいお金管理のパラダイムをもたらしました。100%オンラインで営業するデジタルバンクです。(Digital Bank)
パンデミック以降、より多くのマレーシア人がキャッシュレスな生活を選択しました。それでも、銀行取引だけは、最近まで地元の支店を訪ねなければなりませんでした。
デジタルバンクはこれを変えようとしています。インターネットへの接続さえあれば、どこでもシームレスに金融サービスにアクセスできるようになります。
オンライン限定取引
デジタルバンクは完全にバーチャルです。従来の銀行と異なり、物理的な支店や長い申請手続きを必要とせず、すべてのプロセスがスマートフォンなどの顧客の端末上で行われます。
デジタルバンクは、ネット系技術に精通した消費者に人気を集めています。彼らは、物理的に支店を訪れたり、列に並んだりすることなく、すべての銀行業務を行える利便性をすでに理解しているのです。
口座開設からローン申請に至るまで、すべてはオンラインで行われ、デジタルバンクは即時対応と迅速な承認を売り物にしています。従来の銀行との差別化です。
どこでも銀行業務
従来より、銀行利用者は地元の支店を拠点とする取引システムに慣れていますが、デジタルバンクはその概念を完全に取り除こうとしています。
このことの大きな利点は、家庭、外出先を問わず、どこからでも銀行業務ができること。これにより、銀行サービスへのアクセスを妨げる地理的な障壁はなくなります。物理的な銀行にアクセスするために数時間かかる遠隔地に住む人々にとって特に有益です。
利用者が最寄りの支店に到達するための時間とお金も節約できます。
2022年、マレーシア中央銀行(BNM)は、デジタルバンクの解説は、銀行サービスを十分に利用できていない人々が、日々デジタル化する経済に参加するのを助けることになると発表しています。(Bank Negara Malaysia (BNM))
5件の認可が出ている
2022年4月、BNMは、財務省が承認した5つのデジタルバンク(ライセンス申請者)を発表しました。
- Boost Holdings Sdn Bhd+ RHB Bank Berhad
- GXS Bank Pte Ltd + Kuok Brothers Sdn Bhd
- Sea Limited + YTL Digital Capital Sdn Bhd
- AEON Financial Service Co, AEON Credit Service (M) Bhd + MoneyLion Inc
- KAF Investment Bank Sdn Bhd
5つのコンソーシアムのうち3つは、Boost HoldingsおよびRHB Bank、Sea LimitedおよびYTL Digital Capital、KAF Investment Bankなど、マレーシア人が過半数を所有しています。
最初に正式に立ち上げられたのは、GX Bank Bhd(GXBank)で、開設は昨年11月でした。2番目はAEON Bankで、去る5月26日にマレーシア初のイスラム・デジタルバンクとして立ち上げられました。昨日、Boost Bankが一般に公開され、3番目のデジタルバンクとなりました。
これら5つのデジタルバンクの承認により、マレーシアはすでにデジタルバンクが運営されているシンガポール、インドネシア、中国、日本などの他のアジア諸国に加わることになりました。
アジア圏外では、スコットランド銀行が1985年にユーザーに電子家庭銀行サービスを提供したのが最初で、カリフォルニアにあるスタンフォード連邦信用組合は1994年に最初のインターネットバンキングウェブサイトを立ち上げました。
原文:the Bank of Scotland was the first to provide electronic home banking services to its users dating back to 1985, while the Stanford Federal Credit Union located in California launched the first internet banking website in 1994.
熾烈な競争環境
これらのデジタルバンクの迅速な立ち上げは、それぞれが後続集団から抜きん出ようとする姿勢を象徴するものです。
GX Bankは、すべての貯蓄に対して3%の金利を提供、すべての支出に対して無制限の1%キャッシュバックを提供、デビット/ATMカードの発行および使用に関連するすべての手数料を無料化することで、業界基準を初めて設定しました。
Grab のモバイルアプリのユーザーには、Jaya Grocery の小売店での購入に対して1.5倍のGrabRewards ポイントを提供します。
イスラム・デジタルバンクであるAEON Bankは、シャリア準拠のリワードシステムを宣伝しており、AEONスーパーでの買い物でAEONポイントを獲得でき、これが現金に交換されて AEON Bank Savings Account-i に自動的に入金されます。
シャリア準拠というのはイスラム教徒が遵守している、イスラム圏内の独自の法律に基づく運用ルールを意味しますので、ムスリム以外の利用者に意味があるものではないです。
昨日開設したばかりの Boost Bank はまだプロモーションを発表していません。Axiataグループの最高経営責任者兼マネージングディレクターであるVivek Sood氏は、Boost eWallet アプリケーションの既存の Premium Wallet ユーザーが Boost Bank アカウントを開設およびリンクする際にシームレスなプロセスを提供すると述べました。(Axiata group chief executive officer and managing director Vivek Sood)
定期預金のような高金利
市場シェアをめぐる争いの前哨戦として、全てのデジタルバンクは、在来銀行の定期預金金利と同等(またはそれ以上)の高金利を提供しています。
GXBankは、あらゆる預金額に年利3%を提供し、日割りで還元しています。
原文:GXBank is offering 3% interest on any amount saved in one of its accounts, with daily payments.
Boost Bankユーザーは、年利で最大3.6%の金利を日割りで利息を受けられますが、これは「Platinum President」ランクのユーザーに限り、期間限定で提供されます。
現在のところ最高の条件は AEON Bank で、期間限定で年利 3.88% の利率を提供しています。
3つの銀行すべてが、特定目的の貯金を設定できる「貯蓄ジャー」を提供しており、自動入金と目標日を設定して目標に見合う貯蓄計画が順調に進むよう利用者を支援しています。
原文:All three offer compartmentalised “savings jars” that allow customers to set aside savings for specific objectives, along with automatic deposits and target dates to ensure their savings plans are on track.
潜在的なトラブル
デジタルバンクの大きな課題。それは、銀行取引をすべて「オンライン」で行う上での、「安全性とセキュリティ」について、国民の信頼を得ることです。そして、今、マレーシアは、まさに前例のない金融詐欺の横行に取り組んでいる最中です。
警察によると、マレーシア国民は、2023年のオンライン詐欺で合計13億RM(390億円相当)を失っており、これは2021年の被害額の2倍です。
問題が発生した場合のカスタマーサービスについて、在来銀行の顧客が受けられる支援に比べると、100%バーチャルな取引環境では、行き届かなくなる可能性もあります。
さて、オンライン詐欺については、このブログでも何度も事例紹介をしてきていますので、こちらを参照ください。
最後まで参照いただきありがとうございます。
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