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3度目の火炎瓶騒ぎが、先週末に、今度はサラワク州のクチンで発生しました。
今回も、大きな被害には至らず、飲み物が押されまれた木箱が燃えた程度で鎮火したようですが、他の事件と同じ KK mart のコンビニへの攻撃だったために、FMTと The Star がオンライン報道をアップしており、FMTは動画サイトにも事件の内容をアップしています。
今回の報道では、投げられた火炎瓶は、やはりモロトフ・カクテルの一種で、燃料はケロシンだったようです。
度重なる火炎瓶騒ぎを受けて、UMNO以外の政治政党や上院議員が、あれこれとコメントを出しており、これらも国民の関心事として報道されていますので紹介します。
「覆面扇動員」の存在を疑う
PASの活動グループが「覆面扇動員」の捜査を当局に要請
After second attack on KK Mart, PAS wing denounces boycott and urges authorities to probe possible agent provocateur
Sunday, 31 Mar 2024 7:00 AM MYT
こちらは malay mail の報道です。
馬国の野党のひとつPASは、2度に渡るKK mart への襲撃の裏に、いわゆるagent provocateurs の動きがあった可能性を調べるよう関係省庁に呼びかけている。
agent provocateurs の解説はこの記事の末尾に記載しました
マレーシア・イスラム党の小党派でKedah州の Pokok Sena選挙区の議員、Datuk Ahmad Yahaya氏のこの発言は KK mart のボイコット騒動からは一定の距離を置いている。
同氏の意図は(靴下騒動による)異論反論が国内の分裂を生まないようマネージする必要性である。その意味で、「如何なる政党が如何なる宗教を挑発的に扱うことも看過しない」としている。「同じムスレム系政党の間であってもこの点は譲れない。政府もそうあってほしい。」
Ahmad議員は、ムスリムの間で怒りや違和感が生まれているのは、ある意味、この件で論争への政府の反応が緩慢だったことが原因だとしている。
「我々は、やみくもに KK mart を糾弾する意図はない。KK mart が故意に宗教を侮辱する意味で靴下のプリントをやったなら話は違うが、彼ら自身は(本件が見落としであったことを)謝罪している。」
「ですから、我々は、何か『見えざる手』のような黒幕が、こういう問題を起こしているように見えると解釈してきたんです。」「だからPASは KK mart のボイコットは賛同していないんです。」
「PASのメンバーは誰ひとり-ボイコットを呼びかけていないはずです。ボイコットではなく、我々は、この問題を起こした犯人を厳しく罰するべきだと主張しているのです。」
若干「あとだしジャンケン」的な発言ですが、同じイスラム系の政党でも、このように、問題の原因を深堀りして、まだ見えていない悪意の愉快犯の炙り出しに注目するグループがあるわけですね。
参考 PAS
マレーシア・イスラム党(英語:The Islamic Party of Malaysia, マレー語:Parti Islam Se Malaysia、略称:PAS)は、マレーシアのイスラム政党。イスラムに基づく「マレーシア・イスラーム国家」の設立を党是としている。クランタン州やトレンガヌ州といったマレー半島東海岸の保守的な地域から大きな支持を得ている。マレーシア憲政史の上では、初めて登場した野党勢力でもある。
華人上員議員が Akmal 氏の辞任を要求
Akmal should leave his post like he said he would, says Ti
Free Malaysia Today (FMT)
31 Mar 2024, 12:16 PM
かつてMCA(馬国の華人政党第一党である Malaysian Chinese Association ) の副党首であった Ti Lian Ker 上院議員は、
以前UMNO の青年団のAkmal氏が、
UMNOが(靴下ボイコットの件で)攻撃されてAkmal自身が議員を辞めることになっても、イスラムの尊厳を守る覚悟だとマレー語の Utusan Malaysia 新聞に語っていた事実を引き合いに、
Akmal氏が民族間に新たな緊張状態を作ってしまったのだから、「彼は辞任すべきではないのか?」と旧ツイッターのXに投稿した。
Ti Lian Ker 上院議員は、Akmal氏が過去の発言の中で、ボイコット運動を諦めるんだったら、むしろ自分はUMNOの代議員としてのポジションを失った方がマシだといった内容に触れている。
上院議員の批判は、Akmal氏の指示を表明したUMNO本体にも向けられていて、青年団長の指示は、彼の主張やヘイト・スピーチを正当化しようとするものだとしている。
ここから先は、筆者のコメントでございます。
この方は、下記の通り、与党の政治家として大臣職も歴任している大物華人政治家ですから、ムスリム系政党に対しても堂々と強気の発言ができるようですね。元老院は、下院議会の決議内容をチェックする役割も持っていますがら、
代議員のメンバーから違和感のある発言が出た時に、こうやって牽制する立場にあるというわけです。
上院議員は、国王のに選任されて就任するケースが多いのですが、この場合は、国王の推奨ではなく、パハン州議会から選出されて上院議員になったのではないかと思われます。
参考 Ti Lian Ker上院議員
ティリアン・カー(1962年生まれ)は、2018年8月からマレーシア上院議員(元老院)。
- 2020年5月から2021年8月までペリカン・ナショナル(PN)政権の国民団結副大臣
- 2021年8月から2022年11月まで、バルサン・ナショナル(BN)政権の青年スポーツ副大臣
- 2004年3月から2008年3月までパハン州立法評議会議員(MLA)
Basrisan Nasional の一員であるマレーシア華人協会(MCA)のクアンタン支部会員であり、支部責任者でもある。また、2018年11月から2023年9月までMCAの副大統領も務めていた。
参考 フランス語: Agent provocateur
日本語版 Wikipedia:
プロバカートル( プロヴォカトゥール、英語:inciting agent )は、人をそそのかして不法な行為を犯させる極秘の手配人(エージェント)、あるいは、取り締まり対象を誘導するために警察組織から秘密裏に派遣された覆面工作員を意味する。戦前の日本の革命運動においては、革命運動を破壊する扇動者の意味でしばしば使われた。
英語版 Wikipedia :
戦争反対運動、労働組合、政治政党、企業組織などを標的として、標的組織内の任意の人物が違法行為に手を染め、結果的に標的組織の社会的信用を失墜させるように仕向けるための工作員(あるいは「なりすまし要員」)をAgent provocateurという。
最後まで参照いただき、誠にありがとうございます。
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