【MM2H情報】馬国の靴下論争 国家的統制へ

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この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。

昨日までの経緯はこちら

「互いのあげ足取りを止めよ」

連日のSNS上の靴下論争について、昨日夜半までに、17代国王イブラヒム陛下からの

直言が下りました。

馬国では、国王陛下もFacebookに持論や直言をアップする自由があります。その点では、日本の皇室よりも自由なSNS環境です。

昨日の国王陛下のFBアカウント (Sultan Ibrahim Sultan Iskandar, フォロワー117万人、フォロー3人)には、A4紙1枚程度の関係者宛のメッセージがマレー語と英語でアップされました。文章は1人称ではなく、王室からの配信メッセージとなっています。

国王陛下の布告内容は全国紙でも報道されている。写真は3月27日午後の malay mail の報道。

THE KING: DON’T EXPLOIT ‘ALLAH ON SOCKS’ CONTROVERSY

His Majesty Sultan Ibrahim, King of Malaysia has called on all parties to stop taking advantage of the issue of socks bearing the name of Allah, saying it should now be left to the authorities.

“I have instructed that action be taken in accordance with the law, so there is no need for any party to continue to fueling anger.

“The action taken is not solely to punish, but also serves as a lesson and reminder to all to uphold the sensitivities of Malaysians,” said His Majesty.

The King said it is better for all concerned to learn from this incident and strive to strengthen unity.

“Persistent anger brings no benefit. All parties, especially community leaders must act with maturity.

“Let us guide the people towards unity, not division. This is an opportunity to gain a better understanding of each other in our diverse society, so that such incidents do not recur,” said His Majesty.

Facebook, Sultan Ibrahim Sultan Iskandar

結論として、

国家は国民の「分断」ではなく「統合」に資する指導を行うべきであり、感情的になって互いの揚げ足取りをしてはならない。この件はあくまで法に従って解決するよう指示してある。今回のことは、多様化したこの国の社会で互いに理解し合うための良い教訓であったと考え、再発しないよう努めよ

という金言です。

恐らく、これでこの「靴下問題」の論争と過激行動の連鎖には終止符が打たれると思われます。

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中国への「謝罪要求」はしないのか?!

記事 : Akmal says won’t entertain calls for China apology over ‘Allah’ socks ( FMT 27-March-2024)

写真左が Almal氏、右がサバ州の下院議員

UMNO青年団長の Akmal氏の KK mart ボイコットの声や小規模な騒乱が止まない現状を揶揄する意味なのか、

昨日、サバ州の代議員(MP, 下院議員)が Akmal団長に対して、あくまで追求するなら(問題の靴下を作った)「中国に謝罪要求すべきじゃ無いのか」と質(ただ)したそうです。

他の代議員の中には、UMNOの副総裁である外務大臣にこの件(謝罪要求)を依頼すべきんじゃないか?という発言もありました。

流石に、ここまで大きな話になると想定していなかった Akmal氏は、「そこまで話を大きくすることはない、落ち着いてもらいたい」と応答、

すると今度は、世界大学ランキングのトップ2%を誇る UCSI 大学のムスリム系の教授から辛辣なコメントが出ています。

「昔から、弱いものイジメをする人間は自分より大きな存在には立ち向かおうとしない。ただのイジメだからである。Akmal氏は代議員たちの問いかけには応じないだろう。」

警察も国民に冷静な行動を期待

記事 Bukit Aman director: 10 police reports filed on KK Mart ‘Allah’ socks controversy, public urged to be patient (maial mail, 27-March-2024)

Bukit Aman とは馬国の警察本部があるKLの独立広場の西にある丘の地名。英国占領時代から「警察当局」の代名詞になっている。

マレーシア警察の犯罪捜査局は、これまでに靴下問題がらみで10件の被害届ないしは(犯罪の)通報を受理したと公表。

このうち2名は書類送検しており、さらに5名の送検を準備している。たの事案は操作中であるとしています。

犯罪捜査局長は、記者会見で、「警察当局としては、この件で国民がこれ以上、互いに感情的に反目することのないよう、つとめて冷静に行動することを要請する」と過激な行動の自粛を要請しており、

靴下問題は「外交問題」に発展するのか?

そこまでの話が大きくなることは無いと確信します。

UMNOが政党として、KK mart の件を大きく取り上げているといっても、騒いでいるのはUMNOの青年団だけですし、UMNOの事務総長クラスの発言も、「宗教的な心情への攻撃に反対する」という立場は確認しているものの、 KK mart についてのボイコットに明示的に言及してはいません。

また、政府の閣僚レベルからも、中国に対してたった数足の靴下の意匠(プリント)の件で外交レベルの謝罪要求声明を出すべきでないという発言も出ています。(動画サイトにアップされている政府要人の声明で確認できます)

北朝鮮から日本海へのミサイル発射のような外交問題で、日本政府の声明を見聞きしている我々から見た場合、馬国内で靴下のプリントが数点見つかった程度で、謝罪要求を政府が発表しても、恐らく何も起こらないでしょうし、

外交レベルでは、恐らくこの内容での政府声明や要請をすれば、まともには相手にされないでしょう。

マレーシアの国王陛下が、この件で声明をFacebookにアップしたのは、政府がよもやこの件で中国に対して不要な発言を出さないよう抑制するためでもあると思われます。

参考 UMNO

統一マレー国民組織(マレー語: Pertubuhan Kebangsaan Melayu Bersatu, 英語: United Malays National Organisation, 略称:UMNO)は、マレーシアの政党で、国民戦線(マレー語: Barisan Nasional)の創立メンバーである。マレー系住民の政党。

UMNOは建国依頼のイスラム系最大の政党であり、マハティール首相を中心にイスラム国マレーシアの発展に大いに貢献してきた。

2018年総選挙で与党はマハティール元首相を首相候補とする野党連合に敗北。これにより、UMNOは史上初めて野党となり、建国以来初の政権交代を許した。

最後まで参照いただき、ありがとうございます。

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