【MM2H情報】論説 馬国の靴下論争3月27日現在

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去る3月13日にネット民によるSNSへの投稿、「イスラム教徒の神格 “Allah” のプリントが入った白い靴下が、24時間コンビニ大手の KK mart で売られている」が、馬国国内で大炎上。マレーシアの国王陛下までが違和感をあらわに、厳しい処分を要請したために、警察や政府関係者から次々と KK mart を糾弾する発言がメデイアに飛び交いました。

KK mart の創始者 KK Chai 氏は「私自身も許せない」とこの靴下(数は少なく、全く売れてはいない)の供給元ベンダーとの契約を打ち切り、本人は記者会見で涙ながらに陳謝。

この陳謝を不十分とするイスラム系政党UMNOの青年団長の Akmal 氏が、KK mart 全国881店舗での謝罪バナーの提示と、国民によるKK mart ボイコットを呼びかける事態に。

ムスリム社会や馬国有識者からも、「ボイコットは過剰反応」という声が上がり、あくまで警察の捜査と司法の判断に委ねるべきとの大人の意見が続出したため、炎上騒ぎは一旦は沈静化しました。

警察の捜査は終了。詳細は発表されていないが、KK mart と商品の供給ベンダーの代表が26日朝に司法長官に召喚されて審議を受け、その後の有罪・無罪と刑罰の有無については、司法の発表を待っています。

本日も、この件でのオンライン記事が全国紙各社から発行されているので、内容をまとめてご紹介します。

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KK mart の経営者は「無罪」を主張

26日にシャーアラーム裁判所に召喚された KK mart の代表とその親族、そして KK に靴下を納品した Xin Jian Chang Sdn Bhd の経営者は、マレーシア警察がまとめた調書に基づく刑法298条「第三者の宗教心を意図的に傷つけた」疑いと、細則の刑法298A条の「宗教(活動)に関わる不調和、不統一、敵対心、悪意、あるいは調和と統制の維持の妨害」の疑いについて、いずれも「無罪」を主張しました。

筆 者
筆 者

オンライン記事には詳しい論拠は公表されていませんが、筆者が被告であれば、「意図的にムスリムの信仰心を傷つけた」事実・証拠は皆無であることや、宗教活動への意図的な妨害も行った経緯が無いことを主張すると思います。

ただし、問題の商品が店頭に並んでしまったという事実が否定できないので、業務上の過失から、結果として警報298条に抵触する事態となったことは否めませんから、「業務上の過失」ないしは「重過失」の責任を問われた場合は有罪の可能性があると思います。

New Straits Times の27日のオンライン報道によれば、警察の立件通りに刑法298条違反で有罪となった場合は、1年以下の懲役、または金額不確定の罰金(あるいはその両方)だそうです。

They were charged under Section 109 of the Penal Code read together with Section 298 of the same law and faced a maximum prison sentence of one year or a fine or both upon conviction.

New Straits Times の27日のオンライン報道

罰金が明確でないということは、会社経営者のレベルの富裕層が支払えない金額にはならないとおもまれますから、最悪でも1年の懲役で、この場合の保釈金がいくらになるかということですね。

KK mart の経営者は直接メデイアへの発言は控えていて、この日からは、KK mart の顧問弁護士が代表してメデイアのインタビューに応え始めています。顧問弁護士からは、「本件は司法の判断に委ねられたので、司法以外の団体や民間の発言は(司法判断への偏重を誘発するため)控えていただきたい。」とのコメントだけで会見を終えています。

NSTの報道は、かつてはUNNOや Barisan Nasional のお抱え報道として知られていたので、現在でも基本的にはUMNO寄りの新聞社です。ですから、上の報道でも、弁護士の発言だけをハイライトしていて、本来はニュースのヘッドラインになるべき「被告側は無罪を主張」という趣旨は全面に見せていません。この辺りは、馬国内の微妙なバランスを感じさせます。

筆 者
筆 者

ただし、報道の公正な内容のために、無罪の主張の部分はきちんと記載されていますから、NSTに対して差別的だといった批判は出ないわけです。

Umnoの青年団長に殺人予告した人物を逮捕

KK mart のボイコット運動を主張してきたUMNO青年団長(Merimau地区の代議員)のAkmal氏は、26日の朝、匿名の電話で(Akmal氏の)「暗殺を仄めかしている人間がいる」という忠告を受けています。

当時の匿名情報によれば、容疑者はAkmal氏KK mart の件で発言を続けるなら、「いずれ撃たれる」といった発言をしているとの情報だったようです。匿名の情報提供者は、別途 Poice Report(通告書)を提出したとのこと。

Akmal氏もその日の夕刻には警察に被害届としての Poice Report を提出。

本件に対しては、

  • 全く自分のスタンスは変えない
  • 諦めずに(KKの)ボイコットを続けよう

というメッセージをSNSに上げており、あくまで強気です。

問題を起こした靴下のベンダーが創業する地域の KK mart 店舗では、店員と客が言い争いになったり、Perak 州の店舗では何者かから、火炎瓶を投げられた(ただし、発火せずに未遂で終わっている)という事例が報告されているそうです。

殺人予告をした人物は、26日に即日逮捕されました。逮捕理由は、件の陳情書の内容でした。

マラッカの Tengah 地区の警察署長によれば、逮捕されたのは68歳の機械工で、Akmal氏KK mart への非難は「限度を超えている」として、同氏はいつか(銃で)撃たれると発言していた由。

容疑者は、「撃たれる」発言を認めて上で、健康上の理由で釈放されましたが、刑法506条「脅迫罪」の疑いで捜査中であり、有罪の場合は7年以下の懲役だそうです。

Akmal氏はボイコット運動を止める意図は内容ですが、馬国内では、同じUMNOの元青年団長で、有名なラジオ・番組のパーソナリティでもある Khairy Jamaluddin 氏から、もうそろそろ止めるべきというコメントが出たり、他の有識者からも連名での非難があり、馬国内では劣勢です。

今後の展開を予想

警察から刑事告訴されている件は、被疑者の「無罪」の主張がどのように受け入れられるかが焦点ですが、前回も議論しました通り、この事件は最初から「国王」が厳しい措置を要請しているので、

ムスリム以外の国民が、KK mart の無罪を支持しても、やはり一定の懲罰は避けられないと思われます。

それにしても、裁判の切り口として、なぜ「業務上過失」が問われないのか不識です。過失というレベルの刑罰では軽すぎるのでしょうか?

Akmal氏のボイコット運動については、現状では、全国的にKK mart の売り上げが激減したり、KK mart 側が悲鳴を上げるほどの影響は出ていないようです。

おそらくは、被疑者側も、あまりAkmal氏に強い反発をせずに、よほど酷いことをされない限り、ボイコットの議論は「やり過ごす」しかないと考えているでしょう。

今回の騒動っで最も経済的に打撃を受けそうなのは、1億円規模の損害賠償の訴訟を起こされている、(問題の靴下を流通した)Xin Jian Chang Sdn Bhd です。

参考記事

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最後まで参照いただき、ありがとうございます。

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