この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。
この記事の続報を投稿しました。こちらを参照下さい。
前回までの記事で、中国有数の優良不動産会社「碧桂園」が、中国の不動産価格の下落を主因として、危機的状況にあることを話題としてきました。
この記事は続報です。
すぐに「倒産する」といった話では無くなりましたが、まだまだ緊張状態は続きます。
本年(2023年)年9月5日までの推移
9月5日の The New York Times の記事から
碧桂園の業績不振と債務不履行危機の現況がわかります。
同社は、先週までにオフショア債権(海外の債権)の支払い利息22.5百万ドルを支払えず、オフショアの債権者からデフォルトを迫られる危機に直面していたが、去る5日に、当該金利の支払いを終えた。金利の支払いがなされたのは30日の「グレース・ピリオド」(つまり、猶予期間)以内に実現した。
碧桂園は、この件に先立ち、中国国内の債権者との協議で537百万ドル相当の国内債券の払い戻し期限の延長を合意している。同社の次のハードルは150億ドルの債務の返済であり、期限は今から12か月以内とされている。
The NewYork Times 2023.09.05
別途、同社は馬国のリンギット建ての債権の支払い利息の責任を負っていた事実が Bloomberg の取材で明らかとなりましたが、こちらは巨額ではないため問題なく解決。
匿名を条件に話した関係者によれば、碧桂園は債権者にリンギット債の利払い実施を通知した。
ブルーム・バーグ(9月3日)
ブルームバーグの収集データによると、285万リンギット(約9000万円)の利払いは実質的に今月4日が期限。このリンギット建て債は2027年が満期で、表面利率は5.7%
碧桂園にとって「本年最大のデフォルト危機」は回避できたようです。
来年の債務返済期限までの1年の期間に
「森林城市」開発(ジョホール州政府や同州のスルタンと共同開発している埋め立てと都市建設)がどのように推移するか注目されます。
碧桂園の来歴(Wikipedia)
1992年、創業者の「楊国強」は仲間とともに不動産開発を業務とする碧桂園を創業。
香港の富裕層が碧桂園の物件を購入するようになり発展、2007年には香港証券取引所へ上場。
2009年、リーマンショック直後の世界的な景気後退の局面で、中国政府が取った経済対策により国内の不動産価格が上昇。
碧桂園は不動産ブームに乗じて業務を拡大、莫大な利益を上げた。
「楊国強」は17歳になるまで靴を履いた経験もない貧しい環境から育った。たたき上げの起業家。今年3月、創業から31年務めた会長の座を次女・恵妍氏に引き継ぎ、経営の第一線を退いた。
恵妍氏は2005年の入社時に国強氏から持ち株を譲り受け、2007年の米経済誌フォーブスの長者番付で当時わずか26歳で資産総額160億ドル(約2.4兆円)で中国首位になった。
「中国屈指の女性富豪」として知られた存在だ。妹や恵妍氏の夫、国強氏のおいも同社取締役として脇を固めており、家族で巨大企業の難局に臨む。
毎日新聞 9月5日
「森林城市」の進捗と先行き
このプロジェクトは、開発開始以来7年経過しており、完成予定の2035年までにあと13年の工程にあります。
言ってみれば3分の1の期間が経過しており、一定の埋立てが済んで建設も終わっているが、これは全体の一部です。まだまだ、これから先が長い。
残る13年で全ての埋め立て・造成・都市建設を終わらせなければなりません。
収集できた情報では、この開発案件は完成した部分から順次居住者が入居して経済活動ができるような段取りになっていますが、
完成した区域の保守管理費用が行き届いておらず、当地域がゴースト化する現状から、2035年の全ての都市機能が揃うまでの開発費用は膨大になると予想されます。
現在、馬国政府が見直しを進めているMM2Hの利用者受け入れ条件とこの未来都市構想との繋がりも注目されます。