【MM2H体験】おすすめ(代案)馬国「新幹線」

MM2H

この記事は、本編【MM2H体験】の詳細記事です。「おすすめ」のまとめ記事はこちらです。

昨日 (2024.01.13) 紹介したシンガポールとクアラルンプール(KL)を繋ぐHSR(言わばマレーシア新幹線)ですが、この南向きの新幹線のプロジェクトについては「異論・反論」が存在します。

日本企業グループの不参加が表明されたニュースに被せるように、この「異論・反論」がマレーシアの準全国紙、Free Malaysia Today (FMT)に掲載されました。この記事は、鉄道系の熟練コンサルタントのRosli Khan 氏の論説として発表されましたが、この考えは、Khan氏のみならず、馬国内に多数の賛同者がいるようです。

その異論こそが、KLからバンコクに「北上」する新幹線です。筆者のコメントの前に、このKhan氏の論説を紹介します。

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論説 「KL・Bangkok の HSR を優先すべし」

Free Malaysia Today (by Rosli Khan, 14 January, 2024)

FMTオンラインに掲載の論説

マレーシアとバンコクを結ぶ高速鉄道(HSR)の提案は、これまで多く議論されてきたKL-シンガポール間の接続よりもはるかに魅力的で有益なものと言えます。

KL-バンコク間のリンクの方が実現可能性が高く、バンコクからラオスのビエンチャンを、最終的にはビエンチャンから中国の昆明までの既存のHSR路線に接続する可能性を拓きます。

間違いなく、バンコク、ビエンチャン、昆明、さらにはその先の都市との連携は、マレーシアの旅客輸送部門と貨物輸送部門の大きな変革要因となるでしょう。

現在海運が主流となっているマレーシア、タイ、ラオス、中国間の主要な輸出入を鉄道で行うことが可能になり、ビジネスの費用対効果を高め、時間短縮にもつながります。

バンコクとプノンペン(カンボジア)、ホーチミンシティ(ベトナム)をHSRで結ぶ提案もあると承知しています。最終的にはバンコクはミャンマーの首都ネピドーとも繋がります。

これにより、マレーシアは将来の貿易およびこれらのすべての国への陸上輸送アクセスにおいて、はるかに大きなネットワークの一部となりえます。

想定されるKL-Bangkok 路線。(筆者が手書きで引いた線は予想線であり、敷設する経路はまだ未確定です)

シンガポール依存

その結果、物流コストは大幅に削減され、タイのクラ地峡にあるチュンポンとラノンの間で提案されているタイ陸橋が実現すれば、マレーシアは貿易と旅客の接続性向上という恩恵を受けることは間違いありません。

Coba方式評価による費用対効果分析を行えば、KL-バンコクHSRの経済的・財務的可否は、提案されているKL-シンガポールHSRよりもはるかに高いことが明らかになるでしょう。

KL-バンコクHSRとタイ陸橋により、マレーシアは貨物積み替えのためにシンガポールに頼ることなく、全域にわたる貨物流通においてより大きな役割を果たせるようになります。

また、これら4カ国からの観光客の流入も大幅に増加するでしょう。

現在、マレーシアの貨物貿易と旅客旅行は、コンテナの積み替えハブとしてのシンガポールの港湾と空港、旅客のための航空ハブに過度に依存しています。

現在の取り決めはマレーシアにとってコストがかかり、シンガポールにとって非常に有利なものです。

提案されているKL-シンガポールHSRが建設されたとしても、南部の隣国への依存は強まるだけです。

そのため、KL-バンコクHSRはマレーシア半島にとってはるかに価値のあるものだと私は信じています。

新しい路線配置

KL-バンコクHSRの路線は既存のKTMB線を置き換える必要はありません。これらの路線は市場の需要を十分に満たしており、このまま存続させるべきです。タイ国鉄がパダンベサールまでのメーターゲージ線全体を置き換えるとは思われません。

HSRはほとんどの場合、標準ゲージ路線になるでしょう。

マレーシアにとって、HSRは新規開拓エリアへのアクセスも兼ねた新規路線の方が実現可能性が高く費用対効果も高くなると思います。

例えば、KLからイポーまでは比較的簡単ですが、イポーから北上すると、Kuala Kangsar、Gerik、Betong(マレーシアと南タイの境界にある町)、ハチャイ(Hat Yai)、バンコクへと向かう路線が考えられます。

タイの観光地、パタヤはバンコクに隣接している。この観光地とKLが非常に近くなるのがKL -BKK間のHSR

このように計画すれば、現在のKTMBメーターゲージ線を国内輸送用に維持しつつ、KL-バンコクHSR用の新線を整備することが可能です。

タイは南タイの航空市場に対応するためBetongに国際空港を建設しているので、このHSR路線に積極的な反応を示す可能性があります。

BetongにHSRを導入することで、タイは南タイの航空貨物と旅客交通の両方を獲得できるのです。

まとめると、バンコクHSRと提案されている「クラ地峡橋」(タイ陸橋)は、マレーシアとタイの双方にとってウィンウィンとなるプロジェクトです。

Free Malaysia Today (by Rosli Khan, 14 January, 2024)

観光系のネット情報では2022年2月26日に馬国の当時のヤコブ首相とタイのプラユット・チャンオチャ首相がフィージビリティ・スタディ(実現可能性調査)の実施を合意しています。

参考 タイ運・クラ地峡運河

タイ運河、別名クラ運河・クラ地峡運河とは、タイ南部のクラ地峡を横断し、タイ湾とアンダマン海を結ぶ運河建設案。実現すれば、混雑する主要貿易ルートの航行時間を大幅に短縮できる。

wikipedia で参照されているタイ運河の検討図。

この運河は、マラッカ海峡を通過するルートの代替となり、日本や中国への石油輸送距離を1,200 km短縮できるとしている。中国はこれを21世紀における海洋シルクロード構想の一部と捉えている。2015年の提案では、全長102 km、幅400 m、深さ25 mとなっている。

運河建設の計画は過去何度も議論され、調査されてきた。しかし、莫大な建設費用、環境への懸念、地政学的リスクといった反対意見と、経済的・戦略的利益の可能性が常に天秤にかけられていた。

2018年2月、タイのプラユット・チャンオチャ首相は、運河建設は政府の優先事項ではないと宣言。しかし、2020年1月16日、タイ下院は120日以内にタイ運河プロジェクトを検討する委員会を設置することに同意している。

プラユット・チャンオチャ首相 を紹介するwikipedia より。同首相の肖像

マレーシアHSRの将来

以下は筆者私見であり、紹介した記事や各国政府の見解とは無関係です。

まずは南方と北方のHSRのコスト比較を考えるなら、これは明らかにシンガポール方面のプロジェクトが有利です。

KLから対国境までの距離は、シンガポール路線の全体よりさらに長くなりますし、タイの国境からバンコクまでの路線(これはタイ側の負担)はさらに長いです。シンガポールへの新幹線の倍以上になるのではないでしょうか?

異論としてバンコク向けの新幹線の費用対効果が、具体的な数字で出てこないと、誰も北方新幹線を「よし」とはしないと思います。

非常に長いタイ側の新幹線のプロジェクト費用を調達する場合、中国の「一帯一路」政策による紐付き融資の可能性も出てきます。この部分の利害も十分検討されるべきでしょう。

ただし、

もしバンコク方向に決まって、タイの運河が開通するなら、東南アジアの経済圏に相当大きなな変化をもたらすことは間違いなさそうです。

Chao Phraya River at sunset, Bangkok City, Thailand この街とKLが新幹線で繋がる日が来るのだろうか? photo by envato elements.

シンガポール路線のプロジェクトは、まだ設計・建設業者の入札前であり、入札を実施したとしても、まだ中止にもっていくチャンスは十分残っています。関係各国の首脳の今後の判断に注目したいですね。

最後まで参照いただき、ありがとうございます。

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