スイスの国際経営開発研究所(IMD)は、主要67カ国・地域を対象にした2024年版のIMD世界競争力ランキング(IMD WCR)を発表しています。
1989年に始まったIMD世界競争力評価ですが、日本は過去最低の38位(昨年35位)となってしまいました。あらゆる指標で下降線をたどっています。情けないですね。
そして、マレーシアは34位だったのです。(前年度は27位)
1位はなんと、シンガポールです。かつて、マレー連邦から追い出されたシンガポールは、今や世界1の競争力を誇る国家に成長したのです。
そして2位はスイス、3位はデンマークでした。この2国は昨年もトップクラスでした。
国際機関が評価した馬国の国際競争力が、27位から34位に落ちたことは、馬国の産官学のリーダーを少なからず落胆させています。なぜ、落ちてしまったのか、あらゆる検討が進んでいますが、全国紙がまとめた論説があるので紹介します。
馬国の競争力強化:5大戦略
Five strategies to climb the ranks of competitiveness
By JOHN ANTONY XAVIER – June 25, 2024 @ 1:37am New Straits Times
以下、オンライン報道の要約です。
2024年の国際経営開発研究所(IMD)による国際競争力報告書で、マレーシアは34位にランクされました。前年は27位でした。(The 2024 World Competitiveness Report (WCR) by the International Institute of Management Development, a Swiss business school)
競争力向上のために、馬国政府は生産性向上に力を入れる必要があります。以下の5つの戦略が提案されています。(馬国内の議論です)
健全なマクロ経済政策
マレーシア中央銀行は金融政策管理で安定してきています、これを基盤として「2023年公共財政・財政責任法」を生かして、赤字予算と公的債務の改善を目指すべきです。予算赤字はGDPの4.3%に、公的債務はGDPの65%に達しています。政府は財政健全化のために、借入額や補助金のターゲットを的確に絞り込むべきです。
Ref.: 2023 Public Finance and Fiscal Responsibility Act
企業の生産性向上
企業や関連業界が地理的に集約できれば、コスト削減と生産性向上が期待できます。新産業マスタープラン2030による、クラスター開発の優先が期待されます。
外国からの直接投資の誘致
2023年のFDIは前年比23%増加しました。これは企業間競争と生産性向上を促進します。
Ref. FDI = foreign direct investments
税制、補助金、労働市場の構造改革
(先進的な技能を持つ)マレーシア労働力は全体の25%に止まっており、学卒の42%もの人々が取得した学位と無関係の仕事をしています。
柔軟な労働時間、スキル向上、賃金改革が必要です。また、高等教育の促進も重要です。
スキル戦略については、こちらの記事を参照ください。
政治の安定と良好な統治
腐敗指数は改善していますが、さらなる努力が必要です。競争力向上にはイノベーションが不可欠であり、研究開発への投資が重要です。中小企業はデジタル技術の導入で生産性を向上させ、競争力を高めることが期待されています。
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