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この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。
馬国のギグワーカーについては、このブログでも何度か情報共有してきました。
残念ながら、筆者の年齢でギグワークに身を投じるのは、かなり気が引けます。
自分が20歳か30歳の年代で、馬国にいたなら、GRABやUBERと契約して、好きな時間帯に好きなだけ働いて、別の目標に時間を使える生活環境を持つかもしれません。
パンデミック騒ぎが一段落したことから、馬国のギグワーク人口が増加傾向にあります。
国の総労働量の17%に達する300万人という数字は、政治家を選択する有権者の中にあって、十分重いグループになります。
このギグワーク。普通の会社員と根本的な違いがあります。それは「雇用契約」が無いという事実だそうです。つまり、ギグワーカーを利用している企業は、ギグワーカーを「従業員」として雇っているわけではないので、
給与は、需給バランスから企業側の損得を優先して自由に決定しているし、働くギクワーカーの社会保険や福利厚生は「ギグワーカーの自己責任」とされているのです。
ギグワークが一生涯の高額収入を保証するなら良いでしょうが、多くの国民がギグワークを選択し始めると、競争環境が激化して、報酬は下がってきます。
首相のアンワル氏は、ギグワーカーが将来の国政選挙の票田になることを理解していましたから、首相就任時に、ギグワーカーの働く環境を改善することを公約していたようです。
そして、就任2年目の今年8月には、ようやくギグワーカー新法が成立する運びとなってきました。
政府のギグワーカー保護政策
Putrajaya mulls arbitration avenue for gig economy pay disputes
By Syed Jaymal Zahiid Wednesday, 05 Jun 2024 7:00 AM MYT malay mail
過去10年間でギグエコノミーは急成長した。
2023年、マレーシアのギグワーカーは過去最高人数を更新し、総労働力の17%以上に相当する300万人を超えた。2年前の240万人から大幅な増加だ。
祝祭日も含めて一日平均820人増え続けてきたということになりますな。
ギグワーカーが、企業が支払う手数料について、正式な形で異議を申し立てるプラットフォームがまもなく準備されようとしている。アンワル政権は、増加するマレーシアのギグワーカーに対する法的保護を強化しようとしているのだ。
従業員としての法的基盤が無い
ギグワーカーの増加は、ネット社会を取り巻く技術系企業の拡大に追随してきた。若年層が多く、大卒者のインテリも多い。
今、このギグエコノミーで働く人々の間で不満が高まっている。
金利の上昇と市場の競争激化が原因で、雇い主の企業がギグワークの手数料を(一方的に)削減するようになったのだ。
企業側が、契約相手であるギグワーカーを「自営業」と定義・主張するため、ギグワーカーは、一般の労働者が雇用主に条件交渉している法的保護や手段を行使できないのだ。
ギグワーカーには労働組合も、労働基準法の適用も無いということですね。
ギグーワーカーは選挙の票田
マレーシアの有権者の内、若年層は重要な票田である。彼らは、有権者のほぼ半数を占めているのだ。だから、アンワル首相は就任時に、労働法を強化し、労働者の福祉を向上させるための取り組みの一環として、ギグワーカーの不満に耳を傾けると公約していた。
Malay Mailは、人的資源省が仲裁メカニズムの仕組みと運用方法を概説した文書(中間報告書)を既に作成しているとの情報を得た。
この文章は、「ギグワーカー委員会」の設立に向けた政策フレームワークに含まれる提案のひとつであり、本日、閣僚会議に提出される運びとなった。
人材資源大臣のスティーブン・シムは昨日、この件について確認し、委員会設立に向けた計画の承認を求めるための報告書だとしている。
シム大臣は、マレーシアのギグワーカーが公正な賃金、社会保障保護、福祉支援を受けることが主眼であるとしている。
原文:Human Resources Minister Steven Sim described it as fundamental to ensure gig workers in Malaysia receive fair wages, social security protection and welfare assistance.
専門委員会の目的
中間報告書は、「ギグワーカー委員会」の範囲を定義する目的で、アンワル首相が議会に提出する最初の文章となる。
ただし、最終報告書は8月まで準備が整わない可能性がある。(人材資源大臣)
Malay Mailは、この報告書が委員会の使命、業務範囲、権限と管轄、および組織構造、ならびに諸費用を概説するものであると理解している。
原文:Malay Mail understands that the report will outline the commission’s mandate, scope of work, power and jurisdiction, and organisational structure, as well as the financial cost.
委員会の焦点領域には、キャリアの進行とスキルアップの機会の義務付け、契約の精査と明確な条件を提供しない企業への罰則を設けることも含まれる。
この問題に詳しい情報筋は、「目標のひとつは、ギグワーカーの福祉を守り、ギグワーカーの手数料に関するクレームを処理するメカニズムを設立することだ」としている。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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