この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。
馬国に長く住んでいると、この国の国民の心裏にある日本の印象をより詳しく知る機会が増えてきます。
今回は、筆者と親しい馬国人との対話から得た情報として
馬国人が日本の「防衛力」、あるいは平たく言って「軍事力」をどのように見ているか?
について体験談を紹介します。
この話については、特定の馬国人の意見を紹介することが出来ません。そこで、筆者が複数の馬国人(マレー人、華人、等々)と対話してきた印象としてご紹介しています。
アジアから見て「防衛力」も「軍事力」も武力は武力
日本人は自国の防衛のための国家予算を「防衛費」と呼んでいてこれを「専守防衛」を意味する代名詞のように感じています。
ところが、馬国人はじめ、アジア各国の人たちはそうは考えません。
セルフ・ディフェンスだろうが何だろうが、軍事目的で準備する予算は全部「軍事予算」として認識します。
馬国も同じで
日本の「防衛費」を話題にするときは、
日本が軍事予算(ミリタリー・バジェット)を幾ら持っているか?という事だけ考えます。
それを日本や日本人が、神経質に「防衛費」とか「防衛予算」と称して、他国を攻撃するための予算じゃないよと言っても
「?・・・何いってんの? 軍事費でしょ」
です。
つまり、戦争になれば、日本は当然相手国を攻撃してくるとはっきり認識しています。
何となれば、1942年から3年間の日本軍によるマレーシア連邦の占領は列記とした事実。それも、当時のイギリスの植民地であった場所を日本が奪ったという実績があります。
馬国人は日本人の馬国占領について、強い半日感情は持っていませんが、「英国から領土を奪う力がある国」という印象は強く持っているのです。
防衛費は「軍事力」の指標そのもの
筆者が馬国で仕事をしていた時期の日本の防衛費は1兆円でした。
この額は、当時の馬国からしても、現在の馬国から見ても
「圧倒的」です。
外務省によれば、2020年のマレーシアの軍事予算は37億ドルであり、140円換算でも約5200億円。
2022年の日本の防衛費は6兆8000億円(馬国軍事費の13倍)です。
つまり、日本と言う国は
■過去に、馬国の領土を占領した「実績」を持つ国
■イギリス列強の植民地から領土を奪う力を持っていた国
■馬国の13倍の国防費を予算として持っている国
■空手・柔道・剣道をスポーツとして振興する国
■「腹切り」と「カミカゼ」の国
■あらゆる兵器のプラモデルを提供している国
なのです。
これを「脅威」と呼ばずして、何と呼ぶでしょうか?
いや、筆者が言っているのではなくて、馬国人は本当にそう思っているのです。
ですから、日本の政府や、日本人が
日本は「平和な国ですよ~」と言ったところで、そういう実感は持てません。
スイスのような永世中立でもない日本が、米国と同盟していて、上記の軍事費を予算化しているのですから、日本の「武力」は明らかにアジア圏にとっては「脅威」なのです。
中国とのパワーバランスをどう見ているか?
中国の存在と日本はどのようにみられているでしょうか?
当然ながら、中国という巨大な人民集団の圧力は、馬国でも非常に重く見られています。
日本と中国が対立することについて、馬国人はあまり意識して考えることはしていませんが、
一般的には、中国の国力が大きいことは馬国でも充分認識があり、日米の強い連携が極東地域のバランスになっていることも、充分認識しています。
ただし、こういった、日中米のパワーバランスに関する話は馬国人の興味の対象ではありません。
馬国人としては、はやり自国の発展や国民所得の向上が懸案であり、列強どうしの対立に無用な関係を持つことはしないようにしているというだけの話です。
それよりも、日本という国の「軍事力」の印象のほうが若干強いのではないかと思います。
「普段の日本」と、「有事の日本」は違う国
馬国人の興味の対象は、日本の軍事よりも、その技術、食文化、それから観光地としての日本であると言えます。
日本ならではのコンテンツを馬国でビジネスにしたがっている馬国人は後を絶ちません。
しかし、このような「普段」の、そして「平静時」の日本の印象を取り除いて、極東から東南アジアに「異常事態」が起こった時のことを考えてみましょう。
そういう局面で、馬国人の心の奥底にある日本の印象を覗いてみれば、
そこには「武力6兆8000億円」の「カミカゼの国」としての日本が有るのです。
日本が自称「平和国家」で「専守防衛」を旨とするという「姿勢」を持っているとしても、軍事予算6兆円を超えるカミカゼの国という本質的な「脅威」を否定する術はないと思います。
この話はここまでです。最後まで参照いただいてありがとうございます。