【MM2H最新】注目:東マレーシア型MM2H新条件

MM2H

この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。

本日は、内容の濃い情報をお伝えします。

筆者が調査した範囲では、これが2024年7月初頭の「最新で詳しい」情報です。

シンガポールのオンライン報道局 c n a の長編論説を読むと、馬国周辺の MM2H ユーザーの生の声が聞こえてきます。

馬国内の報道が、「なんとは無しに消化不良」な感じの情報のこの頃ですが、隣国である「星の港」(つまりシンガポール)は具体的で臨場感溢れる記事を出しますね。そのことはこれまで何度も感じてきました。

C n a の論説員、Aqil Haziq Mahmud が最初に紹介したのは、48歳の米国人MM2Hファンです。彼は馬国の MM2Hこそ自分が50歳で引退する場所だと心に決めていたそうですが・・・

今年6月に張慶信大臣が発表した連邦政府系のMM2Hの最終申請条件は、この米国人MM2Hファンにとっては到底理解できようもない厳しいものでした。

最も投資要件の低いシルバークラスのMM2Hを希望している彼にとって、定期預金の金額をクリアするのはよかったが、さらに今回必須となった高額の不動産購入と10年間の保有というハードルの高さは「想像を絶する」もの。

「(シルバークラスの)MM2Hパスが有効なのはたったの5年間ですよ。この条件でのMM2Hは願い下げだ。たとえ資金があったとしてもこれを選ぶことはしません。」

複数回の見直しを経て、6月15日に発表された最新要件(シルバークラス)は、最低US$150,000の定期預金を預けることに加えて、RM600,000以上の価格の物件を購入する必要がある。しかも購入したら10年間売却できない。

筆 者
筆 者

数日前に筆者が独白したものと全く同じ反応です。

ところで

サバ州独自のMM2Hについては、去る5月が受付開始との報道でしたが、実際には6月末まで遅れたようです。

新条件の発表が出て半月の6月末に、遅れていたサバ州独自のMM2Hが正式発表になったのをご存知でしょうか? こちらは連邦政府の張大臣とは違って、きちんとWebsiteを準備して条件の発表も公式な英語版で誰でも参照できるようになっています。(URLからサイトに飛べます)

https://sabahmm2h.sabahtourism.com/termsnconditions

既に実施されているサラワク州のMM2Hと合わせて、c n a は今回も一目で条件比較ができる秀逸なテーブルを作ってくれています。このテーブルを見れば一目瞭然です。

source : 05 Jul 2024 06:00AM  c n a  online  素晴らしい要約テーブルです。

筆者が見た3条件の比較ポイント

・定期預金は東マレーシアが断然有利(30円換算で450万円でOK)

・出身国での所得証明の金額も月額30万以下なので高いハードルではない

・サラワク州のMM2Hは50歳以上だったり、子供が就学する場合は不動産購入は無し!

・連邦政府とサバ州のMM2Hは、RM60万以上の不動産購入が条件

東マレーシアのMM2Hを取得する場合、1年間の累計滞在日数が30日を超えていれば、違法でない範囲でどこに居ても良いので、日本人は90日の滞在ルールを遵守すれば西マレーシアで旅行したり滞在したりする権利は残るはずです。
本日の記事のテーマは、東のMM2Hで半島マレーシアに滞在できるか?という命題です。

本日のところ、答えは「YES、出来る」です。ただし、注意点もあります。

東のMM2Hで半島マレーシアに滞在できる

具体的で情報の多い c n a の論説記事から段落ごとに要約しました。

MM2H利用者が東マレーシアへ

サラワク州の観光省は、2024年に独自のMM2Hプログラムに650人の応募者があると見込んでいますが、これは、2007年以降の平均148人の応募に対して、大幅な増加です。

そして、サバ州の観光省は、州独自のMM2Hプログラムに対して「多くの問い合わせ」を既に受け取っていると述べています。サバ州はこのプログラムを6月30日に開始したばかりで、西マレーシアのものより「柔軟性が高い」と主張。(Malay Mail の報道では、既に1000件の問い合わせがあるそうです)

連邦政府MM2Hプログラムの最新条件は、プトラジャヤ向きの申請者を増やすどころか、むしろサラワク州とサバ州のプログラムへの関心を強固にしたように見えます。

東西の政府間に微妙な不協和音

連邦政府の、観光・芸術・文化省(MOTAC)が6月初めにMM2Hの申請代理店に対してより厳格なライセンス要件を導入したことでサバ州は、「予定されたMM2Hプログラムの開始を混乱させた」として、連邦政府と公開論争を引き起こしています。

サバ州の観光局が、既に受付を開始している「独自の」MM2Hプログラムは、連邦政府筋のコメントとして、「まだ承認していない」というのです。

サラワクのMM2Hプログラムの潜在的な応募者や既存MM2Hの参加者は、(西側政府による)申請代理店への新しいライセンス要件の話を聞いて動揺しているようです。

つまり、西側政府の新条件がサラワク型MM2Hの条件に影響を与えるかどうかを心配しているわけです特にサラワクのプログラムに参加しているにもかかわらず、西マレーシアに住むことができるという「抜け穴」が政府内部で問題視されているようなのです。

サラワク型MM2Hの「抜け穴」は問題か?

さて、前述の米国のMM2H利用者ですが、彼はサラワクのMM2Hプログラムを申請することを考えているそうで、

曰く「少なくとも現在のところ、サラワク当局はMM2H利用者がサラワクで年間30日を過ごせば、西側のマレー半島に住んでいても問題視しないようです。これは合理的です」

つまり、彼はクアラルンプールに住むことを計画しているのです。

「リスクを受け入れるつもりです。もし状況が変わってクアラルンプールに住むことが困難になった場合、最悪の場合は米国に帰るだけです。」

しかし、ここには、懸念事項があります。

サラワクMM2Hの寛容な条件と半島マレーシアへの自由な旅行が歓迎されている一方で、将来サラワク政府または連邦政府がこの「抜け穴」を封じてしまうことを懸念する声が上がっているのです。

サラワク型MM2Hの最新の承認書には「西マレーシアに旅行することは許可されているが、西マレーシアに居住することは許可されていない」という条項が含まれているのです。

一方、MM2Hのエージェントや現在の利用者は、この条項が積極的に施行されていないとも言っていて、サラワクの観光・クリエイティブ産業・パフォーミングアーツ担当大臣自身もサラワク型MM2Hの参加者が本土で大半の時間を過ごすことに対して前向きな姿勢を示しているようです。c n a の書面の調査でも「サラワク型MM2Hの参加者はマレーシアのどこにでも住むことができ、サラワクで年間30日の最低滞在期間を満たすだけで良い」といった回答があったそうです。

例外的に禁止されているのは、西側での「就業」だけであり、仕事を市内で、半島マレーシアないで消費活動をすることに問題はないというのが東マレーシア政府の担当閣僚の認識のようです。

東側の政府担当曰く「もしサラワクのMM2H参加者でありながら、西マレーシアで働いている人が居る場合は別です。ここは調整が必要です」

そうであれば、連邦政府と東の州政府との不協和音とは何なんでしょう???

東マレーシアの利用者獲得戦略

サラワクMM2H代理店の関係者によれば、西マレーシアとサラワク型のプログラムは利用者のターゲットが異なるといいます。

「西マレーシアのMM2Hは私たちの競争相手ではない。デモグラフィックが違います。彼らは裕福な外国人をターゲットにしており、私たちは年金受給者や労働階級の退職者をターゲットにしています」

これらの退職者は、半島マレーシアに住みながらサラワクを体験したいと考える人々でもあり、発言した代理店のクライアントの80%は50歳以上。

現在サラワク型MM2Hの需要が高まり、月に3~4人の申請者がいる。これは、2022年当時のの月2~3人から増加しています。

西マレーシアの最新要件が発表された後もサラワク版への関心が強い理由として、連邦政府による「新たな調整が入る前」にサラワクでMM2HのVISA取得を急ぐ申請者が多いためだというのです。

過去の事例として、サラワク型MM2Hの条件が、2022年8月に突然変更され、最低年間滞在日数が15日から30日に引き上げられ、定期預金とオフショア収入の要件が課されたことは、プログラムの条件変化に対する申請者やホルダーの不安を引き起こしました。

ある代理店は、サラワク型MM2Hで退職者を州に引き付けることに成功して、2007年の開始以来、今年6月までに2,593人が承認されたとのこと。

ホルダーの多くは中国(373人)、次いでイギリス(342人)、台湾(258人)、香港(251人)、アメリカ(198人)、シンガポール(194人)だそうです。

州の担当大臣は、今後サラワクMM2Hの申請が増加し続け、2024年末までに650人の申請者に達することを期待しています。

筆 者
筆 者

要するに、「みんなで渡れば怖くない」危険信号のようなもののようですな。

c n a の論説の解読は、次回の投稿に続きます。話が長いので・・・(^^;)

内容豊富なCNAの報道

As West Malaysia woos wealthy foreigners for its MM2H residency visa, Sarawak and Sabah emerge as popular alternatives

05 Jul 2024 06:00AM  c n a  online

写真の家族は、おそらく、連邦政府の MM2H 申請を断念した米国人家族ではないかと思います。・・・・

記事の内容の前半部分は前述のセクションで解説しました。

サバ州でも確実な手応え

Sabah minister claims nearly a thousand inquiries for state’s MM2H already

By Julia Chan Thursday, 04 Jul 2024 7:09 PM MYT  Maiay Mail

サバ州は、4日前に開始された州独自のMM2H プログラムについて、既に約1000件の問い合わせを受けた。

サバ州観光文化環境省の劉靜芝大臣 (ダトゥク・クリスティナ・リウ) によると、プログラムへの関心は主に地域内から寄せられたが、外国からも問い合わせがあった模様。(Tourism, Culture and Environment Minister Datuk Christina Liew)

劉大臣曰く、「この担当に任命してくれたサバ州政府に感謝しております。反応は素晴らしく、東南アジア全域、米国国民からも問い合わせがありました」

「また、省の代表になりたい個人が多く、顧客は何百人にも上ります。全員が承認されるわけではありません」

大臣は、連邦観光芸術文化省 (MOTAC) の張慶信大臣に感謝していると述べつつMOTAC が以前、サバ州のMM2H計画への関与を否定していた事実に言及。

劉大臣と張慶信大臣は以前、MM2H代理店活動の停止をめぐって対立していた。

「今回のMM2H受付は、MOTACと協議することなく、一方的に州省(KePKAS)によって行われました。MOTACは、KePKASによるMM2Hプログラムに関して行われるすべての決定が、1992年観光産業法(第482号)に基づく法律と規制を遵守することを望んでいます」

劉大臣は、MOTACの関与や承認と関係なく、サバ州独自の外国居住プログラムを進めると述べている。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事には後半があります。こちらを参照ください。

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