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本日(10月18日)のブルームバーグの報道によれば、中国不動産開発大手碧桂園は、ドル建て債の利払いを期日通りに履行する公算が無さそうだと明らかにしました。初のデフォルト(債務不履行)に向かっていることを示唆したことになります。10月18日以降のデフォルト後の債権者との調整に注目していきます。
この記事は9月19日までに投稿してきました中国不動産大手「碧桂園」の経営危機に関する続報(その3)です。この話題の過去記事については以下から参照いただけます
8月30日 | ジョホールの巨大プロジェクト:光と影 |
9月01日 | 馬国の森林城市構想「崩壊」の危機 |
9月07日 9月19日 | 「碧桂園」と「森林城市」」続報 「碧桂園」と「森林城市」」続報2 |
筆者は、これまで緊迫する「碧桂園」の経営危機の動静を確認してきました。
ふり返ると、MM2H の近未来の一翼を担う、ジョホールの巨大都市開発投資の6割を握っている「碧桂園」の経営危機情報は、報道内容が「小出し」に流れてきているようです。
外貨建て債務支払えない可能性
今回も外貨建て債務です。10月10日のNHKの報道です。
中国の不動産最大手の「碧桂園」は、外貨建ての債務について期日までに支払えない可能性があるという見通しを明らかにしました。会社は今後、債権者との協議を進めるとしていますが、協議は難航が予想され、経営の先行きへの懸念が一段と強まっています。
「碧桂園」は、10日、一部の債券の元本、4億7000万香港ドル、日本円で89億円の支払いができていないことを明らかにしました。
さらに会社では、ドル建てを含むすべての外貨建ての債務について新たな資金調達が困難な状況だとして、期限までに支払えない可能性があるという見通しを示しました。
不動産市場の低迷の長期化で、業績や資金繰りの悪化が深刻になる中、債権者との協議は難航が予想され、経営の先行きへの懸念が一段と強まっています。
NHK NEWS WEB 2023.10.10
馬国の「森林城市」計画の先行き
現在のところ、碧桂園も、馬国パートナー側も、Forest City Project の続行を宣言したままで、首相の「経済特区」的な支援も得て、「堅調」だとされていますが、
不動産市場や中国経済に詳しい有識者の間では、
碧桂園が、マレーシアの巨大プロジェクトを第三者に売り渡す可能性
を示唆しはじめています。その場合、どの企業なり共同外がこのプロジェクトを引き継ぐのかが注目することになります。何しろ超巨大事業ですので、簡単な話ではありません。
Forest City Development Project 概要
プロジェクト | Forest City(森林城市)Development Project |
総事業規模 | 1000億ドル(約14兆円) |
建設国・場所 | マレーシア、ジョホール州西南の埋め立て地 |
埋立て面積 | 1800 – 2000 he (20km2) |
建設期間 | 約18年 |
受け入れ世帯 | 70万世帯 |
完了予定 | 2035年 |
碧桂園は、自社の債務について、その全貌を網羅的に説明してきていません。記者会見も実施されていませんので、これまでの情報は全てロイターなどの報道機関が独自に情報源を折って、匿名で情報をえたものが公開されてきています。今後どのような債権債務が報道されるか、非常に不透明なままです。
ブルームバーグも碧桂園債務返済リスクを報道
ブルームバーグの報道によれば、碧桂園のオフショア債発行残高は110億米ドル(約1兆6300億円)に上る。先月、ドル建て債2本の利払いを当初の期限までに履行できず、猶予期間はそれぞれ10月17-18日、今月27日に期限切れとなる。
(ブルームバーグ): 中国不動産開発大手の碧桂園は10日、ドル建て債を含めたオフショア債務について、期限までに、または猶予期間内に支払い義務の全てに応じることはできない見通しだと発表した。同社初のデフォルト(債務不履行)につながる恐れがあるとの警告を強めるとともに、財務アドバイザーらを起用。同社が債務再編に向かっていることを最も強く示唆する形となった。実際に再編となれば、中国で最大級となる。
碧桂園は上場先の香港取引所への届け出で、「不払いとなった場合、当グループの債権者による関連債務の早期返済要求や強制措置の追求につながる恐れがある」と説明した。
中国の不動産債務危機の象徴となった同社は、「特定の負債下で」期限が到来した元本残高4億7000万香港ドル(約89億円)相当の支払いができていないことも明らかにした。
碧桂園は先月、ドル建て債2本の利払いを当初の期限までに履行できず、猶予期間はそれぞれ10月17-18日、今月27日に終了する。ブルームバーグの集計データによれば、同社のオフショア債発行残高は110億米ドル(約1兆6300億円)に上る。
Yahoo ニュース(10月10日)
碧桂園は包括的な解決策を策定するため、中国国際金融(CICC)香港証券とフーリハン・ローキー(チャイナ)を共同財務アドバイザーに、シドリーオースティンを法務アドバイザーにそれぞれ起用すると公表したとの報道です。
この記事の1週間後に次の展開が報道されることになると予想できます。
フォレスト・シティーのゴーストタウン化は決定的
日本の業界紙が「森林城市」のゴースト化に注目し始めています。
本日(2023年10月12日)アップされている「ダイヤモンドオンライン」のレポート
中国不動産バブル崩壊の余波「15兆円投資計画→ゴーストタウン」潜入ルポ【写真多数】
を参照ください。件の都市開発は明らかに荒廃しており、当地の不動産価格も半値にまで下落傾向であることが報告されています。
馬国政府筋のプロパガンダで、都市計画が堅調だというネット情報もあったのですが、日本の産業界で権威ある業界誌が報じている内容は決定的なゴーストタウンです。