【番外】自分を磨いて「オーラポイント」を稼ぐ

番外編

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この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。

数十年前、筆者、若かりし頃の流行と言えば、雑誌や新聞で見る占星術や四柱推命のような「占い」文化で、その日やその週の人生は、自分の生年月日で決まっていたものです。

人に診てもらうという意味では、街角に座っていた占い師に手相を診てもらう程度だったように思えます。(今思えばその的中率はそれなりの占い師もいました)

世の中にネットが登場して、占い関連がネットに溢れてくると、若者はあまり興味を示さずに、ひたすら世の中に絶望して離れてしまう傾向にあるようで心配ではありますが、

ここにまた、ソーシャルメディア文化の新種の自己啓発システムと言える潮流が生まれています。

これも、しかし、一般的な風潮や風評が根拠になりすぎると、利用者が帰って自信を失う結果になりはしないかと心配になります。

筆 者
筆 者

かくいう、筆者は還暦を過ぎてから、人から受ける評価には全く関心がなくなりましたので、オーラポイントは辞退いたします。悪しからず。

 クールな人のオーラポイントは高い

How cool are you? TikTok’s ‘aura points’ trend has the answer

Wednesday, 21 Aug 2024 9:00 PM MYT malay mail

日常生活というものは、時として恥ずかしい失敗や、後悔して取り消したいと思うようなことを「やらかして」しまうことがある。

こういう失態は必ずしも私たちの本質ではない。しかし、最近の若者のトレンドによれば、「オーラポイント」を失う原因になっている可能性がある。したがって、自分の一挙手一投足に注意することが求められる。TikTokによると、それが「カッコよさ」に影響を与えるかもしれないからだ。

夜中に元恋人にメッセージを送ったりすると、マイナス1000オーラポイント。逆に、誰かの買い物を手伝ったら、プラスの 1000オーラポイント獲得だ。

このように、オーラやカリスマ性をポイントで評価することが可能になった。善行を行うとポイントが加算され、一方で過ちを犯すとポイントが減少する。スコアが高ければ高いほど、カリスマ性が高いと見なされる。

この概念はTikTokユーザーによって広められ、最近ソーシャルネットワークで爆発的に拡散されている。ウォール・ストリート・ジャーナルの報告によれば、「#aurapoints」というハッシュタグが付いた投稿は5月から6月にかけて378%増加した。

「オーラ」という概念の起源は、スピリチュアル的なものだ。オーラは、人から発せられる目に見えないエネルギーフィールドで、人によって異なる色の輪として認識され、その人の感情、精神、そして霊的な状態を映しているとされる。この概念が最近になって、インターネットユーザーによって「カッコよさ」の指標に(遊び心を持って)転用されているのだ。

2020年のニューヨーク・タイムズの記事では、リバプールのサッカー選手について、オーラという言葉が目立って使われた。選手が繰り返しミスを犯しても、その「オーラ」が批判から守っているように見えたのだ。この概念はすぐにネット上で取り上げられ、もちろんユーモアを交えて発展していった話だ。

TikTokでは、Z世代がオーラポイントの増減に関する無数のエピソードを共有している。一般的に、冷静でクール( nonchalant ) な行動や自信に満ちた行動がポイントを稼ぐ要素とされる。

当然ながら、このポイントシステムは真剣に考えられているものではない。例えば、レストランのドアを開けられなかったり、公共の場でつまずいたりすると1000ポイントを失うことになる。一方、椅子に座ったままボーリングでストライクを取ると、10,000ポイントを獲得できる。この場合は、その人の自信に満ちたカリスマ性が評価されるのだ。

時には、SNSユーザーが特定の行動で失ったオーラポイントを他人に評価してもらうこともある。あるユーザーは、元恋人の気を引くために髪を金髪に染めたことで何ポイントを失ったかを尋ね、そのコメント欄では恋愛のためにどこまで自分を犠牲にするかついて活発な議論が展開される。

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占星術への関心を暗示している

哲学者であり、Philosophers’ Magazineの共同創設者であるジュリアン・バジーニによれば、このトレンドはZ世代が占星術や他の宇宙的な信念体系に興味を持っていることを反映しているという。(Julian Baggini, philosopher and co-founder of Philosophers’ Magazine)

「今、カルマやエネルギーに関する一種の時代精神があり、彼らはそれをオーラという言葉で表現している」とバジーニはガーディアンの記事で語っている。「これは皮肉な言い方であり、また風変わりな現代の名誉規範のようなものでもある。」(“There is this kind of zeitgeist surrounding karma and energy right now, which is why they phrase it in terms of aura,”)(“It’s tongue-in-cheek, and it also seems to be a sort of weird contemporary honor code.”)

実際、占星術のサインや恋愛相性に関連したトレンドは、近年ソーシャルネットワーク上で増加している。ノートルダム大学の哲学准教授であるポール・ブラスコもまた、ガーディアンの記事で、オーラポイントを一種の道徳的クレジット (a form of moral credit) と見なしている。(Paul Blaschko, assistant professor of philosophy at the University of Notre Dame)

彼によれば、善行は将来の悪い決断を相殺する可能性がある(前述のカルマ思想)という。「これらの概念は、個人のステータスを話題にする一種のスタイルであり、ゲーム感覚の取り決めで人の行動を評価したり、コメント欄で批評を求めるものだ」

自己認識を深め、自己評価を高めようとしているティーンエイジャーや若い成人は、知性、カリスマ性、魅力といった点で自分の価値を測る方法を常に探しているのだ。

しかし、他人の評価を気にしなくなる時期が必ずやって来る。その時、Z世代は何ポイントのオーラポイントを獲得するのだろうか。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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