本日のアイキャッチ画像は、筆者が1996年頃初めて出張したクアラルンプール市の脇道の典型的な風景と同じ雰囲気。写真はイメージ画像です。 Photo by envato elements (all rights reserved).
この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。
本日もマレーシアの全国紙は、国民から最も注目されそうな内容を厳選してオンライン報道しています。
筆者も読者の一人として、オンライン報道は、毎日参照しています。
特にMM2Hの利用者として知っておきたい内容や、マレーシアの友人との日常会話で話題にしたい内容があれば、読者の皆さんに即時ご紹介しています。
前回の記事はこちら
数日前に、ジョホールの中部地区で、交番が襲撃されて、現職の警官が2名殉職するという事件が発生。犯人はその場で射殺されています。この事件については、ここ数日の全国紙の一面で報道されています。
一時はテロ組織の計画的犯行という噂もあったようですが、警察当局は、テロ組織との関連性を否定しており、射殺された犯人の単独行動として記録されることになろうかと思われます。
本日は、上記の痛ましい事件は触らずに、別途、馬国民の注目を奪った次の3つの話題を紹介します。
- イスラム教徒にとっては重要な季節、今年もメッカ巡礼が始まりました。巡礼に出かけるムスリムには高齢者と初めての海外巡礼の経験者も含まれており、迷子やトラブルを回避するために関係者が四苦八苦しています。
- 産業界の話題としては、2024年の第一四半期のマレーシアの好況を背景に、この国の自動車販売台数が増えたため、マレーシアは、タイ王国を追い抜いて東安アジア第2の自動車需要国になったようです。
- 最後は、クアラルンプールにまだ数多く残っている樹木の話。今月になって、相次いてKL市内の要所にあった大木が突然倒れてきて、スルタン・イスマイル通りでは死亡者まで出ています。今後の樹木管理対策で政治家と専門家が議論していています。
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メッカ巡礼者の苦情 第1位
Lost lanyards, ID bracelets make up highest number of complaints among haj pilgrims
By Husain Jahit – May 18, 2024 New Straits Times online
以下は、記事の要約・解説です。記事の直訳内容ではないです。
初めてイスラムの聖地メッカを訪れる巡礼者、特に高齢者は、長年の積立金を使ってようやく初めての巡礼に出かける信徒も多い。
積立金の管理だけでなく、メッカへの移動や、聖地での巡礼の旅のガイドを取りまとめているのは、KLにあるワイングラスのようなビルにある宗教系組織、Lembaga Tabung Haji’s (TH) です。
筆者はこのビルから歩いて5分程度のコンドミニアムに20年住んでいましたが、このビルと組織が話題に出るのは、メッカ巡礼の話になった場合だけです。それ以外にこのビルに関する情報は全く耳には入ってきません。
そのTHは、今まさに一番忙しい季節を迎えています。なにしろ、初めて海外旅行をするような高齢者が沢山参加するメッカ巡礼です。
ただでさえ、聖地の巡礼中に信徒の巨大な列の中で倒れて命を落とす巡礼者がいるほどのリスクの高い巡礼活動です。信者も命懸けであり、関係者の緊張度も最高潮です。
今年の巡礼ツアーで、ひときわ問題になっているのが、ストラップや識別ブレスレットの紛失。
ものすごい人数がカーバ神殿に向かって集中するので、サウジ側もマレーシアの関係者も巡礼者の所在をモニターすることにものすごく神経を使っています。
TH組織からも、サウジのメッカ周辺の要所には多くの関係者や調整役が出張していて、巡礼者の動きを逐一モニターしています。そのための道具が、巡礼者に渡されているブレスレット形式のID(英語では lanyards )そして識別番号が打ち込まれたブレスレットです。
これらの道具が信者の体から離れてしまうと、GPSを使った人の動きが見えなくなります。見えなくなったら大変です。すぐに捜索して本人を捕まえないと、無数の巡礼者の渦に飲み込まれて行方不明になります。
TH本部曰く、「全ての巡礼者に対し、ストラップやバッジ、ハッジブレスレットなどの識別情報をできるだけ注意深く管理するようにアドバイスしています。なぜなら、聖地ではこれらが身分証明書や重要な書類の代わりとなるからです」
THパトロールチームが24時間体制でメッカのグランド・モスク周辺の8か所の「チェックポイント」または要所要所でマレーシア巡礼者を支援し、安全を確保するために勤務しsているわけです。
迷子の巡礼者に関するすべての苦情や情報はホットラインの電話番号を公開していて、そこで共有できる体制になっているそうです。
馬国は東南アジア第2の自動車市場
Malaysia overtakes Thailand as South-East Asia’s second-biggest auto market
Saturday, 18 May 2024 The Star Onine
記事の主要部分を要約しました。
日本のNikkei Asiaオンラインが報じたところによると、マレーシアは(タイを抜いて)、インドネシアに次ぐ東南アジア第2の自動車市場となった。アジア地域では大きな変化。
フィリピンとベトナムに加え、これら3カ国の業界団体が発表した販売データを集計した結果、長い間3位だったマレーシアの販売台数が、2024年1月から3月までの3四半期連続でタイを上回った。
マレーシア自動車協会によると、2024年第1四半期の自動車販売は前年同期比5%増の202,245台。それもそのはず、去る、2023年には11%増の799,731台という記録的な販売台数を達成している。
政府の経済刺激策の一環として、国内生産車に対する消費税免除が追い風となり、国産車ブランドの Per O Dua と Proton が市場シェアの約60%を占めている。
フィリピンの販売台数は第1四半期に13%増加し、5カ国の中で最も高い増加率を記録。これは2023年末にインフレが約4%に緩和され、消費者支出が堅調に推移したため。
タイの自動車販売は低迷している。長い間第2位の地位を保っていたが、第1四半期の販売台数は前年同期比で25%も減少した。
度重なる倒木問題で有識者の議論沸騰
Falling trees in KL: Why does this keep happening and what can be done to prevent accidents and losses?
Sunday, 19 May 2024 7:00 AM malay mail
非常に長いオンライン記事の要約です。
2024年5月初め、KL中心部のスルタン・イスマイル通りのコンコルド・ホテルの目の前で大木が倒れ、47歳の男性が亡くなった。2人が負傷し、複数の車両が損傷し、モノレールの線路が一時遮断された。(復旧済み)
その後一週間も経たないうちに、ジャラン・ピナンのメナラ・プレスティージュの前で別の木が倒れた。この事故では、マラッカ州首相を護衛する警察パトロールカーが被害を受ている。
複数の専門家がMalay Mailに語ったところによると、最近相次いで発生している倒木事故は、無制限な都市開発の結果であるという。
樹木医のハザンディ・アブドゥル・ハミド教授は、急激な気候変動によって環境が悪化しており、成熟した古い大木に影響を与えているとしている。
UPMの森林科学・生物多様性学部の学部長:ハザンディ教授は、インフラの開発や建設活動などの環境圧力が、これらの木々の倒壊リスクを高めているとした。曰く、若くて小さい木よりも、ストレスや損傷に対して脆弱な「成熟木」が問題。町中で成熟木が倒れるか倒壊する事例が目立って増加している。都市部に植えられた木の多くが外国種であり、国内原産ではないことも一因だという。
住宅・地方政府大臣は、国立景観局がクアラルンプールの道路沿いに再植する適切な植物種を特定すると発表。連邦直轄地大臣も、DBKL(クアラルンプール市庁)が市内の高リスクな木を伐採し、今回の事故を受けて古いまたは高リスクな木に関する新しいガイドラインを策定するよう指示した。
その後、アンワル首相は、クアラルンプール市長に、市内で伐採される木1本につき100本の木を植えるよう命じ、有識者は、より頻繁に点検とリスク管理を行うべきだとしている。
UPMの樹木医であるスリサラン・マルサベラン氏は、伐採は最後の手段とすべきであり、雨天時に木が倒れるのを防ぐために木の冠や枝の重さを減らすことを提唱している。
連邦直轄地大臣は、NGO、樹木医、およびマレーシア森林研究所の専門家など関係者を含む、首都の影樹を監視および維持するためのタスクフォースを設立するようDBKLに指示している。
KL市内に20年住んだ、住民体験者として言わせてもらえば、1996年に筆者がKLに初めて着任したころ、市内には樹木が溢れていて、その雰囲気は素晴らしかった。2018年頃にKLから日本に戻ることには、KL市内の樹木は恐らく半分になっていたと思います。
つまりDBKLは、市内の樹木を切りまくっているのです。これ以上の伐採を命じられても手が足りないと思います。
最後まで参照していただいて、ありがとうございます。
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