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この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。
去る6月16日に、全国紙のオンライン報道を紹介する形で、最新条件の概要や、MM2H受付開始を紹介しました。
それ以降、数日の間、マレーシア情報通の皆さんのブログ更新、X(旧ツイッター)、馬国全国紙のフォローアップ記事を参照させていただくうちに、いくつかの不可解な事象が浮き彫りになってきました。
利用者からみた不可解な部分をここで記録して、新事実が明らかになるたびに、更新情報として投稿してゆくことといたします。
新たな申請受付がスタートしたのは朗報ですが、まだわからないことが多いですね
MM2H 8つの疑問
筆者が知る限り、以下の8件の疑問は、どの利用者も共通して感じているはずです。
公式発表は大臣個人のFBだけ?
ここ数日、マスコミに出ている新たな情報や疑問の全ての発信源は
- (1)全国紙が担当大臣の張慶信氏から口頭聴取した内容、および
- (2)張大臣個人の Facebook (FB) に掲載の情報
の2つだけであり、馬国省庁のウェブサイトや政府観光局の公示などの公文書としての発表は一つもありません。もちろん総務省や移民局からも新情報の公示はありません。
申請者の最低年齢や、永住権に関する変更などの重要な更新があるにもかかわらず、大臣個人のSNS以外に何も公文書が無いというのは、不思議です。
担当している観光・芸術・文化省の担当部門は、何をしているのでしょうか?
今年に入ってから、大臣と担当部門のDirector General の確執のような新聞記事が出ていて、DGは左遷されたようです。担当部門と大臣との意思疎通がうまく行っていないのでしょうか? ちょっと心配です。
しかし、少なくとも、この国の担当大臣が Facebook (略してFB) とは言え、文章で公開したのですから、これが誤報だという根拠はありません。公文書ないしは、MM2Hの広報サイトでの開示は時間がかかっていると考えるしかありません。
ある意味、正式発表の準備でずるずると先延ばしになるよりは、大臣の個人SNSだけでも先行して情報開示がなされたのですから、これは感謝です!
公式サイトに条件が掲載されていない
前述の通り。担当省庁やマレーシア政府観光局の公式サイトに、公示されるのを待ちましょう。
子女の教育で指定された教育機関
筆者がMM2Hを利用した時点では、利用する統治者のマルチ・エントリーは許可されましたが、子供の滞在許可である Studen Pass は、全く別扱いで、MM2Hのサポートはありませんでした。
今年に入って、子女の滞在もMM2Hで認可されたので、当然ながら Student Pass という屋上屋になるようなビザ申請は不要になったと理解していました。
ところが、今回、教育機関については指定された高等教育機関に限るといった条件が Facebook の条件説明に記載されていて困惑しています。
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本日全国報道でも、指定校以外は対象外であるような記事があります。(下記参照)
どのように解釈すれば良いのでしょうか?
指定された高等教育期間以外の場合は、別途 Studen Pass を取れというのでしょうか?その場合は、MM2Hの Multi Entry Pass がもらえないのでしょうか?
もう少し明らかにして欲しいです。
投資活動の許可はプラチナグループだけ?
マレーシア国内の商業/投資活動および就労について、今回の大臣のFBによると、プラチナグループは「可」だが、その他のグループは “✖️”印になっています。
MM2Hの利用者は、馬国内で投資する可能性のある利用者を誘致するものです。ゴールドやシルバーの利用者も、投資活動の可能性は十分あるのです。それが「不可」ですか?
何かの間違いではないでしょうか?
もちろん、就労については、当初からMM2H利用者は対象になりませんから、就労は不可で良いのですが、投資までできないというのは不可解です。
余談ながら、プラチナを利用する大金持ちがマレーシア国内で「就労」するというのも、何かピンと来ません。百万米ドルの定期預金ができる富裕層が、マレーシアの企業の社員になったり、メガモールの店員になるとは思えません。
5年毎の更新が必要
プラチナ、ゴールド、シルバーの各ステータスのMM2H有効期限は、20年、15年、5年で差別化されてますから、それは結構ですが、それとは別に「5年毎の更新が必要」というのはどういう意味でしょうか?
パスポートの有効期限と連動して適宜更新すれば良いのでは無いでしょうか?
年間90日縛りの証明方法
1年間の馬国滞在期間が累積で90日縛りになりました。ごく最近まで、この縛りは、60日でしたから、これは大きな変化です。要するに、1年の4分の1は馬国に滞在しなければならないということです。
疑問1:これまでの条件は、家族の滞在日数を合算したものでしたが、今回の90日も同じ扱い(つまり、家族全員の滞在期間の合計が90日以上であればOK)なのか?
疑問2:滞在日数は、何らかの書式で報告するのですか?あるいは、パスポートの実績が当局に登録されているので、常にモニターされるということでしょうか?
何となく、後者のように思えますが、条件を満たさないと判明したらどうなるのでしょうか?移民局がチェックするのでしょうか?チェックしきれるのでしょうか?
認可後の健康診断の義務
MM2Hは従前から健康診断書の提出が義務付けられていました。それ以外にさらに、馬国内で検診を受けるということになります。
有料なのでしょうか?その辺り漠然としてます。
出身国での収入証明の要否が不明
この件は、今回の大臣の発表にも全く含まれていません。2021年バージョンのMM2H申請条件の中で最も大きな障害の一つだった、本国での年収証明。その金額も月額100万円以上という空前の条件はどうなるのでしょうか?
おそらくは、非常に多くの利用者がこのことを聞きたいはずです。
今回発表されていないということは、「年収証明は不要」ということなのでしょうか?
別途、義務化されている「無犯罪証明」(日本でいう「軽犯罪証明」)の提出が廃止になったという話もありません。これは、逆に必要な条件に思えます。
無犯罪証明と年収証明の条件がどうなるのか?早く解明していただきたいですね。
MM2H 6つの新情報
ざっとまとめます。
申請はOSCを拠点とする
今後の申請は、更新も含めて全てプトラジャヤの one stop cener に統一されました。
当事者の年齢は25際以上
以前は30際だった最低年齢が、引き下げられて25際になりました。張大臣のFBだけが新情報の公式文章です。
プラチナ利用者の就労許可
あまりピンときませんが、プラチナグループの利用者は、マレーシアで就労が許されます。
employment pass との関連については説明がありません。
住宅購入の付帯条件(含:買い替え条件)
住宅購入についていくつかの「縛り」が新設されました。筆者としては、「必ず住宅を購入すること」という必須条件が存在しない限りあまり重い話では無いですが・・・
- 条件1:購入する住宅価格が最低でも60万RMであること
- 条件2:購入してから10年間は売却不可
- 条件3:より高額な物件への「買い替え」は10年以内でも許可される
いずれも今回の大臣のFBの情報です。
家族帯同と使用人の詳細
家族の帯同条件が細かく規定されています(大臣のFBが根拠です)
可携帯家族
配偶者(夫/妻)、子女(21歳以下)、子女(21歳から34歳までの西マレーシアで就学または就業)、障害を持つ子供(年齢制限なし)、父母(申請者の父母)
今回の大臣のFBの情報です。
永住権との紐付けは廃止
もとより、マレーシアの永住権をもらえる人は、単にMM2Hの利用者というレベルではありません。裕福だということよりも、馬国への貢献度が高く、地域社会から認知される名士でなければ無理です。
ですから、この件は、筆者は納得です。
中国語の記事の日本語訳
大臣がFBにアップした、インフォグラフィックと呼ばれるイメージデータと生成AIによる翻訳です。なぜ中国語だけの開示なのかについては、あえて触れないでおきます。
プラチナ | ゴールド | シルバー | |
定存条件 | 100万米ドル | 50万米ドル | 15万米ドル |
参加費 | RM200,000 | RM3,000 | RM1,000 |
限定住宅価値 | 200万RM以上 | 100万RM以上 | 60万RM以上 |
更新費用 | RM5,000 | RM3,000 | RM1,500 |
可携帯家族
配偶者(夫/妻)、子女(21歳以下)、子女(21歳から34歳までの西マレーシアで就学または就業)、障害を持つ子供(年齢制限なし)、父母(申請者の父母)
備考:申請成立後、定期金額の最大50%を引き出して、マレーシア内で住宅購入、教育、医療、および国内旅行に使用することが可能。
10年内の不動産売却はできないが、より価格の高い物件への買い替えは可能。不適格者は資格を取り消される。
- 外国人メイド: プラチナ=可、ゴールド=不可、シルバー=不可
- MM2H有効期間: プラチナ=20年、ゴールド=15年、シルバー=5年
- 馬国内の商業/投資活動および就労: プラチナのみ=可
- 更新費用*: プラチナ=RM5,000、ゴールド=RM3,000、シルバー=RM1,500
*注:認証更新費用には申請者の家族も含まれます。5年毎に更新が必要です。
MM2H計画のすべての各グループには永住権(PR)の資格は含まれません。
張大臣のFB投稿記事より「基本条件」のインフォグラフィック
共通条件
- A. マレーシアと外交関係を持つ国から来ること
- B. 25歳以上であること
- C. 初めての申請でも更新でも、すべてMM2Hワンストップセンターで処理する必要がある
- D. マレーシアで長期治療を受けることが許可される
- E. MM2H参加者の家族(子供)は、マレーシアの政府認定の高等教育機関(IPT)で学ぶことができる
- F. 1年以内にマレーシアに少なくとも90日間滞在すること(日数は累計)
- G. 資金の持ち込みとして定期預金は税務免除される
- H. MM2H参加者が亡くなった場合、その証明書は指定された近親者に譲渡できる
- I. 申請が成立した後、参加者とその家族は指定されたクリニック/病院で健康診断を受けなければならない。これは、すべての参加者が標準的なサービスと料金を受けることを保証するためのものである
張大臣のフォローアップ会見
Three-tier MM2H to be a permanent feature, says Tiong
Tuesday, 18 Jun 2024 The Star online
18日の会見です。特に目新しい情報だけ列記します。
- プラチナ・ゴールド・シルバーの3層カテゴリーシステムは永久的な特徴になる
- MM2H特別委員会という組織が存在(詳細不明)(MM2H Special Committee)
- MM2H申請者は購入後10年間は不動産を売却できない(高額物件への買い替えは可)
- MM2H参加者の子供は政府の初等学校や中等学校には入学できず、マレーシア政府が認定した高等教育機関で学び続けることができる
「今後数年間、このプログラムに変更はありません。今後MM2Hについての二転三転することは避けたい」と彼は6月18日(火)のインタビューで述べた。
最後まで参照いただき、ありがとうございます。
この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。