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日本の「オレオレ詐欺」の横行はたびたびメディアの注目を集めていて、悪質な事例は国外に拠点を設けた組織的犯罪組織の関与が報じられています。
マレーシアにおいては、オレオレではなく、国家権力を偽装した電話連絡で一般人を脅して大金を送金させる「偽装(なりすまし)犯罪」が報告されています。
2月12日(2024年)付けのThe Star Online の報道から実際の偽装犯罪の事例を紹介します。マレーシア在住の外国人もこういう詐欺電話に巻き込まれる可能性はゼロではないです。
報道された偽装詐欺の被害額は16万RM(約500万円)で、犯人は、偽造された調査書類を準備したり、政府関係者と警察官の2名が連携するなど、周到な準備をして被害者にアプローチしてきています。
将来、MM2H利用で長期滞在する外国人を狙う事例が出て来る可能性も否めません。可能性としては、Fixed Deposit が不正であるとか、Multi Entry Visaが不正に利用されているといった架空の嫌疑をかけてくるようなケースではないでしょうか?気を付けましょう。
偽装(なりすまし)詐欺の実例報道
2月12日付けの The Star online の報道を要約してご紹介します。
報道された詐欺犯罪は、イポー市の中央警察の発表内容です。被害者は45歳の女性。
容疑者は、去る1月5日にマレーシア保険省の職員を装ってタマン・タワス・ゲミラング在住の被害者に電話連絡。
被害者が、ペナン州に実在する病院から「規制されている薬物を不正に使用した」ことで摘発されているという筋書きでした。
被害者が即座にこれを否定したところ、容疑者は「ペナン州警察の臨時オフィスに電話を繋ぐ」と説明して、別の偽装犯が電話口に出たそうです。
その後、被害者本人の犯罪履歴が記載された手紙や、本物らしい逮捕状の提示を受けたそうです。
ここからは、マレーシア的なのですが、被害者は、指定する5つの銀行口座に合計16万8千RMを入金すれば解決できると告げられたようです。
被害者の通報により、この件は刑法420条による詐欺容疑で捜査中です。
詐欺犯が文章を被害者に見せる方法
被害者が犯人との一連の通話の中で文章の提示を受けたと報道されました。
恐らくは、次のような手順ではないかと思われます。
1. 犯人は被害者の電話番号を知っている。
2. 犯人が被害者のスマホにSNSで、犯人が運営するサイトのURLを送る
3. 被害者が(スマホ上で)URLにアクセスする
4. 偽造された文章がスマホの画面に表示される
偽装(なりすまし)詐欺電話への対処
The Star Online の記事には馬国の警察当局のアドバイスも掲載されていました。
- 執行機関職員を名乗る人物からの電話を受けても、パニックにならずに、相手の話に応答しないで、電話を切ること。
- 政府の執行機関同士で電話をつなぐことはできない。政府機関の業務は、オンラインではなく、機関の施設内で行われる。
- 他人の口座に入金することは絶対にしない。また、自分の口座番号や銀行情報は、絶対に開示しない。
参考 馬国で使われる専門用語
オンライン報道の記事を参考に、この手の犯罪に関わる専門用語を確認しておきましょう。
詐欺師・詐欺犯(複数) | scammers |
政府担当者を装う行為 | impersonating government officials |
保健省の職員になりすました詐欺犯 | a scammer impersonating a Health Ministry official |
電話による詐欺 | phone scam |
警察への通報 | lodge a police report |
逮捕状 | arrest warrant ( in one’s name ) |
刑法420条 | Section 420 of Penal Code |
電話詐欺集団 | phone scam syndicate(s) |
電話を切る | hang up |
政府執行機関 | enforcement agency/agencies |
偽装犯には言語の障壁が有効?
マレーシア滞在中に詐欺まがいの電話がかかってきた場合、我々日本人が最大活用できる武器は「言語の壁」です。
仮に相手の話を理解していても、「何を言っているかわからない」という態度で応答してしまうのは、ある意味で最大の防御です。
筆者の知り合いの会社員が、以前、他国の税関チェックで不当な額の金銭を要求されそうになった際、徹頭徹尾「イングリッシュ・ノー (English NO!) 」と繰り返し発して難を逃れたという話がありました。
詐欺師も、言葉が通じないのであればどうすることもできません。
MM2Hを申請する皆さんの場合、殆どの方は英語に自信があったり、かたことのマレー語を話す方ですから、相手が政府系の係員だとなると、どうしてもきちんと英語で対応してしまいがちです。
このあたりの判断は難しいです。
筆者の場合、20年の期間をとおして馬国に住んでいて「政府の係官」から電話を受けたことは一度もありません。
最後まで参照いただき、ありがとうございました。
本日採用した画像はすべてイメージ素材サイトのもので、報道されたOnline記事から転載したものではございません。
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