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このお話は、日本においては、ちょっと「今更感」があります。
金払いを伴う取引において、世界一の相互信頼関係を維持できている日本にとっては、暗号通貨の価値は今ひとつピンと来ないままです。
ビットコインでお金を貯めて・・・といっても、日本の税法では、暗号通貨の売買の結果の含み益については、とても高い税率が課せられていますから、暗号通貨で稼ぐという話は、相当のお金持ちが、高額納税を前提に暇つぶしに楽しむ程度にしか受け入れられていないとも思えます。
最近、マレーシアで上梓された、暗号通貨の著作が話題になっていましたので、ご紹介します。マレーシアは、IT立国ですから、電子の世界では、先進国に負けない知見と実力があります。
暗号通貨についてどういう見解があるのか探ってみましょう。
マレーシアはデジタル通貨の理解を深めよ
Learn to accept digital currencies as a viable alternative, says author
12 May 2024, 09:15 AM Free Malaysia Today
新刊:『マネーのデジタル変革 (The Digital Transformation of Money) 』の著者であるRedza Arbee氏は、(デジタル変革が)インフレに対抗しうる潜在的なリスク・ヘッジになると主張する。
Khazanah Nasional Bhd の元デジタル関連業務責任者であるRedza氏は、今、誰もがビットコインなどのデジタル通貨を法定通貨の代替手段として受け入れるべき時だという。
同氏は、デジタル通貨が、富の代替保管手段として評価され、インフレに対する潜在的なヘッジとして機能するというのだ。
ところでビットコインとは何だったか?
Redza氏によれば、ビットコインの主な優位点は、分散管理型の金融取引台帳の機能であり、取引の関係者全員によって総ての取引が認識され、記録・共有されることだ。
「(世界中の)ネットワークを共有するすべての人物のすべての取引が、例外なく、1つのリスト、1つの帳簿、1つの台帳に記録されるということです」
これにより、デジタル通貨とその価値は、(どこかの国の)権威者による意図的な取引操作や監視を受けるようなことが無いという。
ビットコインの価値が保全される仕組みは、今や2,100万ユニットにもなる強制希少性であり、誰もそれを複製・偽造できないという点であり、それが暗号通貨の価値の源泉となってる。
執筆時点では、ビットコイン(BTC)の実勢価値は1BTCあたり63,533米ドル(RM301,104)となっている。したがって、この通貨の取引のほとんど全ては1BTC以下の細かな単位で行われる。
専門家としての提案内容は?
Redza 氏は、ビットコインの完全な普及を提唱しているわけではないが、従来の紙幣や債券・株式などの代替手段として真剣に(戦略的に)検討されるべきだという。
「国、州、企業、または社会として、どんな場所に富を保管したいと考えていますか? 私は100%ビットコインにしろとは主張していない。そこまでの話では無いです。
「私が言っているのは、暗号通過の機能をよく理解すべきだということです。 その上で、短期的・長期的視野で何が得策か見極めれば良い。
「複数の選択肢と、それぞれのリスクを把握すべきなんです。全ての 物事にはリスクが付きまといます。 それをしっかり把握・意識した戦略を打つべきです。
Redza氏がビットコインを選択肢として提唱する際の「さじ加減」は何かといえば、それはビットコインが「インフレに対するリスクヘッジ」として価値がありそうだという(一部の有識者の)評価だ。
確かに、ビットコインは本質的に(世界共通価値なので)、(特定の国の経済の)インフレによって価値が希釈されることは無い。
しかし、(証券市場の専門家である)ナスダックの見解では、ビットコインの価値は、利用者市場の需給バランスに強い影響を受けるため、大きく乱高下する性質があると警告している。
さらに、ビットコインは、まだ発足してまも無い新しい取引手段であり、あらゆる経済的シナリオの中での挙動が完全にテストされているわけではない。特にインフレ期間中のその振る舞いがどうなるかは、ほとんど解明されていない。
負債を抱える大国の緊縮策は脅威
Redza氏は、現在の世界的なインフレの波、そして多くの主要な経済大国が直面している巨額の負債により、数年以内に「前例のないレベル」の緊縮経済に発展する可能性があると警告する。
この点、民衆と政策立案者がデジタル通貨の普及に追いつくことで、大きな利益を得るだろうとしている。
「皆が最新技術を理解する必要があります。そして、関係者が意識的に対話を始め、(緊縮経済やインフレの)対策を講じる必要があります」
緊縮経済による停滞は起きるのか?
直近の世界経済の動きに関するニュースを見ると、Redza氏の主張を支持しているようにも見える。
去年、ロイターは2023年第2四半期に世界の負債が313兆米ドルに達し、それは米国、日本、英国、フランスなどの先進国の負債ひ他ならないと報じている。
Statistaによると、負債額の規模は、2023年の世界のGDPである104.476兆米ドルの3倍に相当する。
名目的には、世界規模の緊縮策を必要とする条件が整っていることを示している。
世界銀行の研究によると、過去の経済危機では、米国や欧州などの主要経済圏は影響を受けにくい一方で、新興国および発展途上国が最も大きな打撃を受けているという。
国際通貨基金 (IMF) は、少なくとも100の国会が、債務の弁済のために、医療・教育・社会保護の分野の支出を削減する必要があると推定している。
富裕層と高齢者の協力が必須
Redza氏は、こういった緊縮策が富裕層にも貧困層と同程度の影響を与えることを指摘し、高齢者や富裕層が、ビットコインや他のデジタル通貨を「軽蔑している」ことに対して警鐘を鳴らす。
「富裕層は、ビットコインなどを見て、『ああ、それは若者向けのものだ、わからない、この技術は理解するのが難しい。一過性だ、それはポンジだ、それは詐欺ではないか?』と言いっています。」
Redza氏:「私が言っているのは、会計帳簿と取引帳簿の違いを理解すべきだというだけのこと。帳簿の話です。ただそれだけですよ」
筆者独白
不肖、筆者も5年ぐらい前に、100ドル以上のコース料金を払って、米国の暗号通貨のエキスパート講座の通信教育を受けて、暗号通貨のエキスパートの認証をもらった経験があります。実際のところ、この講座はブロックチェーン技術と運用のエキスパート講座でした。
筆者自身、この技術の勉強をして感じたことは
- 確かに技術的には優れている
- 国際間の取引には有効活用できそうだし、利点が多い
- 日本国内ではほとんど需要がないだろう
- 取引の当事者全員がブロックチェーンのルールにあらかじめ合意していないと意味が無い
- 貯蓄や利食いのための暗号通貨の利用は全く的外れで、何のメリットも感じない
ということで、よほど世界情勢が変化して、世界の一般市民の過半数が納得するまでは、暗号通貨には絶対に触れないことを決めています。
技術的には、大変興味深いものです。
最も詳しくて正確な教則本は、ブロックチェーン技能検定公式テキスト&問題集です。
但し、この技能検定はすでに消滅しています。理由は不明です。この本は、「趣味で」ブロックチェーンを完全に理解したい方に「おすすめ」です。筆者が購入したものについて、問題集の中に4〜5箇所のエラーがありましたが、内容は膨大なので許容範囲だと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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