【がちで起業】定食屋を計画してカラぶり 

自営業主

この記事は本編「がちで起業」の詳細記事(ぶら下がり記事)です。

小規模な自営業でも開業して2年ぐらい経過すると馬国内の同業者や協力会社が増えて視野が広がり、営業機会も増えてきます。

「石の上にも3年」です。

2003年頃、筆者も信頼できる自営業仲間が増えたことから儲け話のお誘いを受ける時期に来ていました。そして思わぬ失敗もしました。

工事現場周辺の定食屋は儲かる

筆者がOさん(仮名)と知り合ったのは1996年ですから、もう長い付き合いになります。

Oさんは馬国内で小規模な工事と機械製作の事業を続けていて、かつては筆者と同じで日本の企業に居ましたが、脱サラして現地化を果たした人でした。自営業としては筆者の大先輩です。

この人と筆者の「完璧と思えた」儲け話が失敗したのです。

クアラルンプル特別市(DBKL)の郊外に、ある種の環境系コンビナート(産業設備)を建設する計画がありました。建設場所はDBKLの中心部から車で1時間の場所で人口密度が低いさびれた地域です。

当時、この公共投資計画は非公開で、筆者が外国企業向けの現地支援サービスをしていた関係で落ちてきた情報だったのです。

この公共投資の件について筆者はOさんと情報共有していました。

筆者がOさんにこの話をしたのは、この未公開情報から「何か仕事になるアイデアを捻り出せないか」という課題を熟練のOさんと一緒に考えたかったからです。

Oさんから強く勧められたのは工事関係の下請け狙いではなく、「建設現場の近隣で定食屋を営む」という案でした。

どういうことかというと。

■ 工事が始まれば数億ドル規模の大工事になり、建設現場の近隣の就業人口が爆発的に増える。

🔳 ということは、局地的なバブル現象が起きる。

■ 需要があるかぎり、食事を提供する仕事は失敗が少ない。

ということでした。

確かに、筆者が脱サラ以前に経験した馬国の建設プロジェクトでは、現場近くの飲食店が繁盛していました。

建設工事の労働者や、マネジメント層の外国人が出入りするレストランのオーナーが数年で大儲けをしたのです。

Oさんのアイデアも全くこれと同じであり、馬国に沢山存在する同業と競争しなければ受注できない工事下請けを追いかけるより、はるかに確実だし「儲かる」という評価でした。

もちろん、筆者はこの話に飛びついて「定食屋」の商売にOさんと共同出資することにしました。

公共投資の計画がまだ住民に知らされていない段階でしたから、飲食業界において、筆者とOさん以外には全く競争相手がいなかったのです。

飲食業の開業と場所の確保

最近の馬国の法律によれば、外国人が飲食業を開業する場合、百万リンギット以上の資本金と馬国の政府当局の認可が必要です。

当時、現地に深く根を張っていたOさんは、すぐに馬国の飲食店の専門家をひっぱってきて、その人物の名義で数年間だけの有限会社を建てる準備をしてくれました。馬国の資本比率を多くしますので、許認可や資本金の制限の問題は無くなります。

事業オーナーは3人になりますが、馬国のパートナーは以下の主要業務を担う日本人チームの下請け的ポジションを条件として名義貸し契約をするわけです。

■ 公共投資のスケジュール等、情報提供は日本人の2名
■ 飲食店に外国客を連れて来る営業活動も日本人側の責任

馬国メンバーは名義貸しだけで利益が入ってくるので文句はありませんし別の仕事でOさんから利益率の高い下請け仕事を受注していたようです。

ということで、利益の取り合いでトラブルになる可能性は低く、事業期間も数年で終える約束でしたので、比較的リスクの低い段取りだと判断しました。

私たちは、工事現場近くのビルの一部を見つけて賃貸契約をしました。あとはその場所でどのような定食屋を準備するかきめて、人を雇うだけという状況でした。

思わぬ伏兵

数か月後に、KL市の公共投資の計画が発表されました。

この設備の技術は先進的なものでしたから、海外の技術を使うという前提があり、外国の建設業の参加も公表されました。

Oさんも馬国の飲食業パートナーも情報が本物だったということで、とても喜んでくれました。

ところが、ここに思わぬ「伏兵」が待っていました。

近隣住民の「反対運動」です。

馬国民が、環境系コンビナートの建設について反対運動を始めたのです。

当該設備が悪性の廃棄物を出すので、「我々の地域で建設をするな」という声が次第に大きくなり、地域住民のみならず、環境保護団体までが大声をあげて建設計画に反対し始めたのです。

当時、馬国在住10年以上のOさんにも全くの予想外の展開でした。普段大人しく生活しているように見える馬国民ですが、やるときはやるのです。(画像は最近の報道から copy しました。イメージです)

結果として、この場所での工事はキャンセルとなり。当初の場所よりもはるかに遠い場所が次の候補地となりました。

我々の投資計画は消滅するとともに、既に契約してしまった賃貸契約の違約金の負担だけが残りました。経験豊かなOさんもさすがにこの時は肩を落としていました。

個人事業の戦略として、確かに「他人が気づかないうちにチャンスをつかむ」考えは良いのかもしれませんが、事の成り行きを見極める前に先行投資をすると資金を無駄にすることになります。

筆者もOさんも次の建設予定地に定食屋を開業することはしませんでした。一度トラブルになったものは、また再発するからです。

それから3年もしないうちに、この環境設備の公共投資は全面キャンセルとなりました。

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