【がちで起業】現地工場モニタリングサービス(品質・製作管理)

自営業主

この投稿は、本編「がちで起業」の詳細記事(成功事例)です。

筆者が参入していた馬国の機器製作と品質管理のお話しです。

筆者の専門は、家電製品や電子機器よりもずっと大きくで複雑な機器の製作。

業界用語では「産業設備」、「産業機械」、「プラント機器」などと呼びます。

殆どの製品は特注品(注文毎に材質、仕様、寸法を指定したもの)

つまり、入念な「設計」を図面にしてから作るようなものです。

エンジニアド・アイテム (engineered item) なんて呼んだりしています。

身近な単語でいうと、ボイラー、熱交換器、球形タンク、変圧器、ポンプです。

建屋の中に納めるような産業機械もあります。

馬国の産業設備メーカー(工場)

馬国の機器製作業界の特徴は

■ あまり安くない(中国、インド、タイと比べると製作費は高い
■ 製作期間や納期(デリバリの約束)が不安定
■ 品質的には合格点だが要注意

といったところ。欧米と日本の技術が入って来ています。

それでも、多くの有名な産業設備メーカーが馬国に製造拠点を持っています

その理由は、たとえば

■ 安定した気候で住みやすい、外国文化に対して寛容
■ ハリウッド映画のロードショウがタイムリーに見れる
■ F1レースが見れる
■ ある程度治安が良い
■ ホテルが安く利用できて、インフラとネット環境がよくできている

といった「住みやすさ」ではないかと思います。

ポンプのような複雑な機器は外国のメーカーが馬国に技術供与して馬国内で製作している。

世界の多くの企業が「お客様第一主義」でなく「従業員第一主義」を考えている証拠。

そしてもう一つの大きな理由

それは馬国が「産油国」だということです。

産油国ならではの機械製作

ガソリン・灯油・潤滑油・石油化学製品、そして天然ガス由来のLNGを国内で精製していて、馬国需要の自給だけでなく、輸出しています。

重工業に投資していいて、エネルギー系の産業設備の建設需要もあるのです。

結果として

産業設備の国内供給についても充分な需要があり、馬国産業の保護のために海外からの輸入を制限。

中国やインドのように世界一安い値段であくせく働かなくても良いのです。

ひとつの産業設備を完成させるために、数多くの機械装置を特注して現地で組み立てている。

産油国ではない日本から見れば何とも羨ましい話

日本と馬国の文化の隙間を埋めるモニタリング

さて、筆者が手掛けた仕事に話をもどします。

モニタリングと言ってもテレビの「どっきりカメラ」ではないです。

日本の重工業系の企業はいろんな分野でアジアの産業設備の設計と建設を請け負っていますから、
馬国の産業設備の工場にもあれこれと特注機械の製作を注文しています。

これらの取引では「日本的期待感」と「馬国的常識」のギャップがトラブルを引き起こします

なにしろ

日本的に「当然」なことが馬国では「非常識」だったりしますので・・・

ここに筆者のような個人事業が参入できる(隙間を埋める)需要がありました。

どんな仕事かというと

1. 産業機械の図面が読めて、製作に詳しい馬国人や外国人(SV)を紹介※
2. 日本の発注元に工場モニタリングの手間を下請け
3. 発注元と現地の工場との意識や期待感のズレを調整

※ SVは「スーパーバイザー」の略で、ようするに監視役です

技術的な知見を持つ熟練でないと製作工場のSVは務まらない。そういう人財を探す。

製作に詳しいSVが定期的に(ときには毎日)工場に通って機器製作の現状を目で見て日本の発注元に仔細報告します。

最短でも1か月、普通は半年ぐらい、長い場合は1年以上の長期契約です。

ときには、発注元のエンジニアとこちら側とで入念に打ち合わせて工場側に技術的な指示を出して問題解決をします。

SVの作業をシステマチックに纏めた一連の作業や書類の作成を総称して「品質管理」。これは広義の「品質管理」ですから、工業製品を約束した期日どおりに作ることも「品質」の一部です。

別の記事で触れましたとおり、「約束と信頼」の考え方において日馬のギャップがありますから・・・

成功事例として

筆者の場合、日本の発注元のエンジニアの皆さまに喜んでもらえたサービスがあります。

それは

■ 過去に工場長をしていたような「熟練の」エンジニアや技術者を探す

■ 彼らをSVとして工場訪問してもらい、発注元に進捗や品質を報告してもらう

■ 時間単価で報酬をSVに払い、筆者は経費と若干の利益をいただく

という方法です。

馬国在住の外国人のエキスパートにSVを依頼する場合まりますが、その場合は就労ビザの取得が必要になるので、その部分の手間も請け負います。

幸いにも有る程度大きな工場の工場長をしていた人財が筆者と一緒に働いてくれましたのでこの手のモニタリング仕事は上手くいきました。

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