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日本で大流行りの「新党」ブームは、連立政権や政府与党への批判や失望感を背景に、様々なアイデアで国民に新党への支援を訴えています。
このブログでも詳しく解説済みの「立憲君主国家」マレーシアの政治も、まさに政党政治の典型であり、そこには、複数党の連立を背景とした代議士界の立法勢力の奪い合いが有ります。
そして、この国でも、やはり世襲制文化があり、代議士は政党経験や政治家の家族やスタッフから生まれているようです。
今回紹介するオンライン報道は、そのようなオーソドックスな政党政治に、日本の立花孝志や百田尚樹のように、世襲制でも連立嗜好でもない、ネット民主体ないしは、クラウド・ファンディング系のアイデアを持ち込む新党の紹介です。
同じ新党紹介でも、FMTの報道と、malay mail の報道には大きな違いが見られます。
一方は、影響力で国を操ろうとする政党政治を牽制する意味で、クラウド・ファンディング以外の資金援助を基盤としない「他民族」政党に期待する色彩のFMT。
もう一つは、ある程度保守的で、現実的な視点で、過分な期待は禁物だとする malay mail です。
どちらを先に読むかで、この新政党 Bersama の印象は 180度違ったりします。
連立しない新党の旗揚げ
New political party Bersama unveiled
Ameer Fakhri 10 Jun 2024, 11:30 PM Free Malaysia Today
![](https://one-digi-one.com/wp-content/uploads/2024/06/FMT_Bersama-800x600.png)
新しい政党、Bersatu Sasa Malaysia(Bersama)が結成され、実業家のダニアル・マルノカラン・アブドラがその党首に任命された。(entrepreneur Danial Marnokaran Abdullah named as its president)
ダニアル氏は新政党の発足式で、この政党が「国の政治エリートの現状に挑戦するため」に結成されたと述べた。
「現在、政治に関与しようとする者は、人物としての来歴・背景、影響力、財政的な支援者について尋ねられる。そして、ある程度影響力を持つ者だけが歓迎される」
「Bersama は、政治の最前線で人々に奉仕することに情熱を持つ人物であれば、誰にでも政党のプラットフォームを提供することを目指す。もはや世襲政治は不要だ。」
FMTは先週末の時点で新党を報じていた。若い専門家に支持される「多民族」政党が、マレーシア国民に「新鮮な声」を届けるという紹介内容だった。
On Friday, FMT reported that a multiracial party backed by young professionals would be introduced to offer Malaysians a “fresher voice.”
政治アナリストのアズミ・ハッサン氏は、新党が直面する課題を指摘し、国内の政治風土において、新党が単独で動くことの困難さを強調した。(Political analyst Azmi Hassan)
新党がいずれかの連立に参加するか、または新しい連立を形成するか?尋ねられたダニアル党首は、連立や同盟は党の現在の優先事項ではないという。
クラファン基盤の第3勢力
むしろ、新党は「第3勢力」として台頭し、チェック&バランスを提供しながら人々の声を反映させることを目指しているとしている。
新党首は、財政的支援の欠如を認めた上で、新党 Bersama が「人々から人々のための」政党であり、クラウドファンディングモデルに依存して党を支援する意向であるとしている。
原文:Acknowledging the lack of financial support, he said that Bersama is “from the people for the people” and intends to rely on a crowdfunding model to support the party.
曰く、「我々は、(この国の)人々以外、特定の連立や政党組織のために動くつもりは無いから」
ダニアル党首は、次の総選挙に候補者を出すことを視野に入れていると述べた。
新党の代表者と要綱に関する文書が社会登録官に提出され、現在、承認を待っていると話している。
原文:he added that documents on the party’s leadership and constitution had been submitted to the Registrar of Societies and were waiting for approval.
![](https://one-digi-one.com/wp-content/uploads/2024/06/partition_512-800x67.png)
Where did fledgling party Bersama come from and who’s behind it?
By Yiswaree Palansamy Tuesday, 11 Jun 2024 12:03 PM malay mail
![](https://one-digi-one.com/wp-content/uploads/2024/06/mail_Bersama-800x600.png)
Parti Bersatu Sasa Malaysia(Bersama)は、サバ州に本拠を持つ、まだあまり知られていない政党で、全国的な存在感を確立する野心を持ちながら、シャー・アラムで、ごく控えめな発足式を行っている。
約100人が参加した静かなイベントには、主に高齢者が集まり、主要な発表や政策プラットフォームは明らかにされず、党首ダニアル・マルノカラン・アブドラの「現状に挑戦したい」という曖昧な声明以外に、Bersamaの具体的な目標や理念は不明確だった。(party president Danial Marnokaran Abdullah’s vague statements about wanting to challenge the “status quo” of the present political scene)
鳴かず飛ばずの来歴
1994年にシュハイディン・ランカップによって野党として設立されたSetia(Parti Demokratik Setiahati Kuasa Rakyat Bersatu Sabah)という名前の党が起源だが、この党は注目を集められず、1995年から2022年までのサバ州選挙に何度も挑戦したが、一度も議席を獲れていない。
2011年に、党を再生させるためにParti Bersatu Rakyat Malaysia(Bersama)として再ブランド化し、今年はParti Bersatu Sasa Malaysia(Bersama)という名前を採用した。
再ブランド化の努力は、サバの政治舞台で長年にわたり泡沫的存在であった印象を払拭しようとする試みと思われる。
Bersamaの「Sasa」という言葉の意味についても疑問がある。ダニアル党首によれば、マレー語で「強い」という意味であり、よく鍛えられた身体を指すために使われるとのこと。
昨年10月に始まった内部改革前に党の事務総長を務めていたダニアルによれば、Bersamaは社会登録局(ROS)に合法的に登録されている団体であり、新しい党の要綱も提出してROSの承認を待っているという。(Registrar of Societies (ROS))
2020年以来、当時の党首であったナズリー・ロイに対する党員の不満が原因とされる内部再構築が必要とされた。そして、再ブランド化の一環として、党の運営拠点もクアラルンプールに移され、より大きな求心力を目指している。
ダニアル党首は昨年12月の緊急会議で党首に就任している。
不当たりの連続
党の指導部についての詳細はほとんど明らかにされていない。ダニアル自身も比較的無名であり、LinkedInによれば、米国のeコマース系のスタートアップ Mycliks IncのCEO、および別の米国企業 RD Energy Group LLCの CTO として記載されている(Malay Mailによる確認)だけである。
今年2月、ダニアルと彼の2人の兄弟M.ビジェンドランおよびM.タウェンドランは、暗号通貨への投資として合計560万RMの預金をライセンスなしに受け取ったとして、イポー地裁で起訴されている。(19件の容疑)
Star紙は、3人が2013年金融サービス法第137条第1項に基づく容疑について無罪を主張したと報じている。有罪となれば最大で10年の懲役、5000万リンギットの罰金、またはその両方が科される可能性がある。
党には目立った人物はいないようだが、Malay Mail の調査によると、15回目の総選挙(GE15)に立候補した元候補者が含まれているという。
例としては、GE15でセルンバン選挙区に無所属で立候補したイザット・レスリーが挙げられます。(Izzat Lesly, who previously contested as an independent candidate in the Seremban parliamentary seat during the 15th general election (GE15))
しかし、イザットの試みはわずか373票で終わり、選挙保証金を取り戻すのに必要な総投票数の8分の1すら達成できていない。
もう一人の例は、元セランゴール・アマナ青年党首のムハンマド・ファウジ・ハシム氏で、GE15でバンギ選挙区に独立候補として八つ巴の戦いに挑んでいる。(former Selangor Amanah Youth chief Muhammad Fauzi Hasim, who stood in Bangi during GE15 as an independent candidate in an eight-way race)
しかし、この候補者も401票しか得られなかった。
党の関係者によると、同様の候補者が他にも4名ほどいるとのことだが、その詳細は追って公表される予定だという。
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