今週のマレーシア国内情勢ですが、全国紙のトップで報じている内容の中に興味深い事実がありましたのでまとめてご紹介します。
かねてから馬国は欧米諸国に対して、時に厳しい姿勢を見せており、つい最近の米国のイスラエル寄りの外交通知にも断固として反発しているが、自国民のバイリンガル化(つまりマレー語プラス英語)については首相レベルで推し進めると明言している。
一方、警察官の行動規範については、規制面で厳しい統制を行っている一方、警察総監が年間200人近くの(警官の)薬物乱用を発表しなければならない状態にあります。日本では考えられない問題です。
英文のオリジナル記事は各項目ごとにリンクを貼ってありますが、リンク先で全文を参照できるのは記事の日付がある日時と翌日であり、その後はアーカイブされて、全体の参照は有料となる場合が多いです。但し見出し文字程度は長期間参照できるようです。
マレーシア国内で44件の「嘘の」爆弾テロ予告
The Star Thursday, 23 Nov 2023 以下の文章はオリジナル記事の訳文です。
マレーシア警察は、火曜日(11月21日)から木曜日(11月23日)午前8時までの間に、政府系、私立系、インターナショナルスクールを対象に、爆弾テロの脅迫メールを44件受け取ったと発表。
メールの送信者は「Taktstorer」で、キプロスから発信され、IP(インターネットプロトコル)アドレスはフィンランドだが、これらの発信元は頻繁に移動している模様。
警察総監によれば、「Googleメールを使用している学校の教育局に連絡を取り、脅威を特定した」と発表。また、総監は、警察当局が関係する学校敷地内でセキュリティの徹底を図っていることも明らかにし、「保護者、生徒、教師の安全が警察の最優先事項であることを保証する」と述べた。
同氏は、ジャマイカ、トリニダード・トバゴ、ドイツ、米国など、他の国でも爆弾テロの脅迫メールが送られていることを調査で確認しており、ジャマイカでは70件近くの偽装電話がかかってきたと述べ、FBI(米連邦捜査局)を含む関係国と協力して調査が進んでいる。
ペナン州の宗教系中学校の教師が、同校が電子メールで爆弾の脅迫を受けたとして木曜日午後1時55分に警察に届け出ているが、ペナン州警察署長は、宗教系中学校は火曜日にメールを受け取ったが、気付いたのはつい最近だったとベルナマ通信に語った。
「メールの内容によると、火曜日に別の相手に同様の情報を送ったものと同じ送信者」であるとしている。
ペラ州の警察署では、木曜日、特別支援学校校長が、身元不明の個人から電子メールで爆弾の脅迫を受けたとして報告を受けたと発表。
同地区の警察署長は木曜日発表した声明の中で、メールは11月21日に受信されたとした。
「『学校に爆弾が仕掛けられている』と書かれており、校内はパニックとなった」
捜査は進行中であり、臆測による風評が捜査の妨げにならないよう市民に呼びかけている。– Bernama
日本の学校にはメールが来ていないのでしょうか? 警察力が有る国には攻撃してこない?
アンワル首相:2024年度は馬国学生のバイリンガル化に重点
The Star Thursday, 23 Nov 2023 以下の文章はオリジナル記事の訳文です。
アンワル・イブラヒム首相は、来年の政府の主な取り組みとして、全国の教育の質の向上に重点を置くと述べた。
今後数年の間に予想される熟練労働者 (skilled workers) の需要増加に対応するためとしている。
「ご存知のように、中国浙江吉利控股集団とプロトンホールディングス社による都市プロジェクト( automotive city project ) が進行中であり、世界的に有名なドイツ企業も、今年の初めに、マレーシア向けに250億RMの投資を表明している。
「ドイツ企業の目標は、マレーシアをマイクロチップのバック・エンド製造業者からフロント・エンド製造業者に変革することだ。これにより、マレーシアは世界最先端のマイクロチップの生産者の一つになるだろう。
「今後予想される需要に対応するため、より多くの熟練労働者が必要となる。さもなくば、これらの企業は外国の専門家に頼らざるを得なくなる」
(木曜日(11月23日)夜、プトラジャヤで行われたマダニ政府1周年感謝式)
アンワル首相は、マレーシアでは英語とマレー語の両方の習得力向上、および技術職業教育訓練(technical and vocational education and training, TVET)に重点が置かれると述べた。
特に、学生がマレー語と英語の両方をマスターすることは、この目標達成にとって不可欠であると強調。「先進国は、国民が少なくとも2つの言語を学び、習得することを重要視しており、私たちも同じようにしなければならない。
「マレー語はマレーシアの誰もがマスターすべき第一言語であり、私立学校やインターナショナルスクールの生徒も対象となる。生徒がマレーシア人であれば、マレー語をマスターしなければならない」
首相は、彼の政府は、経済発展と国の権力濫用および腐敗の取り締まりの両方に、より厳格で透明なアプローチを採用することも表明した。
薬物乱用で196名の警官を検挙(2023年)
New Straits Times / Bernama November 23, 2023 以下の文章はオリジナル記事の訳文です。
マレーシア警察総監は、今年10月までの間に薬物乱用に関与したとして、警察官と一般職員の計196人を逮捕したと発表。
同期間に623人の警察官と一般職員が調査目的の停職処分を受け、156人が有罪判決を受けており、その後異議申し立てのために停職処分となった発表している。
今年1月から10月の間に、警察の専門部( Integrity and Standards Compliance Department )は5,413件の苦情を受け、そのうち4,497件は警察官からのもの。 総監は、このうち2,841件(52%)は不正行為に関する苦情だったとした。
「警察は、本部隊の名誉と威厳を損なう行為が判明した部隊員に対して、躊躇なく断固たる措置を取る」と述べた。
(チェラスの警察学院で行われた汚職撲滅活動の表彰式と、2023年インテグリティ月間に関連するRegulation 3Cの導入式)
総監は、各部署の責任者、指揮官、監督者に対し、監督下に置かれている警察官や一般職員をチェックおよびモニタリングすることで、それぞれの役割を果たすよう求めている。
アカウンタビリティ(説明責任)の原則に基づき、公務員(行動規範および規律)規則1993の規制3Cに従い、チェックとバランスのメカニズムとして監督とモニタリングが行われるべきとした。
しかし、「大多数の警察官と一般職員について」、総監は(常にさまざまな不正の告発にさらされてきたものの)高いレベルの品位を備えていると確信している。」と述べた。
参考情報 マレーシアの “Regulation 3C”
以下の情報はMicrosoftの自然言語AI Bard との会話により2023年11月24日に生成された文章についてい若ののある部分に筆者が加筆したものです。
マレーシアの警察当局が定めている Regulation 3C は、公務員(行動規範および規律)規則1993の第3章第C項に定められた、警察官の品位と規律に関する規則。
警察官の職務遂行に必要な品位と規律を維持し、警察官に対する国民の信頼を確保することを目的としている。
具体的な内容は、以下のとおり
- 警察官は、常に公正、公正、公平に職務を遂行しなければならない
- 警察官は、常に法令を遵守し、市民の権利と自由を尊重しなければならない
- 警察官は、常に品位と尊厳をもって行動しなければならない
- 警察官は、常に誠実、忠実、勤勉に職務を遂行しなければならない
- 警察官は、常に自己研鑽に努め、専門性を高めなければならない
Regulation 3C では、警察官に対する懲戒処分の基準も定められおり、違反した警察官は、警告、停職、免職などの懲戒処分を受ける。
例えば、以下の行為は Regulation 3C 違反に該当する。
- 職務上の義務を怠る。
- 職務上の権限を濫用する。
- 職務上の秘密を漏らす。
- 不正行為を行う。
- 品位を傷つける行為を行う。
Regulation 3C は、マレーシアの警察官の品位と規律を維持するために重要な役割を果たしています。
最後まで参照いただき、ありがとうございます。