【MM2H新聞】国会審議 Dewan Negara とは? 

MM2H

​​アイキャッチ画像は、Wipipediaに掲載されているマレーシア元老院の議場。

この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。

馬国の新聞記事を読むと、Dewan Negara とか Dewan Rakyat と言ったマレー語英語が頻繁に出てきます。それからこの国は国会議員のことをほぼ一律 “MP” (Member of Perliament) と読んでいます。

まずは以下のテーブルをご参照ください。

マレー語Dewan RakyatDewan Negara
英語House of Representative(lower house)Senate(upper house)
日本語マレーシア代議院マレーシア元老院
中国文馬來西亞下議院馬來西亞上議院
任期5年(または解散まで)3年
定員22270
選任単純小選挙区制度国王枠 (44) 州議会枠 (26)
日本語版・英語版・中文版 wikipedia より筆者が編纂

さらに詳しい話は、こちらを参照ください

マレー語のDewanは英語の hall (議事堂など)で、Rakyat は「人々」、Negara は「国家」を意味します。

以下に紹介する新聞記事は、元老院(つまり Dewan Negara, または Senate : Upper House)または上院議会が閉幕したことを淡々と報道し他ものです。内容はありません。

この記事が出たということは次のことを意味します。

  • 今回採決された法案は、全て下院議会( Dewan Rakyat )で採決済みの法案であること
  • 上院でも採決されたということは、あとはマレーシア国王の検閲が残っている
  • 国王のチェックが終われば、法律として公布されることになる

国王の検閲と承認が終わっていないのですが、国王が内容に深入りして、何かを改訂したり、法案を却下したりすることは、まず持ってありえません。

もちろん、66歳のイブラヒム国王閣下も、これまで長年にわたり馬国の政治を見てきていて、知見も広いので、法案の中身について、個人的なコメント意見は有って当然ですが、1800年代かそれ以前のような司法権を含む絶大な権力を持っていた時代は終わっていますので、

気になる法案については、国家での採択が終わる前に担当大臣か首相を呼んで、あれこれ質疑を持ったり意見したりしておくことはします。

例えば、2022年あたりにMM2Hの申請基準が厳しくなりすぎて、申請者が90%も減少した時期には、イブラヒム国王は、まだジョホール州のスルタンでしたが、それでも担当省の張慶信大臣を呼びつけて、「何とか利用者が増えるようにしてくれ」と依頼したことがあります。

国王になる直前にも、馬国の特権階級の汚職を許してはならないとして、自分が国王になった場合には、ペトロナスあたりのトップは必ず自分がコントロールすると言った発言をしておられました。(その後この話は、マハティール元首相が「干渉しすぎ」だとコメントしたりして立ち消えになってます)

マレーシア国王の法案審議には30日の期限があります。30日の審議期間に国王が法案に合意できない場合、法案は改定案のリストとともに国会に戻されます。その場合、国会側は、さらに30日の期限を持って法案を再検討して、検討結果を国王に再提出しなければなりません。(前述の通り、そういうことはまずありません)

新たな法案(あるいは改正案)が発行するのは、合意された法案が政府広報 (Government Gazette) に掲載された日です。詳しくはこちらで

元老院の閉幕

Dewan Negara concludes eight days of sitting with 27 bills passed

Thursday, 01 Aug 2024 9:33 PM MYT The Star online

Dewan Negara (元老院)は8日間にわたる審議を経て、27の法案を可決し、木曜日(8月1日)に会期を終了。

デワン・ネガラ議長のダトゥク・アワン・ビミ・アワン・アリ・バサが閉幕の辞を述べた。(Datuk Awang Bemee bin Awang Ali Basah)

議長は「非常に積極的な参加は称賛に値し、レスペクトすべき議会の信頼性を高めることに貢献している」と、第15議会の第3会(通常国会)第2会議の閉会の挨拶で述べた。

可決された法案は次の通りである。

刑法改正法案2024、刑事訴訟法改正法案2024、雇用保険制度改正法案2024、労働者社会保障改正法案2024、子供の証人の証言に関する証拠改正法案2024、児童に対する性的犯罪改正法案2024、証拠改正法案2024、宣誓と宣誓改正法案2024、治安犯罪(特別措置)改正法案2024、及び軍隊改正法案2024。

また、監査改正法案2024、仲裁改正法案2024、建設業支払いと裁定改正法案2024、関税改正法案2024、酒税改正法案2024、自由地域改正法案2024、売上税改正法案2024、及びサービス税改正法案2024、さらに医療改正法案2024、ビントゥル港湾局解散法案2024、ビントゥル地区内の地域を連邦港に指定する廃止法案2024、マレーシア民間航空局改正法案2024、及びマレーシア航空委員会解散法案2024も可決された。

さらに、個人データ保護改正法案2024、有限責任事業組合改正法案2024、薬物依存者(治療とリハビリ)改正法案2024、及びマレーシア国境管理保護庁法案2024も可決された。

会期中には、外務大臣からの動議が含まれ、パレスチナ人民との連帯を表明し、ハマス政治局長イスマイル・ハニヤの残虐な殺害を非難するマレーシアの立場が明確にされた。

また、新たな上院議員として元検事総長室の機密・公益事件部長であるダトゥク・サレフディン・サイディンが宣誓を行った。- ベルナマ

筆 者
筆 者

たった8日の会期でこれだけの法案をスピード可決したので驚かれた方もおられると思いますが、それもそのはず、この元老院というのは、両院制の中では権限も勢力も小さく、下院議会の決定事項を覆すような動きは取れない議会なのです。詳しくはこちらの記事から参照下さい。

元老院議長

Awang Bemee bin Awang Ali Basah(1959年6月22日サラワク州シブ)は、マレー系政治家。マレーシア大学法学士。

1996年から2011年までサラワク州のナンカ地区の州議会議員を務めていた。2024年7月にデワン・ネガラ議長に任命された。

最後まで参照いただき、ありがとうございます。

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日本の国会との相違点については、こちらの記事で解説してあります。

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