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この記事を準備中に、米国で遊説中のドナルド・トランプの暗殺未遂事件が発生したため、全てのメディアと動画サイトがこの件で大炎上しました。(日本時間2024年7月14日午前11時半)
この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。
過去1週間のマレーシアの複数の全国紙とシンガポールの c n a が揃って国民的問題として取り上げたのが、通称 ”Esha” と呼ばれた 30才のインド系マレーシア人女性への虐待と本人が自ら命を断った事件でした。
死亡した女性は、ソーシャルネット上で名前のあるインフルエンサーであり、活動家でもあったのですが、何故か TikTok 上で数人の人物による執拗ないじめに晒され、警察当局に被害届を出していました。
彼女は自宅のコンドミニアムで発見された際には、おそらくこの「いじめ」を苦に自害したものと報道されていますが、本人の遺書に当たるようなものがなく、関係者や警察は、既に提出されていた Police Report (被害届)を根拠に、「いじめ」が原因出会ったと断定しているものです。
彼女をTikTok上で攻撃した本人と思しき35才の女性(!)他1名(男)が被害者へのネット上の攻撃行為を根拠に逮捕されており、交流期間が延長される中で、取り調べ中ですが、報道機関は、拘束された容疑者については、ネット上のハンドルネームである Dulal Brothers and Alphaquinnsha という仮名」を公表しただけで、指名や民族情報を開示しています。
警察側も、犠牲者の自殺に繋がったと「思われる」数名の容疑者の指名や出生情報に関する情報公開にはとても慎重になります。
何故なら、義競者がインド系マレーシア人であることからして、馬国ではマイノリティーであることから、容疑者がインド系以外の出身であった場合に、民族間の衝突を誘発するおそれがあるからです。
もちろん、各報道局も、そのことには触れていません。民族間の不和を扇動するような報道や発言は馬国では厳禁であり、今年前半にも、イスラムを侮辱するような靴下を販売してしまった華人系のコンビニエンスストアが起訴されたり、火炎瓶を投げつけられたりで大騒ぎになりました。
政府側は、この事件を非常に重く見ていて、早急にソーシャルメディアの悪用に関する民法ないしは刑法の見直しを実施することになります。
既に、アンワル首相にも報告が上がっており、首相も法整備を急ぐ指示を出すことになると思います。
馬国の新聞記事用語
mulled | 求められている、切望されている |
Hindu rights activist | ヒンズー教の権利を主張する活動家 |
trolling | ネット上で嫌がらせをする |
perpetrator | (文脈により)加害者、犯人、実行犯 |
cyberbullying | ネット環境での「いじめ」行為 |
Malaysian Communication and Multimedia Commission (MCMC) | マレーシア通信・マルチメディア委員会 |
Attorney General’s Chambers (AGC) | 検察庁」または「司法長官室」 |
mulled は、新聞記事のタイトルに使われる単語ですが、日常会話には使われないタイプの動詞。trolling も通常は漁業のトロール船の漁を意味するものですが、ネット民の間では嫌がらせを意味するようです。
若き活動家の通報と自死
New rules mulled after activist’s death
ソーシャルメディアのインフルエンサーで女性活動家のラジェスワリ・アッパフさん(30歳、以下 “Rさん”)が、木曜日にレイプと殺害を予告されたと警察に通報した後、自宅(コンドミニアム)で死亡しているのが発見されました。
ヒンドゥー教の権利活動家でもあるRさんは、ダン・ワンギ警察署に通報した Police Report で、TikTokで彼女を追い回して嫌がらせをしているとされる個人2人を名指ししていました。
本紙 The Star が確認したところ、Rさんはソーシャルメディアのライブセッション中に個人から脅迫され、俗悪な言葉で中傷され、嫌がらせを受けたと主張しています。
メディアでは ”Esha” として知られるRさんは、攻撃してきた人物が彼女の写真を使用し、レイプして殺害する・怪我させるといった趣旨の複数の脅迫を行ったとしています。
Rさん曰く、「彼は自分をバックアップするギャングがいると言い、自分のフォロワーに脅迫するセッションのリンクを促しました。」
加害者個人による性的コメント・猥褻なコメントの他にも、セッションを見ていた多くの人々が彼女を虐待したとしています。
Rさんは、先月 Batu Caves の寺院で開催されたカンダ・シャスティ賛歌の大規模な朗読会の主催者の一人でした。(the organizers of the mass recital of the Kanda Shasti hymn at the Batu Caves Sri Subramaniar Swamy Temple held last month)
悲嘆にくれるRさんの父親、P.アッパフさん(62歳)は、「彼女は非常に強い人間だったんです。なぜこんなことが起こったのか理解できません」と語りました。
この事件を受けて
コミュニケーション大臣のファミ・ファズィル氏は、来週にも TikTok の代表者と会い、ソーシャルメディアプラットフォームのガバナンスについて議論すると発言。マレーシア通信・マルチメディア委員会(MCMC)や司法長官室(AGC)などの他の機関も出席すると述べました。
原文:Communications Minister Fahmi Fadzil said he will meet with TikTok representatives next week to discuss the governance of the social media platform.Other agencies such as the Malaysian Communication and Multimedia Commission (MCMC) and the Attorney General’s Chambers (AGC) will also be in attendance, he said.
「私たちは何度も何度も、こういったことが起こらないように投稿内容に気を付けるよう公衆に注意を促してきましたが、まだ不十分だったようです。
「ソーシャルメディアプラットフォームのガバナンスと管理に関して、彼らが “cyberbullying” (サイバー・ブリィング)の深刻さを認識していないことに対して、私は彼らに悲しみと怒りを表明しました。
Cyberbullying(サイバー・ブリィング)はネット環境を示す cyber と虐待や「いじめ」を意味する bullying を繋げた現代用語です。
「私たちがソーシャルメディアプラットフォームの管理を精査する必要がある理由の一つです。
ファミ大臣は、「まだほんぎまりではありませんが、数日以内にMCMC、TikTok、AGC、その他の関係者との会議を招集し、報告内容に基づいて詳細に議論します」と報道記者に語りました。
また、大臣は、活動家に関するニュースの受け取りとして、ご本人への哀悼の意を表明し、政府が犯人を裁くために尽力していると答えました。
「我々が望んでいること(本質的な解決)は、(ソーシャルメディアの)システムの変革です。なぜなら、cyberbullying(サイバー・ブリィング)によって苦しんでいる人々がどれだけいるのかわからないからです」
デジタル大臣のゴビンド・シン・デオ氏は、オンライン攻撃や虐待に関する通報が最近増加していると表明。(Digital Minister Gobind Singh Deo said reports involving online attacks and abuse have increased of late)
「政府はこれらの通報を重く見ています。このような事件を防止し、事件が発生した場合に適切に対処するための措置が取られています」
彼はまた、彼自身、ファミ大臣、内務大臣、法務・制度改革大臣などの関連大臣がオンライン被害を取り扱うための措置や法制を整備していると述べました。
「この問題について首相(アンワル・イブラヒム氏)と話しました。来週、内閣とさらに議論します。ご安心ください、この問題に対処するための緊急措置が取られています」
ゴビンド氏によると、関連機関と当局は、ソーシャルメディアアカウントの適切な登録を含む、オンライン虐待や被害から人々を保護するための構造を確保することに注力しているとのことです。
彼は、ソーシャルメディアでいじめを受けている人々に、黙って苦しむのではなく、当局に必要な苦情を提出するよう勧めています。
連絡を取ったところ、セントゥルOCPDのアフマド・スカーノ・モハマド・ザハリ警察長官補佐は、被害者がソーシャルメディア上で受けた脅迫に関連する警察報告が提出されたことを確認しました。’Sentul OCPD Asst Comm Ahmad Sukarno Mohd Zahari)
(中略)
補佐官は、彼女の死についての調査はゴンバック警察によって行われていると述べました。
精神的な健康問題に悩んでいる人や自殺を考えている人は、以下のサービスに連絡できます。
<この部分の詳細はオンライン報道を直接参照ください。>
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