アイキャッチ画像は、Old Chartered Building の正面の写真ですが、これで見ると、しっかりしているようです。内部の写真は見つかりませんでした。
この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。
全国紙 The Star の独占オンライン報道によると、クアラルンプールのムルデカ広場に残っているマレーシアの国家的遺産とも言える2つの建造物が崩壊に危機にあるようです。
ひとつは、英国統治の時代から現在までマレーシアで営業していきた Standard Chartered Bank のKLの一号店である Old Chartered Bank Building であり、
もう一つは、最初の Industrial Court (産業裁判所)のようです。
今回は、報道内容を要約してアップします。
The Start Online の報道から
Broken promises: Heritage buildings in KL left to decay
Monday, 06 May 2024 The Star Online
クアラルンプールの歴史的な地区、ジャラン・ラジャにある2つの文化遺産建築物、メルディカ広場の近くにある旧チャータード銀行ビル (the old Chartered Bank building) と産業裁判所 (the Industrial Court) は、馬国が2026年のマレーシア訪問年に向けて準備を進める中にあって、事実上放棄されたままだ。
かつての「スタンダードチャータードビル」は、1891年にスタンダードチャータード銀行を収容するために建てられたが、
その後、1909年に3階建ての新しい建物が元の建物に取って代わり、最後の役まわりとしては2015年8月1日から2017年1月9日まで音楽博物館が運営されていた。
産業裁判所の方は、1905年に建てられ、欧州の女性客向けの百貨店「チャウキット&カンパニー」が入居していた。
いずれの建物も、現在は、セランゴール州の所有物である。
活性化の計画が有ったのだが、何も行われていない。弊社、The Star の2022年のレポート報道、「文化遺産建物の新しい生活計画」では、セランゴール州政府が2023年末までに2つの建物を一般公開できる意向であるとを報じた経緯がある。
セランゴールの投資部門が担当?
州の戦略投資部門であるメンテリ・ビサル社(Menteri Besar Incorporated, MBI)は、セランゴール州を観光地として促進するために、2つの歴史的建造物を情報センターに変える計画を立てていた。
事実、MBIは、2件の遺産を「セランゴール・ハウス」と「ザ・コート」と命名し、2つの歴史的建造物が長年放置されたが、大規模な改装を受ける予定であると発表していたし、これらの建物がセランゴール観光のゲートウェイとなり、州の観光名所となることを意図すると同時に、州のビジネスと海外からの投資を拡大するプログラムの一環であるとしてきた。
このため、MBIは、このプロジェクトの協力会社として、Selangor Malay Customs and Heritage Corporation (Padat) など、州内の他の機関と共に準備する予定でもあったが、最近の弊社 (The Star紙)からの問い合わせに対して、州の広報担当は、「新しい契約業者を探している間、プロジェクトは保留中。」との回答である。
現地を訪問してみると、建物は荒れ果てており、長い間手入れされていない。古いチャータード銀行の建物は、野生の低木や植物が壁に這いつくし、荒廃した状態。
ビルは劣化の兆候を示し、目に見えるカビ、育ちすぎた植生、塗料が剥がれて基礎のレンガ作りが剥き出しになった箇所がある。シダなどの植物が建物自体に根を張っており、長期間の放置を示唆している。
中央のアーチウェイの天井からシャンデリアがぶら下がっており、色あせた荘厳さを演出しているが、廊下はゴミで散乱し、みすぼらしく見える。
国家遺産局からも苦言
全国の文化遺産建造物を保存する責任を負う国家遺産局 (the National Heritage Department, JWN) は、この状況を認識している。JWNの局長は、劣化に気づいて、Padat社に働きかけてきているが、この2年間、何の回答も得られていない。
局長によれば、マレーシア文化遺産法2005により、文化遺産建造物の責任は所有者にあり、所有者は他人任せでなく、自ら建物を維持する必要があるとしている。
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