GOKLに連節バスの新風 

馬国

日本ではあまり馴染みのない連節バスは、2台の大型バスを連結しています。柔軟に折り曲げる接続装置を使って縦に繋げた構造になっています。

縦に長い車両は交差点で曲がりきれないので都市交通には不向きですが、真ん中に蛇腹がついていてくの字に折れることのできる連結バス(英語では Articulated Busと呼ばれている)なら交差点も通過できるため、一定の利便性があります。

このブログでも人気のあるバス路線がGOKLです。1回の乗車が1RM(約40円)で、KL市内を自由に移動できて、社内のWiFiも無料で使い放題のGOKLバス。この路線に「連節バス」の導入が進められていますので、ご紹介します。The Starのオンライン記事は詳しいので、こちらを参照ください。賛否両論ですが、大反対されているものではないので、今後はこの手のバスの活躍が見られるようになるでしょう。

Kuala Lumpur’s changing public transport landscape
Since Jan 1, Kuala Lumpur City Hall (DBKL) has been trialling articulated buses on four GoKL routes, aiming to enhance t...
  • Kuala Lumpur’s changing public transport landscape
  • The Star Metro
  • Tuesday, 11 Mar 2025

クアラルンプールの公共交通に新風  

2025年3月11日(火)

クアラルンプール市庁(DBKL)は、1月1日より4つのGoKL路線で articulated bus (連節バス)の試験運行を開始し、乗客の収容能力を向上させ、待ち時間を短縮することで公共交通の改善を目指している。  

この連節バスは、柔軟な連結部分でつながった2つの車両を持ち、機動性と効率性の向上が期待されている。  

しかし、市内の道路再編が必要になる可能性があることから、導入には懸念の声も上がっている。  

試験運行は4月30日まで行われ、GoKL 01、GoKL 03、GoKL 08、GoKL 10の各路線で1カ月ずつ運行される。 

こちらはKL市の情報

利用者と専門家の声

連節バスは収容能力の向上と待ち時間の短縮に貢献しているが、(StarMetroが取材した公共交通の利用者や専門家によると)道路インフラの調整が必要になる可能性があるという。  

一方、DBKLは、「2カ月間の試験運行を通じて、利用者からのフィードバックは概ね好意的だった」と発表。  「現在のところ、選定された路線で問題は発生していない。試験運行の正式な結果は4月の終了後に発表される予定だ」  

また、「試験終了後の連節バスの本格導入は、feasibility(実現可能性評価)に基づいて決定される」と付け加えた。  

DBKLは、一部の交差点で道路を拡張し、最大165人(座席24人、立席141人)を収容できる連節バスのスムーズな運行を確保したとしている。  

しかし、StarMetroの記者は、先月GoKL 03路線の試験運行の一環として運行されていたHABティティワンサ停留所で2時間近く待ったにもかかわらず、連節バスに乗ることができなかった(同路線の試験運行は2月に終了)。  

DBKLのソーシャルメディアによると、試験期間中の連節バスの運行頻度は、ピーク時で1時間に1本、非ピーク時で90分に1本とされていた。  

しかし、待ち時間が長いとの苦情に対し、DBKLは「現在の連節バスの待ち時間は1時間から最大2時間半であり、バスの位置や交通状況に左右される」と説明。  

「試験運行中のため、交通状況により運行スケジュールに影響が出る場合がある。それでも、利用者は他のGoKLバスを代替手段として利用でき、GoKLアプリでバスの到着情報を確認できる」とした。  

またDBKLは、GoKLのサービス向上に取り組むとともに、プラサラナ・マレーシア(RapidKL)との協力を強化し、より包括的で利用しやすい公共交通ネットワークを構築する方針を示している。  

道路の再編成

公共交通の改善を求めるNGO「トランジット・マレーシア」の副書記長ザック・チョン氏によると、連節バスは車両の長さや回転半径が大きいため、バスの乗降場所や駐車スペース、専用レーンの再編成が必要になる可能性があるという。  

「既存のバス停は、連節バスが安全に停車し、乗客がスムーズに乗降できるように拡張する必要がある」  

「渋滞が激しいエリアでは、専用バスレーンを広げることで、連節バスが他の車線の交通を妨げずに運行できるようにする必要がある」と述べた。  

道路の改修によって短期的には渋滞が悪化する可能性があるが、連節バスの導入により、バスの台数を減らしながらも輸送能力を維持・向上できるため、結果的には渋滞緩和につながるとチョン氏は指摘する。  

一方、公共交通の問題について積極的に発言するアフィク・ダニエル氏は、交差点での左折時に連節バスが対向車線にはみ出す可能性があるため、スリップレーン(左折専用レーン)の拡幅が必要だと提案した。  

また、「多くのマレーシアのバス停は通常のバスですら対応が難しいため、連節バスがレイバイ(停車帯)を使用できず、道路上で停車せざるを得ないケースが出てくる可能性がある」と指摘した。  

連節バス vs. 二階建てバス

チョン氏によると、連節バスは二階建てバスに比べて乗降が容易であり、障害者や高齢者にとっても利用しやすいという。  

「単層構造のため、二階建てバスよりも多くの乗客を収容でき、混雑を緩和し、公共交通の効率を高めることができる」  

アフィク氏も、連節バスの導入はバス停での待ち時間の短縮につながるとし、「連節バスはまさに『道路上のMRT』とも言える」と語った。  

Screenshot

「一般的なバスは乗降口が1つしかなく、バス停での停車時間が長くなる。二階建てバスは連節バスと同等の収容力を持つが、乗客が階段を使って移動しなければならないため、乗降に時間がかかる」  

「連節バスは乗降口が複数あり、アクセスしやすい。平均3〜7駅程度の移動が多い路線では、二階建てバスよりも適している」と述べた。  

さらなる改善提案  

チョン氏は、連節バスに限らず、バスサービス全般をより多くの地域に拡大すべきだと指摘。  

「クアラルンプールの郊外、例えばケポンやチェラスなどでは、中心部に比べてバス路線が少ない。バスが運行されている地域でも、運行頻度が低かったり、主要な交通ハブとの接続が不十分だったりする」と述べた。  

また、GoKLアプリの改良にも言及し、「クランバレー全域の公共交通を一元的に管理する『スーパーアプリ』が必要であり、現在のように複数のアプリを使い分けるのは非効率だ」と指摘。  

アフィク氏は、「連節バスは混雑緩和には貢献するが、新規の利用者を増やすには不十分」とし、バスの運行頻度を増やし、24時間運行を導入することを提案している。  

また、乗り換えの手間を減らすため、クアラルンプールのバス路線全体の再設計も必要だと主張した。  

交通コンサルタントのアーネスト・ウォン氏によると、「クアラルンプールには現在約1,500台のバスしかないが、本来は約7,000台必要」と指摘。  

また、「ピーク時とオフピーク時でバスの到着頻度が大きく異ならないような安定した運行スケジュールの実現が肝要だ」と述べた。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

GOKLについて参考になる情報はこちらを参照ください。

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