本日のアイキャッチ画像は Flickr への投稿者の sunriseOdyssey さんの作品でサラワク州の洞窟のひとつを捉えたもののようです。ライセンス
この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。
サラワク州独自ののMM2H条件には「抜け道」があるといった話は既に、ご存知かと思いますが、はじめて耳にする方は詳しくはこちらの記事を参照ください。
今朝の Star Online の記事の表題をちらっとみて、
よもや、新生MM2Hの「不動産強制購入条件」(注)が緩和されたか!
と昨日の台風が過ぎ去った真夏の暑さが一瞬意識からさっと遠のいて、新たなブームの到来に大きな期待感で記事を読み進んだのですが
期待した内容は全くありませんでした。
ただ一つ
今回の張慶信大臣自身の発言の中にサラワク州のMM2Hの条件は「抜け道」ではないと言うはっきりした政府声明がありました。
筆者は、以前の情報で、サラワク州の入国管理局がサラワク州MM2Hのビザで西マレーシアのクアラルンプールやペナンに長期滞在する利用者に否定的な態度であったと言う事実があったり、ものもとの条件にも、西マレーシアでの滞在を対象としないと言った文章が含まれていた関係で、疑心暗鬼の状態が続いていたと思います。
今回の張大臣の発言により、今後さらにサラワク州のMM2Hを申請する利用者が増えると思われます。
久しぶり、MM2Hのオンライン記事
担当大臣の発言をいち早く報道する中華系オンライン報道局 The Star online より
Relaxed MM2H rules a huge draw
Saturday, 17 Aug 2024 By KHOO GEK SAN
MM2Hビザ制度の改訂により、外国人のマレーシア不動産への関心が高まっている。観光・芸術・文化相の張慶信大臣からの発言である。
「当プログラムで設定した価格に合わせて住宅を購入したいという海外からの問い合わせが増えていると(開発業者から)報告を受けています」と、特別インタビューで語ったものだ。
2024年6月、観光・芸術・文化省(Motac)は、地元の高級不動産市場を活性化するために、プラチナ、ゴールド、シルバーの各カテゴリーを導入した改訂版MM2Hを発表した。
不動産取得条件について
改訂版では、2021年版と比較して、定期預金、オフショア収入、流動資産に関する要件が緩和されているが、しかし、近隣諸国が提供する同様のプログラムと比較して魅力に欠けるとの批判も見られる。
張大臣はこれらの意見は一部に過ぎず、対照的な調査結果では、依然としてマレーシアで不動産を購入したいという強い意欲が示されているという。
「プラチナカテゴリーでは100万米ドルの定期預金が必要で、ゴールドカテゴリーでは50万米ドル、シルバーカテゴリーでは15万米ドルが求められます。
ビザ保有者は1年後に、不動産、医療、教育、観光費用として50%を引き出すことができます。
他国のプログラムは当プログラムとは異なります。もしMM2Hが不人気な政策であれば、なぜ近隣諸国が外国人を引きつけるために同様の政策を導入しているのでしょうか?」と同氏は報道陣に問いただす。
The Star がまとめた上のテーブルによると、インドネシアのセカンド・ホーム制度でも不動産の購入が必須条件になっていますね。しかも不動産の最低投資額が同じです。初耳ですねー
張大臣は、MM2H申請者が一般的に10年以上不動産を保有することが求められているが、これは絶対的な制約ではないと説明した。
Tiong said that although applicants were generally required to hold property for at least 10 years, it was not an absolute restriction.
これだけ読むと混乱を招きそうな話です。10年という長期間の不動産の保持が必須だという事実は、次の発言にあるような「買い替え」をして回避できると言っているようですが、利用者からみて見れば、当初の絶対的条件と何ら違いはありません。
「例えば、今日50万RMの物件を購入し、その後、より良い場所や快適な家を見つけた場合、必要な書類を提出すれば、現在の物件を売却して別の物件を購入することができます。」
“For instance, if I buy a property for RM500,000 today and later find a better location and a more comfortable house, I can sell my current property and buy another one, provided I submit the required documentation.
この発言は2つの点で疑わしく聞こえます。ひとつは、大臣が「私 ( I )」と言う主語を使って話している(記載されている)ことです。こういう発言では普通は “you” を使うのが一般的です。「私」を主語としておけば、後ほど法廷論争になった場合、「単に自分の話をしただけ
」として責任回避できます。もうひとつ、最初の購入額が50万RMというのも違和感があります。正しい条件は 60万RMかそれ以上です。
「マレーシアに滞在する人々について、過度に心配する必要はありません。彼らが規律を守り、安全を脅かさず、消費をしてくれるのであれば、経済成長に貢献してくれることを歓迎します。」
マレーシアでの就労条件
プラチナカテゴリーでは、申請者は一度限りの20万リンギットの手数料を支払うことで、マレーシアでの就労や投資が可能となる。
ゴールドとシルバーのカテゴリーでは、それぞれ3000リンギットと1000リンギットの手数料であるが、これらのカテゴリーのビザ保有者には就労が認められていない。
MM2Hビザは、プラチナが20年間、ゴールドが15年間、シルバーが5年間有効である。
東マレーシア各州の条件
連邦政府版のMM2Hに加え、サバ州とサラワク州には独自のMM2H政策がある。
サバ州では、申請者に60万リンギット以上の高層不動産の購入が求められている。
サラワク州のMM2Hでは、クチン地域では60万リンギット以上、他の地区では50万リンギット以上の価格の住宅を購入することが認められている。
いわゆる「抜け道」議論について
外国人がサラワク州のMM2Hに興味を持つ理由として、条件が比較的緩いとされ、「抜け道」と見なす声もあるが、張大臣は、サラワク州のMM2Hで承認を得た申請者は、マレーシア半島に滞在・旅行することが許可されていると述べた。
「Motacはこれを抜け道と考えるのではなく、連邦政府が連邦版MM2Hの利点をさらに広めるための機会と捉えています」と同氏は付け加えた。“Motac does not consider this a loophole but rather an opportunity for the Federal Government to further promote the advantages of the federal version of MM2H to them,”
おそらく連邦政府は、サラワク州のMM2HのVISA保有者が西側の都市に滞在する場合、その場所でアパートを賃貸したり、物件を購入する可能性もあると考えておられるようです。これが60万RM以下でも経済刺激であることには変わりはありません。
やがては条件を揃える
さらに、張大臣は、サバ州とサラワク州のMM2H政策が連邦政府のガイドラインと補完し合うべきだと提案している。
「サラワク州とサバ州は、連邦憲法の範囲内であれば、連邦版MM2Hプログラムのどの特徴や条件が自州に適しているかについて自由に判断できます。我々はサバ州およびサラワク州との協議を非常に前向きに進めています」と述べた。
また、サラワク州政府に対し、申請者に不動産の購入を義務付けるか、連邦政府が導入したカテゴリーの一つ、例えばシルバーカテゴリーを採用することを提案する考えであることを示した。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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