馬国人列伝 01:タンスリ・ミッシェル・ヨウ

馬国

本日のアイキャッチ画像は、Flickr に投稿している写真家Marco Mannaさん作品。ライセンスはこちら。白黒だが、彼女らしさをしっかり表現している素晴らしい一枚。

馬国人列伝は、マレーシアのオンライン報道で取り上げられた馬国出身の有名人・偉人・奇人を紹介している。

馬国出身の大女優といえば、間違いなく1962年生まれのミッシェル・ヨウである。マレーシアのファンであるなら、彼女の存在をよく知っておく必要がある。

社交性のあるさっぱりした性格で、スタントもこなす。北米に渡り、ハリウッド映画界で堂々と活躍してきた彼女は、アジア人として初めてオスカーを手にした。どんな場面でも、「自分はマレーシア出身だ」と自己紹介する姿勢は母国に誇りを持っている証拠だ。

もとより、英国領であった馬国で出生し、学生の頃にロンドンでバレエを学んだ経験から身に付いた英語力は一般のアジア人を明らかに超えるパワーを感じさせる。

明らかに東洋人の容貌を持ちながら、完璧に欧米社会に入り込んで成功した数少ない東洋人だと言える。米国のワイドショーやインタビューにも積極的に対応するし、欧米流のジョークもさらっと出てくる。何事にもチャレンジ精神を忘れず、一度リタイヤしても、また現場に復帰するバイタリティーがあった。

筆者の記憶で、日本で匹敵する人物像があるとすれば大リーグで大成功している大谷翔平が英語を流暢に話すようになれば同レベルだろう。米国で中国系の大女優といえばMichelle Yeohなのである。

それでも、彼女が人生を振り返って後悔していることが2つあるそうだ。一つは何度も結婚しながら子供を産めなかったこと。もう一つは漢字の読み書きだそうだ。全てが完璧で無くとも人間は世界のトップに立てることを証明した偉人だ。

#SHOWBIZ: Biggest sadness in my life, I cannot have kids, says Michelle Yeoh [WATCH] | New Straits Times
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彼女が無類の博愛主義者で、多くの社会貢献に努力していることも国際舞台では高く評価されている。国王陛下からTan Sri の称号を与えられたのも当然である。

来歴と業績

ミシェル・ヨウ(Michelle Yeoh、本名:Yeoh Choo Kheng、楊紫瓊)は、1962年8月6日生まれのマレーシア出身の女優。これまでにアカデミー賞やゴールデングローブ賞を含む数々の賞を受賞している。初期の映画ではミシェル・カーン(Michelle Khan)名義で活動し、1980年代から1990年代にかけて、香港のアクション映画や武術映画でスタントを自らこなし、一躍有名となった。代表作には『皇家師姐』(1985年)、『中華戦士』(1987年)、『ポリス・ストーリー3』(1992年)、『東方三侠』や『太極張三豊』(共に1993年)、『Wing Chun』(1994年)がある。

香港のアベニューオブスターズ。

その後アメリカへ拠点を移し、ジェームズ・ボンドシリーズ『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』(1997年)やアン・リー監督の武術映画『グリーン・デスティニー』(2000年)で国際的な評価を獲得。『グリーン・デスティニー』では英国アカデミー賞(BAFTA)の主演女優賞にノミネートされた。その後、ハリウッドで『SAYURI』(2005年)、『サンシャイン 2057』(2007年)、『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』(2008年)などの作品に出演。一方で香港や中国映画にも引き続き出演し、『酔拳 レジェンド・オブ・カンフー』(2010年)、『処刑剣 14BLADES』(2010年)、『グリーン・デスティニー2』(2016年)、『イップ・マン外伝 マスターZ』(2018年)などに出演した。また、2011年には英国の伝記映画『The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛』でアウンサンスーチーを演じた。

2009年のカンヌ映画祭での一枚。Wikipediaの日本語バージョンに掲載されている。

2018年の『クレイジー・リッチ!』や2019年の『ラスト・クリスマス』といったロマンチック・コメディの脇役としても知られるほか、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021年)やテレビシリーズ『スタートレック:ディスカバリー』(2017年~2020年)にも出演。声優としては『カンフー・パンダ2』(2011年)、『ミニオンズ フィーバー』(2022年)、『トランスフォーマー/ビースト覚醒』(2023年)などで活動している。2022年の映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』では主役のエブリン・クァン・ワンを演じ、アカデミー主演女優賞を受賞。アジア人として初めて同賞を受賞し、またマレーシア人として初めてアカデミー賞を受賞した。

映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」は2008年に彼女を「史上最高のアクションヒロイン」に選出。1997年には米誌「People」によって「世界で最も美しい50人」の一人に選ばれ、2009年には同誌の「映画史上最も美しい35人」にも名を連ねた。2022年には米誌「Time」の「世界で最も影響力のある100人」の一人に選ばれ、年間リストでは「Icon of the Year」に選出された。2024年にはアメリカ大統領自由勲章を受章した。

出典:英語版 Wikipedia “Michelle Yeoh”

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馬国の友人や知り合いとの会話の中で「ミッシェル・ヨウ」を語れる日本人は本当にマレーシアが好きな日本人として認知されるだろう。逆に、彼女を知らないなら、その人は、単なる海外からの観光客として扱われる。

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