【馬国事件】青年代議士の苦悩 控訴が棚上げ状態

馬国

アイキャッチ画像の写真は Flickr に投稿された Budiey さんの投稿写真です。転載ライセンスはこちらです。

悩める青年代議士であるサイド・サディック下院議員をご記憶でしょうか?

このブログでも2度に渡り、もしや冤罪ではないか?と思われるような判決について解説した経緯があります。

これが、日本の政界の出来事だったら大騒ぎになるはず。なぜなら、サイド・サディック議員はマハティール政権の時代から大抜擢されてきた若手代議士であり、スポーツ・文化大臣まで歴任した逸材なのです。

FMTがオンライン報道したサディック下院議員の控訴審の遅延に関する情報が何を意味するものか少し考えてみましたが、

基本的には、単に関係する司法当局の怠慢によるもののようです。

一審の判決で懲役5年と鞭打ち刑まで結審しているものなのですが、サイド・サディック下院議員はこれを不当として即日控訴しています。控訴理由は明らかになっていません。酵素は受け入れられ、下院議員本人は刑の執行を保留されて政治活動を続けています。

裁判所が控訴審をずるずると伸ばしている事実の裏に何があるのか筆者にはわかりません。ある意味では、単なる遅延なのかもしれませんが。この状態が長く続くとどういうことになるのかも全くわかりません。控訴審が無いからと言って一審の判決が無効になるとも思えません。

筆者は引き続きこの事件をフォローし続けます。

サディック議員の弁護士が裁判所に苦言

Written judgments mandatory for criminal trials, says lawyer

V Anbalagan 25 Aug 2024, 07:45 AM FMT online

ムアル選挙区の下院議員サイード・サディック・サイード・アブドゥル・ラーマンが昨年11月に汚職で有罪判決を受けた件で、彼が提出した控訴が遅延している。裁判官の判決理由書が未提出なのだ。

元マレーシア弁護士会長のサリム・バシール弁護士は、ムアル選出の国会議員サイード・サディック・サイード・アブドゥル・ラーマンが控訴したにもかかわらず、高等裁判所がまだ書面での判決理由を提出していないため、彼の汚職に関する有罪判決と刑の控訴が遅れているとの報道にコメントした。

サリム弁護士によれば、法律上、控訴手続きを円滑に進めるために、刑事事件では裁判官が判決理由を書面で提出することが義務付けられている。この要件は刑事訴訟法(CPC)および上級裁判所の手続きに関する規則に規定されているという。

曰く、現職の裁判官は、退職や在職中の死亡などの例外を除き、判決理由を書かなければならない。書面での判決理由がない場合、控訴裁判所の裁判官は証拠を再評価せざるを得ない。

弁護士は、CPC第307条第3項により、控訴が保留中の場合、第一審裁判所は判決理由を提供しなければならないと規定していると述べた。

過去の判例として、1959年のバラシンガム対PP事件において、旧最高裁判所が、判決理由は事実および法律に基づく理由付けを示すものでなければならず、結論だけを列挙するものではないと判断した事例がある。

また、サリム弁護士は、1996年のタン・アー・コウ対PP事件において、判決理由の提供が過度に遅れることは容認できず、それが迅速かつ適正な司法行政を著しく損なうものであると裁判所が述べていると指摘した。

アズハール・アブドゥル・ハミッド裁判官は昨年11月9日、元青年・スポーツ大臣が刑事信託違反(CBT)、資産の不正流用、およびマネーロンダリングを幇助したとして有罪を言い渡し、検察が合理的な疑いを超えて立証したと口頭で述べた。

検察側と弁護側は昨年4月に最終弁論を行った。

サイード・サディックは懲役5年と1,000万リンギットの罰金を科され、さらに鞭打ち2回を命じられた。彼は、ホワイトカラー犯罪で鞭打ち刑を受けた初の選出議員となった。

しかし、彼は同日に控訴を提出した。

裁判実務指針では、控訴人が控訴通知を提出してから8週間以内に裁判官が書面による判決を提供しなければならないと定められている。

弁護士のS・ポール・クリシュナラジャは、殺人や麻薬取引のような重大犯罪で有罪判決を受けた控訴人は、速やかな控訴審理を期待すると述べた。長期間刑務所に収監された後に控訴が認められ、自由の身になっても法的救済はないとの指摘だ。

ポール弁護士は、有罪判決を受けた者は、なぜ裁判官が彼の弁護を退けたのかを知る権利があるという。

裁判官が判決を言い渡す際には、書面での判決理由を漏れなく提供するべきであり、それができない場合は、後日、速やかに提供する必要がある。これにより、判決を下す際に裁判官が事件の事実を鮮明に記憶することができる。

また、裁判官は証人の態度も考慮しなければならない。判決が後日に書かれると、証人の信用性を判断することが難しくなるという。

弁護士のナラン・シンは、クラン・バレー外の多くの裁判官が、民事および刑事事件の過剰な負担に苦しみ、判決を書く時間がほとんどないと述べた。

曰く、裁判官は裁判の他に下級裁判所からの控訴やその他の中間的な申請も審理しなければならない。

この国が訴訟社会になったため、より多くの事件が登録されている。犯罪率が上昇し、より多くの告発が裁判所に提出されているという。

ナラン弁護士は、司法管理者や検事総長室は、裁判所のリソースを最適に利用するために政府に継続的にフィードバックを提供する必要があると述べた。

最後まで参照いただきありがとうございます。

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