ロイターが報じて、馬国のFMTがオンライン記事として掲載したテスラのEVモデル(電気自動車)を巡るAI機能の独占支配疑惑が注目を浴びています。
マスクが新たに xAI という人工知能技術のスタートアップ会社を登記することが発端ですが、このことについては、以前からマスクとテスラの取締役会が xAI社 への50億ドルの投資について話し合う予定であると公表していました。
最近になって、この xAI がテスラに搭載する AIの供給を独占する交渉に動き、さらにテスラの収益の一部を xAI がロイヤルティーとして取得するといった情報が業界に流れていました。発信元は Wall Street Journal ですから、ある程度強い裏づけのある情報だったはずです。
独占ライセンス疑惑を否定
- Musk denies report xAI in talks over Tesla revenue
- Reuters – 08 Sep 2024, 10:43 AM via FMT
【ニューヨーク】イーロン・マスク (Elon Musk) は、自身の人工知能スタートアップ会社である xAI が「テスラ (Tesla) の収益の一部を獲得すべく交渉を行った」との報道を否定した。
Wall Street Journal (WST)の報道では、xAI社がテスラに人工知能モデルのライセンスを供与し、ドライバー支援ソフトウェアや完全自動運転技術を強化することで、テスラの収益の一部をxAI と共有するという提案が投資家に説明されていた。
即ち、xAIはテスラに対して自社の技術とリソースへのアクセスを提供し、その見返りとして将来のテスラの収益の一部を要求しているとされていたのだ。
しかし、マスクは土曜日遅くに自身のソーシャルメディアプラットフォームXに投稿し、「テスラがxAIの技術を利用する必要は無い」と発言。報道内容は正確でないと主張した。
WST によれば、xAI社はテスラの EV(電気自動車)に音声アシスタント機能や、ヒューマノイドロボット「オプティマス」を動かすためのソフトウェアの開発支援を行うとされている。
また、収益分配の条件は、テスラがどの程度 xAI の技術に依存するかによって評価されると報じられており、xAI の幹部がテスラの完全自動運転システムからの収益を均等に分配する案について話し合っていたという。
(真偽についての)ロイターからの問い合わせに対し xAI社は回答していない。
マスクは昨年、マイクロソフトが支援する OpenAI に対抗する形で xAI を立ち上げた。これにより、彼が自動車メーカーのリソースをAI企業に割り当てる可能性が懸念されていた。
マスクは xAI が完全自動運転の進展や新しいテスラデータセンターの構築に役立つと述べ、また xAI のチャットボット「Grok」とテスラのソフトウェアを統合する機会もあると語っていた。
7月には、マスクとテスラの取締役会がxAIへの50億ドルの投資について話し合う予定であるとしていた。
ロイターの報道趣旨としては、「思いっきり怪しい」ということなのでしょう。今後の成り行きに注目しましょう。
Grok について
以下、日本語版 Wikipedia の「Grok」から
Grok(グロック)は、xAIによって開発された、大規模言語モデル(LLM)に基づいた対話型の生成的人工知能チャットボット。Xの全投稿データをリアルタイムに学習しており、イラストなどの画像生成機能に加え、最新のトピックに関する質問に回答できる。
概要
「Grok」という名称は、ロバート・A・ハインラインが1961年に書いたSF小説『異星の客』で用いた造語であり、火星語で「理解する」「認識する」という意味。
開発元のxAI社は、Grokは『銀河ヒッチハイク・ガイド』をモデルにしたAIであるとしており、「質問に対して少しウィットに富んだ答え方をするように設計されており、ユーモアが嫌いなユーザーは手を出さないように」とコメントしている。
また、xAI社を立ち上げたイーロン・マスクは、ChatGPT等の他のAIモデルに比べ、GrokはXへのリアルタイムアクセスが可能であり、これが大きな利点であるとしている。
2024年4月12日、Grok-1.5 Vision(Grok-1.5V)が発表された。Grok-1.5Vは、文書や図、グラフ、スクリーンショット、写真などの様々な視覚情報が処理可能。
2024年8月14日、Grok 2 mini(beta)を発表した。Xの投稿データを元にした画像生成機能が初めて搭載された。
本日も参照いただき、ありがとうございました。