【MM2H情報】ネット犯罪としての「いじめ」解説

馬国

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この記事は、本編【MM2H体験】の関連記事です。馬国の「おすすめ情報」まとめ記事はこちらです。

既にご紹介したネット空間での個人攻撃に関する基礎知識を持ちましょう。

筆者が子供の頃、「いじめ」といえば、もっぱら子供同士の物理的な嫌がらせや肉体的な攻撃でした。それはそれで大問題ですが、昔の「いじめ」はもっぱらご近所や、学校のクラスメートの間の狭い世界での小競り合いでした。

ネット空間がより高速・大容量になると、とても広い範囲での意思疎通が可能になり、以前はテレビ放送局でしか実現できなかったライブ配信も、個人が簡単に運用できる時代になりました。

ネット上の「いじめ」は、ネットやソーシャルネットワークに詳しい悪意の集団や個人が、理論的に世界中のネット利用者を誰でも特定して攻撃できるものですから、非常に規模が大きな話です。

今は、馬国でも、同じ民族の人間どうしの攻撃だけで済んでいますが、やがては異なる文化・民族間の問題にも発展する可能性が高く、

ひいては外国人である我々日本人もサイバーブリングの直接の被害者になる可能性があります。

MM2Hを利用する家族が、こういった犯罪行為の被害者になるかもしれません。そういった予兆があったり、ひどくなってきた場合に当局に通報(Police Report) を出したり、相談したりする場面も予想されます。

筆 者
筆 者

我々外国人もCyberbullying についてのネット用語や犯罪の実態を知っておくべきでしょう。

サイバーブリングを定義する6例

What counts as cyberbullying? Experts list six ways victims could be harassed online

By Zaf Seraj Friday, 19 Jul 2024 7:00 AM MYT malay mail

  • Cyberbullying (サイバーブリング) は、インターネットを通じて行われる「いじめ」
  • 業界フォーラム「コミュニケーションとマルチメディアコンテンツフォーラム(Communications and Multimedia Content Forum, CMCF)」は、Cyberbullyingの6つのタイプを示した。具体的には、トローリング、ドキシング、サイバーストーキング、フレイミング、排除、偽装 ( trolling, doxing, cyberstalking, flaming, exclusion and impersonation)
  • Cyberbullyingとヘイトスピーチ (hate speech) は、使用される言葉が性別、人種、宗教、国籍、性的指向、その他の保護された特性に基づいて対象にされた場合、重なる(同時発生する)ことがある

Cyberbullying (サイバーブリング)が蔓延する中、Malay Mailは専門家にその定義と形態について説明を求めた。

この問題が注目を集めたのは、7月5日に29歳の女性 TikTok インフルエンサーであるラジェスワリー・アパフ(エシャとして知られる)が、ゴンバック・セティアの公営住宅で自殺した出来事がきっかけだった。(Rajeswary Appahu, known as Esha)

専門家たちは、基本的に、Cyberbullying はインターネットや技術を利用した攻撃的な行動に過ぎないという意見で一致している。

マラヤ大学教育学部の研究副学部長ズワティ・ハシムとプトラマレーシア大学政府と文明学科の上級講師ムルニ・ワン・モハド・ノールによれば、Cyberbullying はソーシャルメディア、メッセージング、ゲームプラットフォーム上で、コンピュータや携帯電話を使用して発生するものだという。(according to Universiti Malaya’s deputy dean of research at the Faculty of Education Zuwati Hasim and Universiti Putra Malaysia’s senior lecturer at the Department of Government and Civilisation Studies Murni Wan Mohd Nor)

「普遍的な定義は存在しないが、一般的には、デジタルコミュニケーションを通じて個人または団体が意図的に行うもので、被害者に不安、身体的、心理的、経済的、または学業上の損害を与える行動として理解できる」

ロンドンを拠点とする人権団体 Article 19 のナリニ・エルマライも、いじめは被害者を怖がらせ、怒らせ、または恥ずかしめることを目的とした反復的な嫌がらせであるとしている。

原文:Nalini Elumalai from London-based human rights organization Article 19 also added that bullying is repetitive harassment that is aimed at scaring, angering or shaming the victim.

加害者は一人でもグループでもあり得る。

前述の2名の学者は、Cyberbullying 行為の種類として、噂の拡散、傷つけるメッセージの送信、屈辱的なコンテンツの共有などが含まれると述べた。(spreading rumours, sending hurtful and abusive messages, and sharing humiliating content)

ズワティ副学部長は「偽装・なりすまし」を含めるべきだと主張し、ムルニ上級講師はオンラインストーキングをいじめの定義に含めた。(Zuwati argue that it should include impersonation while Murni had online stalking in her definition of bullying.)

業界フォーラム「コミュニケーションとマルチメディアコンテンツフォーラム(CMCF)」の最高経営責任者であるメディハ・マフムードは、サイバーブリングの6つのタイプを次のように示した。

原文:Mediha Mahmood, the chief executive of the industry forum Communications and Multimedia Content Forum (CMCF), outlined six types of cyberbullying:

トローリング (Trolling)

炎上や憎しみを引き起こすメッセージを投稿して他人を挑発したり怒らせたりする行為。例として、メンタルヘルスフォーラムなどでセンシティブで人を嘲笑うようなコメントを投稿し、関係者から感情的な反応を引き起こそうとする行為が挙げられる。

ドキシング (Doxing)

本人の同意なしに個人情報を(悪意を持って)公開する行為。CMCFが指摘した例としては、「動物愛護」のイベントの主催者が住所や電話番号を公開され、脅迫や嫌がらせのメッセージを受けた。

ネット情報
ネット情報

“documents”の短縮形である ”docs” が変化して ”dox” になりました。”dox” を動詞として使い、誰かの個人情報を公開する行為を ”doxing” と言います。

サイバーストーキング (Cyberstalking)

繰り返し不快なメッセージや脅迫文を送り、被害者が感じる恐怖や不安を煽る行為。元恋人や友人が被害者に脅迫メールを送り続け、オンライン活動を監視し、被害者を不安にさせるようなケースがある。

フレイミング (Flaming)

オンラインフォーラムやソーシャルメディアに、攻撃的で侮辱的なメッセージを投稿し、激しい議論や攻撃的なやり取りを誘発する行為。他のユーザーの意見に対して侮辱的なコメントを投稿し、連鎖的に攻撃的なコメントを引き起こすといった事例がある。

ネット情報
ネット情報

Flameは「炎」「火」を意味しますが、インターネットスラングでは、他人に対して攻撃的で侮辱的なメッセージを投稿する行為を指します。例「あのコメントは完全にフレイムだった。あんなに攻撃的な言葉を使うなんて。」

排除 (Exclusion)

オンライングループや会話から意図的に誰かを排除する行為。クラスメートがグループチャットから誰かを意図的に外したり、ゲームコミュニティで特定のプレイヤーをチーム活動から除外し、社会的な交流を狭める行為。

偽装・なりすまし (Impersonation)

誰かになりすまし、その人の評判や人間関係を損なう行為。例として、他人(偽り)のプロフィールを作成し、有害なコンテンツを投稿してその人の社会的地位や尊厳を傷つける行為がある。

有識者全員が「ヘイトスピーチの範疇に含まれるべきだ」という見解で一致しているのは、性別、人種、宗教、国籍、性的指向に基づいた Cyberbullyingである。

(中略)

ヘイトスピーチは特定の集団に対する敵意、暴力、差別を引き起こすことを目的としている。

人権団体 Article 19 のナリニ氏は、「ヘイトスピーチ」を軽視すべきではなく、集団暴力への発展や、最悪の場合は「ジェノサイド(集団虐殺)」に繋がる可能性があると警告している。

「オンラインでのハラスメントや脅迫は、単なるCyberbullyingとして分類すべきではない。この手の行為はより深刻な攻撃形態であり、個別の対策が必要だ」

筆 者
筆 者

最後のコメントは、オンラインの「ライブ配信」で被害者をリアルタイムで攻撃するような場合を挙げているのでしょう。最近はどのソーシ

ャルメディアでも簡単にライブ配信ができるようになってます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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