馬国人列伝 07 : マズラン・ビンティ・オスマン

馬国

アイキャッチ画像の写真はFlickrに掲載された UNIS Vienna の投稿写真で、一定の条件により引用と掲載が許可されているもの。1 June, 2011 : Mazlan Othman, Director, UNOOSA at the official Opening of the Space Exhibition in the Vienna International Centre

天体物理学(てんたいぶつりがく、英語:astrophysics)は、天文学及び宇宙物理学の一分野で、恒星・銀河・星間物質などの天体の物理的性質(光度・密度・温度・化学組成など)や天体間の相互作用などを研究対象とし、それらを物理学的手法を用いて研究する学問である。宇宙物理学とも。天文学の中でも19世紀以降に始まった比較的新しい分野で、天文学の近代部門の代表的な分野と目されている。

馬国の天体物理学者として国の首相や国連の事務総長が注目した学者が存在する。

オスマン博士はマレーシアのみならず、世界の天文物理学会に貢献してきた。国際連合が協賛するウィーンの国連宇宙局では局長に就任した経歴を持ち、馬国内では文字通り宇宙開発や宇宙化学のリーダーとなった女性である。

マレーシアは時折このような国際級の偉人を排出するが、そのことで必要以上に大騒ぎはしない国である。ある意味、同国のマスコミが比較的マレーシアの内政に関心が高いことや、報道を求める国民が国際級の貢献をした人物の貢献度を計りかねている印象もある。

私がKLで面談したことのある、馬国最初の核物理学者も、マスコミには登場せず、企業のアドバイザーとして実に慎ましい毎日を過ごしていたことを思い出す。

この偉人列伝でも紹介している通り、マレーシアは女性の偉人を数多く輩出している国だと言える。

マズラン・ビンティ・オスマン博士

マズラン・ビンティ・オスマン(Mazlan Binti Othman、1951年12月11日 – )は、マレーシアで最初に天体物理学者になった人物。2010年から2014年までウィーンに所在する国際連合宇宙局のディレクターを務めた。ニュージーランドのオタゴ大学出身。

オスマン教授は、国立大学で天体物理学のカリキュラムを作ることや、天文学と宇宙に関する問題への一般の理解と関心を高めることに取り組んだ。また、日本の木曽観測所(長野県木曽町)での研究も行った。

木曽観測所は「東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター」が管理する観測所。

1990年、マハティール首相により首相府のプラネタリウム部門の責任者を拝命。クアラルンプールにあるマレーシア国立プラネタリウム(プラネタリウム・ネガラ)の開発を指揮した。プラネタリウムが1993年に開館した後、政府の新しい宇宙科学研究部門の長官に任命され、マイクロサテライトの開発プログラムを開始。翌年には教授職を得た。

1999年11月、コフィ・アナン国連事務総長により、ウィーンの国連宇宙局(UNOOSA、 United Nations Office for Outer Space Affairs)の局長に任命された。その後、2002年7月にマハティール首相の要請でマレーシアに戻り、マレーシア国家宇宙機関(Angkasa)の初代長官として5年間務め、彼女の取り組みの結果、マレーシア初の宇宙飛行士シェイク・ムザファー・シュコール(Sheikh Muszaphar Shukor)の打ち上げが実現した。

1 June, 2011 : Mazlan Othman, Director, UNOOSA at the official Opening of the Space Exhibition in the Vienna International Centre

2007年、潘基文(バン・キムン)事務総長によって再びUNOOSAの局長に任命され、同年12月にAngkasaを離れてUNOOSAに復帰した。そこでは、国際協力、宇宙衝突とデブリの防止、持続可能な開発のための宇宙ベースのリモートセンシング利用、各国間の宇宙法の調整、地球近傍小惑星によるリスクなどの問題に取り組んだ。

国連を退職した後も、科学や宇宙に関する諮問委員会や理事会で活動し、客員教授としてマレーシア科学アカデミーの上級フェローにもなった。2017年9月には、国際科学会議(ISC)のアジア太平洋地域事務局のディレクターに就任した。

2023年5月時点で、彼女は中国資金が主に投入されている衛星プログラムHKATGの非常勤理事を務めている。

新聞報道より

マレーシア初の天体物理学者マズラン・オスマンは、人工知能(AI)が生徒の思考力を高める可能性があると語り、学校教育が評価方法を変える必要があると主張している。単なる暗記ではなく、生徒がAIに対してどれだけ創造的な質問をできるかが重要だと述べた。また、教育は自発的な思考を促すべきだとも語った。

Malaysia’s first astrophysicist Mazlan Othman says AI can make students better thinkers if schools adapt
KUALA LUMPUR, June 9 — Malaysia’s first astrophysicist, Tan Sri Dr Mazlan Othman, believes artificial intelligence (AI) ...

マズラン博士は、科学への興味は詩や自然への感動から芽生えるとして、自身も子どもの頃の詩への愛から天文学に興味を持ったと回想している。

彼女は、マレーシア初の女性博士号取得者(ニュージーランド・オタゴ大学)であり、国連宇宙部(UNOOSA)の初のマレーシア人長官も務めた。帰国後は大学で天体物理学のプログラムを立ち上げ、国立プラネタリウムやマレーシア初の衛星TiungSAT-1の開発を主導。宇宙機関Angkasaの初代長官も務めた。

国連時代には、小惑星衝突に備える国際プロトコル策定にも尽力。UNOOSAの責任者として「地球外生命体との最初の連絡役」と冗談めかして呼ばれたこともある。

また、2007年にはマレーシア初の宇宙飛行士を国際宇宙ステーションへ送り出すミッションを主導。現在、次の宇宙飛行士を送るべきかについては、「何か新しい貢献ができるなら検討に値する」と述べている。

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