【MM2H情報】国営通信を指導した日本人の秘話

馬国

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馬国の代表的な新聞社の記事には、ほとんど全部といって良いほど「Bernama発」のクレジットが文末に印字されています。

メディア業界では言わずと知れた政府直轄の「国営通信社」のベルナマです。

通信省に籍を置くマレーシアの報道局ですから、要するに政府広報かと思いきや、この報道局は政府の代弁者として機能することもあるにはあるが、その発祥は極めて民主的で健全だったようです。

Bernamaという名称は、「ニュース」を意味する “Berita” の最初の3文字と、マレー語の国営という意味で Nasional の “na” と Malayisa の “ma” を連結した単純なものです。

マレーシアの全身である(シンガポールを含む)マラヤがが独立に向けて邁進する1960年代初期に、マレー半島にバラバラと散財していた新聞報道局が、共同で一つの非営利情報センターを作ろうという話になり、当時のユネスコに頼んで報道局のエキスパートに参加してもらって、本格的なマレーシアの情報センターを作ったというのが起源でした。

驚くことに、この時にマレーシアに2ヶ月間派遣されてきた報道機関のエキスパートとは、当時の「共同通信」で30年経験してきていた49歳の日本人技術者だったのです。

彼の名はサダオ・ロイ・オオタケ(恐らく「大竹」という苗字)で、彼はニューヨーク大卒の国際派の報道の専門家だったようです。大竹氏は、マレーシアに入る前にシンガポールに数週間滞在しており、当時のStrait Times紙に写真入りで掲載されています。

1962年の大竹氏は、極めて民主的な立場で共同情報局の何たるかをマレーシアの報道陣に説明した上で、約2ヶ月の滞在期間中に、ベルナマの母体となる報道技術や組織作りを伝授したという記録になっています。ほとんどの日本人はこの事実を知らないと思います。この人の来歴や詳細は、ネットにはありませんでした。

筆 者
筆 者

大竹編集長は隠れた功労者ですね。ベルナマの発祥を知って、この非営利通信社の印象が変わりました。

確かに、Bernamaのホームページには、私企業などの広告は全く掲載されていませんね。広告に見えるのは政府からのメッセージや共有情報だけのようです。

Bernamaの発祥と役割

マレーシア国営通信社(マレー語: Pertubuhan Berita Nasional Malaysia)は、1967年の議会法によって設立され、1968年5月20日に運営を開始したマレーシア政府のニュースエージェンシー。通信・デジタル省の管轄下にあり、Wisma Bernama(クアラルンプールのトゥン・ラザク通り近くの国立図書館付近)に本部を置いている。

マレー語 Wikipedia に掲載の BERNAMA

主な役割は、公共およびメディア関係者向けにリアルタイムで包括的かつ信頼性の高いニュースや正確な情報を提供すること。最近数年間の政治的およびメディアの自由化にもかかわらず、ベルナマのニュース機関としての役割は、地元および国際メディアの間でよく知られている。マレーシアとシンガポールのほとんどのニュースメディアや国際ニュースエージェンシーがベルナマのサブスクライマー(配信サービスの利用メンバー)である。

有線情報サービスのほか、自らのラジオおよびテレビチャンネルを通じてニュース放送を行っており、24時間体制で運営されている。ソーシャルメディアプラットフォームでもニュースコンテンツを提供している。さらに、マレー語と英語の他に、中国語、タミル語、スペイン語、アラビア語でのニュースコンテンツも発信している。

「ベルナマ」という名称は「マレーシア国立ニュース」を意味し、一般的に全て大文字で表記されることが多い。

発祥秘話

1962年、当時の情報局長であった Mohamed Sopiee は、マレーの報道機関が「共同で国営通信社を運営すべきだ」と感じ、「この国のニュースが適切に収集され、他国に送信されるべきだ」と主張した。

同年7月14日、マレーの報道機関やメディア関係者は原則として国営通信社を設立することを決定。これは「協同組合であり、非営利かつ独立した組織であり、国内でのニュースの自由な流れとマレーシアに関する真の理解を促進する」というものだった。

日本の共同通信社の編集長であるサダオ・ロイ・大竹は、ユネスコの紹介で1962年11月26日にマレー半島を訪問し、2ヶ月の間国営通信社の設立に協力しました。ニューヨーク大学卒で30年の共同通信のキャリアを持つ大竹は当時「マラヤ」として知られていたマレーシアに、政府の干渉なしにニュースを広めるための通信社が必要であると述べ、未命名のマレー通信社が1963年8月にはマレー人と世界にニュースを発信するために活動を開始できると発言した。

出典:Wikipedia英語版 “Bernama” (写真も Wikipedia の記事から転載)

SMGの訪問を受けた ベルナマ

BERNAMAを訪問した Star の関係者の話をBERNAMAが報道して、それを Star が Star の記事として「BERNAMA発」で掲載しているという、珍しいオンライン記事です。

Delegation from The Star visits Wisma Bernama

Tuesday, 06 Aug 2024 10:52 PM MYT The Star online

Star Media Group Berhad のグループ最高経営責任者であるチャン・セン・ファットを率いる14人のスタッフが、ベルナマ本社を訪問した。

The Star のチーフコンテンツオフィサーであるダティン・パドゥカ・エスター・ン・セク・イーとマネージングエディターのブライアン・マーティンも出席しました。

group chief executive officer Chan Seng Fatt

chief content officer Datin Paduka Esther Ng Sek Yee 

managing editor Brian Martin

一行は8月6日火曜日の午前10時30分に Wisma Bernama に到着し、ベルナマ会長のダトゥク・セリ・ウォン・チュン・ワイに温かく迎えられました。

Bernama chairman Datuk Seri Wong Chun Wai

訪問中、彼らは会長とニュースサービスについての議論を交わし、ベルナマの最高経営責任者であるヌル・ウル・アフィダ・カマルディン、編集長のアルル・ラジュ・ドゥラ・ラジ、副編集長(ニュースサービス)ナスリア・ダルスおよびその他の幹部も出席した。

一行はまた、編集部門、ベルナマTV、デジタルメディアユニットおよびベルナマラジオの見学を行い、ベルナマの運営について包括的な説明を受けた。

Bernama chief executive officer Nur-ul Afida Kamaludin

editor-in-chief Arul Rajoo Durar Raj 

deputy editor-in-chief (news service) Nasriah Darus

1968年5月20日に設立されたベルナマは、通信省の管轄下にあり、Facebook、TikTok、X、Instagram、YouTubeなどのさまざまなソーシャルメディアプラットフォームに存在感を示している。– ベルナマ

最後まで参照いただき、ありがとうございます。

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