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数十年前は殺人的なラッシュアワーだった日本の通勤事情も、パンデミックや在宅勤務の運用で、だいぶまともになってきたようですが、
隣国のマレーシアでは、いよいよ都市部の通勤人口が増大して、日本のラッシュに匹敵する状態となりつつあるようです。
素晴らしく良くなったのは日本や欧州と同等の3分間隔の運行ダイヤを達成したLRTですが、それでも混雑時は３〜３本電車を待たないと乗車できないようです。
2000年代初期のKLでは想像がつかない混雑です。
公共交通が発展して、駅から目的地までのバスの利便性も良くなったので、自家用車が減ってきているのではと思いきや、まだまだ自家用車の登録数は多いのだそうです。
こちらも参照ください。キーワードは「ファースト・ラストマイル接続」でした。
経済発展著しい馬国のことですから、これは言わば price you must pay の範疇でしょう。
クアラルンプールと近郊の公共交通混雑
Greater KL ridership hits new high
Sunday, 25 Aug 2024 The Star Online
マレーシアの交通状況を注視している人々は、運輸省（MOT）およびクランバレーで都市鉄道やバスを運行する最大手企業であるプラサラナ・マレーシア・ベルハッドが発表した最新の公共交通利用者数データに驚かされた。Prasarana Malaysia Bhd, the country’s largest operator of urban rail and bus services
data.gov.myに提供されたMOTのデータによると、7月の鉄道およびバスの利用者数は6月に比べて11%増加し、鉄道は10.8%、バスは11.8%の増加を記録した。
国内で最も利用されている地下鉄路線であるケラナジャヤLRTは、利用者数が15.3%増加、続いてプトラジャヤMRTが14.7%、カジャンMRTが11.1%の増加を見せた。
クアンタン、タイピン、ペナンもカバーするラピッド鉄道およびラピッドバスの運営者であるプラサラナによると、同社の鉄道ネットワークを利用した乗客数は約3500万に達し、2021年以来の最高記録を更新した。このネットワークにはMRT、LRT、KLモノレール、クランバレー、クアンタン、ペナンのバスが含まれる。
興味深いことに、7月のカジャンMRTの月間利用者数は747万1333人で、「王者」であるケラナジャヤLRTの755万9800人に迫り、カジャンMRTがスンガイブローからカジャンまでの未開拓経路をサービスするという計画根拠が裏付けられた。
プラサラナはザ・スター紙に対して、鉄道路線の大幅な改善が利用者増加の要因であると述べている。
「新しい列車が追加されたことで鉄道利用者数が大幅に増加し、乗客の待ち時間も改善された。ケラナジャヤ線は現在56本の列車が3分間隔で運行しており、2022年の41本（ピーク時4.1分間隔）以降15本増えている。
カジャン線は39本の列車が4分間隔で運行しており、2022年の28本（ピーク時に5.6分間隔）から増便した」
バスおよびバンのサービスで大きな進展
2023年5月に導入されたデマンド・レスポンシブ・トランジット（DRT）サービスは、予約および乗車回数が7月31日時点で12万6000回を超えた。DRTサービスはアプリを通じて「召喚」された乗客バンを使用し、通勤者の「ラストマイル」移動を可能にしている。Demand Responsive Transit (DRT) service
「この取り組みにより、ファーストマイル・ラストマイルの接続性が向上し、ラピッドバスはサービスに300台のバンを追加する予定だ。最初のバンは12月に到着し、残りは2025年7月までに段階的に納入される予定だ」とプラサラナは述べている。同社によれば、道路に追加されたバスにより待ち時間も短縮されたという。
「2024年6月から、外部委託されたバスが段階的に納入され始め、すでに23台が運行している。2025年第4四半期までに310台のバスが段階的に納入される予定だ。警察およびクアラルンプール市役所の協力のもと、クアラルンプール市内の専用バスレーン（ジャラン・アンパン、ジャラン・ゲンティンケラン、ジャラン・クランラマ）の導入もバス利用者の信頼を高め、時間短縮とスムーズな移動を享受できるようになった。
これにより、クアラルンプール市内の専用バスレーンは3本となり、今後も段階的に導入される予定だ。例えば、ジャランアンパンのバスレーンでは導入以来、利用者数が27%増加している。ジャランゲンティンケランでは、2023年11月の導入以来、利用者数が42%増加している。(Jalan Ampang, Jalan Genting Kelang and Jalan Klang Lama)
コンセッション旅行商品の効果
プラサラナによると、コスパの良い旅行を提供するチケット商品が利用者の増加に貢献している。
「マイシティ・パスパッケージは改善され、現在は非マレーシア人も申し込むことができる。マイシティ・パスは、クランバレー内のラピッドKLのLRT、MRT、モノレール、BRT（バス高速輸送）、ラピッドKLバス、およびMRTフィーダーバスサービスを1日、2日、3日間無制限に利用できる無制限の日帰り旅行パスだ。
原文：MyCity Pass is an unlimited daily travel pass offering unlimited rides on Rapid KL LRT, MRT, Monorail, BRT (Bus Rapid Transit), Rapid KL bus and MRT feeder bus services in Klang Valley for one, two or three days.
マレーシア人限定のマイ50無制限旅行パスは、世界で最も安価なパスの1つであり、魅力的でコスト削減につながる選択肢となっている」と同社は付け加えた。The My50 unlimited travel pass
最近、アンソニー・ローク運輸相は、同省が今後の予算でマイ50の年間割り当てを継続するよう財務省に要請する予定だと述べた。Transport Minister Anthony Loke
総合計画の重要性
現在は解散した陸上公共交通委員会（SPAD）の鉄道部門の元責任者であるユスリザル・ダウド氏によれば、鉄道沿線に新しい観光名所や開発が開業したことも、利用者数の増加に大きく寄与しているという。Yuslizar Daud, former head of the now-disbanded Land Public Transport Commission’s (SPAD) rail division
「カジャンおよびプトラジャヤMRT路線の導入に加え、トゥンラザック・エクスチェンジ（TRX）やメルデカ118地区などの開発が良好な指標を示しており、バンダールマレーシア、ティティワンサ交通ハブなどの提案もある。ケラナジャヤおよびアンパンLRT路線の延伸も、プトラハイツでのシームレスな統合により、ネットワークが拡大した」と彼は述べた。
「これらすべてがMRT3またはサークルラインを導入するための良い兆候となっている」と彼は述べ、マイ50旅行パスも生活費の上昇に対する良い対策であると付け加えた。
アギル・アンド・パートナーズのマネージングディレクターであるワン・アギル・ワン・ハッサン氏は、新しい車両登録データが示すところによると、公共交通利用者が増えても道路がスムーズに流れるかどうかは疑問が残ると指摘している。Wan Agyl Wan Hassan, managing director of Agyl & Partners
「確かに、都市鉄道プロジェクトにより公共交通の利用が増加し、渋滞の緩和や排出削減、持続可能な発展の促進に寄与している。しかし、それにもかかわらず、個人の自動車所有は依然として強い。COVID-19パンデミック中に少し減少した後、自動車登録は2023年に799,731台という記録的な数字に戻った」
公共交通が競争力を持つためには、明確なコスト、利便性、および信頼性のメリットを提供する必要があるという。
「これらの要素を無視すれば、公共交通利用の一時的な増加にとどまる。鍵は、サービス全体の質を向上させ、ネットワークのカバー範囲を拡大すること、そして自動車所有を制限する政策を導入することだ」。
政策立案者が持続可能なモビリティを確保する最善の方法を議論する中で、利用者は交通ターミナルでの乗客の増加に頭を悩ませている。
「ラッシュアワーには、2～3本の電車を見送らないと乗り込めないのが普通になってしまった」と、サイバージャヤからMRTを定期的に利用するシェリー・コン氏は嘆いている。
彼女はまた、駅にパークアンドライドの施設がないため、多くの人が道路沿いに違法駐車し、それがバスの運行に支障をきたしていると苦情を述べた。
「政府が最終的にガソリン補助金を撤廃するなら、その影響に十分備える必要があるでしょう。補助金撤廃前のこの混雑状況からすると、実際に撤廃されたときに（混雑がどれほどひどく）なるのか想像すらできません」
最後まで参照いただきありがとうございます。
