この記事は本編「がちで起業」の詳細(ぶら下がり記事)です。
日本企業が馬国で中長期の事業を行うとなると、とりあえず事業体の代表がまずクアラルンプールあたりに出張してきて現地調査を始めます。これを支援する仕事は上手くいきました。
但し、大手企業は始めから馬国の企業と協業しますから、弱小自営業の支援サービスは求めません。従って、この記事の話題ではないです。
筆者のお客様は基本的に日本の中小企業、零細企業、そして個人でした。
最も重要な顧客層は、まだ馬国側の事業パートナーが決まっていない日本人だけで現地調査を始めるような事業者です。
支援サービス市場
ネットに立派な広告を出している支援者はほとんどが大手・準大手のコンサル業ですから支援サービスはパッケージ化されてていて、コンサル契約などの締結をが前提になります。
パッケージ契約は始めて馬国に入ってくる中小の事業者にとってはハードルが高いです。
筆者が起業して馬国で営業したのは「万屋(よろづや)」的な支援サービスでした。
この仕事はしんどいけれども、遣り甲斐がありうまく動けば自営業として充分経営していける収益を上げられます。
そして、この仕事で基本的に重要なのは「車での安全な送り迎え」が出来る事でした。
とっかかりは「移動手段」
自営を始める場合、全てに優先するのは移動手段(具体的には「車」)です。
LRTやバスが有ると言っても、馬国は電車の駅とバスの停留所が要領よく連結していないので、LRTで動き回ると自家用車よりも倍の時間がかかることがよくあります。
都市部の移動も、慣れてしまえば簡単ですが、始めて馬国に来た人にとっては非常にわかりにくいものです。
DBKL(クアラルンプル特別区)のような整備された都市部は良いですが、ちょっと郊外にでると、もう「車」以外に移動手段はありません。
筆者が動き回っていた2000年頃、馬国北のペラ州のイポあたりになると、地図さえ入手できませんでした。(今はネットで見れますね)
そして、そういう「地方」には日本の事業者の協力要請をもとめている馬国の企業(日系を含む)が事業展開をしていたりするのです。
筆者は脱サラ以前から仕事の関係で商業と工業の活動がある地域はくまなく走り回ってきましたから、自分で運転して行けない場所は殆どありませんでした。それでも難しければ馬国人の案内を雇う
伝手もあったわけです。
つまり、「自分で運転して、お客さんを乗せて馬国のあらゆる地域に案内できる」というスキルが筆者の事業リソースだったのです。
そして、馬国では運転手を雇うよりも自分で運転したほうが安全でした。
支援実績
以下のような方々・事業者からお仕事をいただきました。
■ 始めてマレーシア企業から仕事を受注した中小の設計・施工業者
■ モノづくり系の先進技術を馬国に売り込む小規模事業者(昔の村田製作所のような会社)
■ 馬国のユーザーから問い合わせを受けている技術系ライセンサー(設計事務所)
■ 馬国の製作工場を視察に来た事業者
■ アジア諸国の流行歌手やアーティストの作品を探しているマニアックなエスニック系小売業
■ 馬国で開業したばかりの自営業者(つまり同業の方)
■ 現地で開業したばかりの日系の支援サービス業者が対応しきれないような細かな支援サービスを「おこぼれ」的に下請け
馬国にくる事業者の目的
日本や海外の事業者や個人が馬国に来る理由は、商工業の技術移転や技術進出だけでははいです。
もう一つの目的は
馬国という国を経験したい
ということに他なりません。
ですから、衣食住から娯楽まで全てを体験することは進出してくる皆さまの願望です。
DBKLのような特別区や中心街でなく「地方」を体験した方も沢山いらっしゃいます。
これをサポートするのも筆者のような弱小自営業の役割といえましょう。
以上は、大儲けではありませんが、筆者が起業してそれなりの成果を上げられた内容です。
そして、日本人は必ず対価を払ってくれます。
結論:
多くの日本人が「来たがる」馬国で日本人を支援するビジネスはお勧めです。
地味ですが、収益と生活の不安さえなければ、こんなに遣り甲斐があって楽しい仕事は他にありません。